立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 年齢も環境も言い訳にしない。
    客観的な自己分析と
    集中力で飛躍を遂げた。

    片山 和成さん

    神戸大学法学部出身
    未修者コース修了(2015年)
    2015年度司法試験合格

自習室、ライブラリー
充実した学習環境で勉強に集中。

大学卒業後、数年間は社会で働いていた片山 和成さんは、弁護士だった母親に背中を押され、法曹の道へ進むことを決意した。法学部を卒業したとはいえ、法律の勉強から離れて久しい。「ゼロからの再スタート」という気持ちで立命館大学法科大学院の門をくぐった。

「入学した時は、司法試験に向けてどのように勉強したらいいのかもわかりません。法科大学院の授業を信頼し、先生に指示・指導されることを忠実にやっただけでした」と語る片山さん。1年次は、授業の予習・復習だけで勉強時間のほとんどが費えた。「未修者コースとはいえ、法律基本科目を1年間で網羅し、法の体系や基礎理論を理解するために90分間の授業で学ぶ知識量は膨大なものです。それに備えるには1科目につき最低でも3時間以上の予習が必要でした」

片山さんは、基本書を読み込むだけでなく、「マイノート」を作って自分なりにまとめることで覚えなければならない知識を頭に入れ、論理を整理する習慣をつけた。またより理解を深めるため、関連する判例にも目を通した。そこで活用したのが、朱雀リサーチライブラリーだ。ライブラリーには、約2万5000冊の図書・雑誌を配架。法律に関わる専門書や判例、論文なども豊富に揃っている。大学院生はさらにオンラインデータ・ベースにアクセスし、立命館大学の持つ約250万冊の蔵書も閲覧することができる。「自習室で勉強しながら自分のパソコンからデータ・ベースにアクセスして判例を読み、必要な資料のみリサーチライブラリーに出向いてプリントアウトできるので、便利でした」と片山さん。「立命館大学法科大学院は非常に学習環境が整っています。自習室では一人ひとりに広い机が与えられ、集中して勉強できました」

朱雀リサーチライブラリー

法科大学院をはじめとするプロフェッショナルスクールでの学習、研究を支援するためにキャンパス独自のリサーチライブラリーを設置。約25,000冊の図書、雑誌を配架しています。

客観的に自分の力を把握し
集中力で効率的に力を伸ばす。

漫然と勉強していては、司法試験に必要な膨大な知識を自分のものにし、合格にたどり着くことはできない。「必要なのは、客観的に自分の力を判断することと集中力」だと片山さんは即答する。自分の到達度を客観的に見極める判断材料として活用したのは、模擬試験だ。片山さんはできる限り多くの模擬試験を受験。試験結果を見て力不足の科目や分野に注力し、効率よく力を伸ばしていった。

しかし2年次の秋、勉強だけに集中できないできごとに直面する。「9月に娘が生まれたんです。ところが喜びもつかの間、ほどなくして私の母が亡くなりました。精神的にも、肉体的にも、とても辛かったですね」

悲しみが癒える間もなく家庭では育児にも追われることとなった片山さんは、勉強時間を減らすことを余儀なくされた。不足する時間を補うために行ったのは、集中力を徹底的に高め、勉強の「質」を上げることだった。毎朝7時から午後2時ごろまで大学院で勉強し、妻の負担をなるべく軽減すべく帰宅後は育児に専念する。10時間分の勉強を7時間で終わらせると決め、勉強時間中はそばに誰かが来ても気づかないほど集中した。

「それでも一人では、3年間勉強を続けることはできなかった。一緒に学ぶ仲間が支えてくれたから、精神的に辛い時期を乗り越えることができたのです」

家庭の事情で大学院をしばらく休んでいた間、仲間が授業で出された資料を集め、重要なところに付箋をつけて片山さんの自習室の机の上に山積みしておいてくれた。また共に自主ゼミを開き、忌憚なく批評し合える仲間もいた。こうして同じ目標を持った仲間と切磋琢磨することで、困難な状況に屈することなく、3年間で合格を勝ち取った。