Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series
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「受験勉強」をしない
自分流の勉強法を貫き
法曹コース5年で合格。松本 幸音さん
立命館大学法学部出身
既修者コース修了(2024年度)
2024年司法試験合格
授業さえしっかりやっていれば
予備校は必要ないと思った。
医学部志望だった松本さんが法学部に進路変更したのは、血液が苦手になってしまったこと、そして高3の時に起きた医学部不正入試問題への関心からだ。女子受験生等が不当な扱いを受けたこの事件を追ううち、法律を知れば、自分も周囲の人も守ることができると弁護士を志すようになった。法曹進路プログラム(法曹コース)で3年学び、早期卒業。他の法科大学院への進学も検討したが、「予備校なしでも十分に実力をつけられると明言していること、私の特性を知る先生に一貫して指導いただけること、新しい環境に慣れる時間のロスがなく、奨学金制度によって学費の負担がないことから、立命館を選びました」。
大学までとは違う一問一答形式の授業。「答えられなかったらどうしようという気持ちもありました。ただ、授業の中で周囲の人との実力比較ができ、答えられなくても先生が順序立てて考え方を教えてくださるので、その場で吸収できるという点ですごくいい授業だったと思います」と振り返る。「授業さえしっかりやっていれば、確かに予備校は必要ないと思いました」。
完全に理解していないことは、読んでも頭に入らず、覚えることもできないという松本さん。「理解すること」を何よりも重視し、基本書をひたすらノートにまとめた。学期末のテストまでに授業を全て理解すれば、成績も取れ、知識も積み上げられる。そう考えて、過去問などの受験勉強は一切やらずに授業中心の勉強を続けた。在学中受験を4カ月後に控えた2年目の春からは、これまでの授業を徹底復習。「本当にこれで合格できるのかという不安もありました。でも、スタイルを変えて崩れる方が危険だと思ったんです」。自分流の勉強法を貫き、合格を勝ち得た。
法律の理念や条文の理解を大切にする
先生の指導だから合格できた。
自分流を貫くことへの不安がなかったわけではない。「過去問が大切だと何度も言われました。『やらないなんて意味がわからない』というネットの投稿を見たこともあります。でも、法律を理解して、覚えて、書ける状態にするという目標は同じだと思ったんです」。
わからないことはすぐ先生に質問していた。いやな顔をせず、むしろ嬉しそうに答えてもらえたことへの感謝を松本さんは口にする。「質問への答えだけではなく、関連する事柄についても、とても楽しそうに話してくださいました。1を聞きに行くと、2も3も返していただけるので、知識がどんどんつながって、知らない問題が出た時も類推ができるようになっていったんです」。試験で問われやすい論点を中心に理解し、論証集で覚える一般的な予備校の勉強法は、自分には合っていなかったと思うと話す。「学者の先生方は、法律を貫く理念や条文への理解をすごく大切にされているので、理解が必要な私はとても助かりました」。
将来は社会的弱者と呼ばれる人々をバックアップできる弁護士になりたいと話す。「男女雇用機会均等法などの法律はあっても、社会的な認識によって家事育児を一手に負担している女性がいる一方、経済力がなくて離婚に踏み切れない女性もいる。そんな人を支援できる弁護士になりたいなと思っています」。

教員紹介
高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。