立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 「同期みんなで合格しよう」と
    励まし合い、協力し合って
    現役合格をつかんだ。

    飯塚 大航さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2018年度)
    2019年司法試験合格

自習時間のほぼすべてを予習にあて
定期試験向けの勉強はしなかった。

飯塚さんが法曹を志したきっかけは、高校生の時に裁判を傍聴したこと。裁判官が被告人を優しく諭す姿に感銘を受け、理系から転向して立命館大学法学部に入学、そのまま法科大学院に進学した。 入学して驚いたのは、先生との距離の近さだ。授業中にも頻繁に問答があり、質問に行くとていねいに指導してもらえる。「授業の後はいつも質問をしていました。質問がなくても、知識を確認するために必ず先生と話すようにしていました。お願いすれば、個別指導や自主ゼミへの参加も快く受けてもらえます。日本でトップクラスの恵まれた環境だったと思います」

自習時間のほとんどを予習にあてるのが飯塚さん流。定期試験前も、そのためだけの勉強はせず、普段通りの予習と授業での集中を徹底した。「司法試験は出題範囲無制限なので、定期試験の直前に詰め込んでも意味がないと思ったんです。定着した知識をいかに使うかを意識していました」。答案を書く練習もほとんどしなかった。その代わり、合格答案を分析して、どのような表現が効果的か、どのように書けば点数になるかを追求し、その成果を定期試験でぶつけた。本番を意識した独自の方法で勉強を進めていたのだ。

合格の決め手になったのも一風変わった体験。司法試験の約半年前、答案を書く際に必要な「法的三段論法」について深く考え込んでしまったのだ。「実際に法律を使う上での理解はまだできていない」そんな思いにとらわれて朝まで考え続けると「そういうことだったのか!」と腑に落ちる瞬間が訪れた。その時、今まで書いてきた答案の構造がすーっと整理され、「もう怖くない」と思えたのだという。

教員紹介

高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。

最後まであきらめなかった人が
合格できたのだと思う。

こうした飯塚さんの真面目で深く考える性質は、時に気持ちの不安定さにつながることもあった。そこで支えになったのは家族、そして同期の仲間の存在だ。「入学直後は、過去の結果から、皆が『主席にならないと合格できない』と内部での競い合いに必死になっていましたが、いつしか『過去の結果にとらわれず、みんなで合格しよう』と励まし合う雰囲気が生まれたんです」。「今どんな感じ?」「精神的に大丈夫?」と声をかけ合い、教材を共有するなど、協力しながら競い合う関係になれた。「そのおかげで、多くの同期が現役合格できたのだと思います」。

エクステンションセンターの朝練もかけがえのない場だった。本番半年前の不安な時期に、去年の合格者が来て、精神面でも激励してくれていたからだ。そして「事務室の方はもちろん、自習室の清掃スタッフまでもが応援してくれていることを感じていました」と感謝を口にする。

司法試験は、鉄棒にぶら下がり続ける試験のようなものだと言われる。「みんな必死でしがみついているけど、もうダメだと思った瞬間に落下する。試験勉強中だけでなく、本番の試験中にもわかるんです。『あ、今あきらめた人がいる』って。私自身も、もう帰りたいと思った瞬間が何度もありました。それでもあきらめず最後までしがみついた人が合格できたのだと思います」。

裁判官に憧れて法曹を志した飯塚さんだが、司法修習にはフラットな気持ちで臨む。「宗教法人や学校など、これから法律家を必要とする分野を開拓できるという点で、今は弁護士にも興味を持っています」。

エクステンションセンター

立命館大学には正課外で様々な資格取得をサポートするエクステンションセンターがあり、10名〜20名の弁護士が担当する弁護士ゼミや、模試の学内実施、大手事務所訪問会など多様なサポートを行っています。