扁 額:「石原尋常小学校」
所在地:埼玉県熊谷市石原 熊谷市立石原小学校
揮 毫:明治27(1894)年11月ヵ 公望46歳
熊谷市立石原小学校に、扁額「石原尋常小学校」がある。文部大臣侯西園寺公望書と揮毫されている。
明治27年10月、西園寺公望は伊藤内閣の文部大臣となり、各地の学校の巡視を行った。11月7日から2週間ほどは、栃木・茨城・群馬・埼玉・千葉の各県の学事巡視を行った。熊谷の石原尋常小学校には、明治27年11月13日に巡視している。
「時ノ文部大臣侯爵西園寺公望、埼玉県知事男爵千家尊福随行巡視セラル 帰任後(石原尋常小学校)ノ自筆額面ヲ送附セラル」(学校沿革史)
同行した県知事千家尊福(たかとみ)は出雲大社宮司出身で、のちに第一次西園寺内閣の司法大臣に就任した。
石原小学校は、明治6年に石原西学校、7年に石原東学校が開校、のち合併し石原小学校、明治25年に石原尋常小学校となっている。今、創立150年を迎えている。
2022年5月24日 立命館 史資料センター 調査研究員 久保田謙次
資料:(1)石原小学校「学校沿革史」
(2)『石原村誌』明治42年1月
(3)石原小学校『石原小学校九十年の歩み』昭和39年2月
(4)読売新聞 明治27年11月15日朝刊に
「西園寺文部大臣が知事と熊谷の諸学校を巡視。12日夜知事とともに來熊し、清水屋に投宿、13日当地の諸学校を巡視」との記事がある。