立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 弁護士事務所でのアルバイトで
    知識力と文章力を上げ、合格。
    企業内弁護士として紛争予防を目指す。

    杉立 大輝さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2020年度)
    2022年司法試験合格

順調で充実した受験勉強にも関わらず
試験直前の模試で感じた不安が本番で的中

中学3年の時、学校で弁護士の話を聞く機会があり、人の役に立つ仕事だと思い、憧れを持つようになった杉立さん。大学時代には予備試験を視野にエクステンションセンターで司法試験基礎講座も受講していた。他大学の法科大学院には入学がかなわなかったので、金銭面もふくめた支援制度が整い、ていねいな指導が受けられる立命館大学の法科大学院へ。基礎的な知識はあったので授業ではあまり予習はせず、先生の一問一答を、本番を意識した質問への瞬発力をつける練習とし、答えられなかった質問はまとめノートに知識を書き入れて試験用にブラッシュアップするなど、復習に力を入れていた。自習室では論文対策、自宅では短答式の過去問。勉強する場所も切り分るなど、特に不安もなく大学院での2年間を過ごした。

ところが1回目の試験の直前の模試で時間内に答案が書ききれなかった杉立さん。不安を残したまま司法試験当日を迎えてしまう。不安は的中し、本番でも書ききれない設問があり、不合格となってしまった。「早く書く練習、120分を計って書ききる練習の回数が少なかったのだと思います」。

失意の杉立さんに声をかけたのが、弁護士ゼミの先生だった。自分の事務所でアルバイトをしないかとの誘いだ。司法専修生として勉強を続けながら、直前期以外は週に2日、先生の業務のサポートを行った。弁護士ゼミの資料作成を通して知識を身につけ、訴状の書類作成で繰り返し添削を受けることによって文章力も上った。実務を間近で見る経験もできた。「先生には感謝しかありません」と杉立さんは話す。

弁護士ゼミ

立命館大学には正課外で様々な資格取得をサポートするエクステンションセンターがあり、10名〜20名の弁護士が担当する弁護士ゼミや、模試の学内実施、大手事務所訪問会など多様なサポートを行っています。

「弁護士でなくてもいい」。そう思い
肩の力が抜けたことが、本番での緊張も解いてくれた。

しかし、直前になると去年のことが思い出され「また落ちるのではないか」と不安感に襲われるようになった。しかもコロナ感染で寝込み、1ヵ月もの間、まったく勉強できなくなってしまう。その時ベッドの中で考えたのが「弁護士以外にも人の役に立つ仕事はある」ということだった。司法試験をもう一度だけ受けて、落ちたら公務員になろう。「弁護士でなくてもいい」そう思うと肩の力が抜けたという。回復後は勉強を再開し、4月には国家公務員総合職も受験。司法試験は「就職活動の一つくらいの気持ちで臨んだので、まったく緊張しませんでした」と笑う。

見事合格した杉立さんに、立命館大学法科大学院の魅力を聞いた。「学生を合格させるため、熱量を持って指導してくださる先生方がたくさんおられることです。合格率だけでは見えない優れた環境とサポート体制があるので、これを活用する意志がある人なら、合格できる水準まで高めてもらえる法科大学院だと思います」。

修習後は、商社の法務部に就職予定だ。弁護士事務所でのアルバイトで「もっと早く相談してもらえれば、紛争にならず話し合いで解決できたのに」というケースを多く見聞きしたことが進路に影響を与えたという。「裁判の勝ち負けではなく、紛争を予防するのが弁護士の本来の仕事だと考えるようになったんです。企業内弁護士なら、当事者として事業部門と関わり、紛争を予防できる。それが法律家としてのやりがいにつながると考えています」。

サポート体制

入学前から在学中、修了後も生活面・学習面で手厚くサポートします。