立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 手厚い指導だけでなく、
    教師陣の励ましの言葉に支えられた。

    山内 麻未さん

    同志社大学法学部出身
    既修者コース修了(2012年)
    2013年度司法試験合格

事案解決のために法を活用すると
視点を変えると理解が進んだ。

子どもの頃、テレビドラマで女性弁護士が活躍する姿を見て「かっこいい」と思ったのが、法曹を志す出発点だったという山内麻未さん。漠然とした憧れが確固たる決意に変わったのは、大学生の時だ。「男女雇用機会均等法の成立過程を紹介するドキュメンタリー番組を見たんです。法律が制定されるまでに女性たちがどれほど大きな困難を乗り越えたか、またこの法律によって女性の社会進出がどれほど進んだのかを知って、法が与える影響力の大きさに感動しました。それから私も法を通して多くの人の役に立ちたいと考えるようになりました」

立命館大学法科大学院を選んだ理由は、勉強に集中できる環境が整っていることに加えて、奨学金制度が充実していることだ。成績に応じて授業料が半額免除されるなど経済的な負担を軽減できたことは、勉強を続ける上で大きな助けとなった。

学部時代から法律の勉強には慣れ親しんできたはずだったが、入学当初、山内さんは法科大学院での勉強に戸惑ってばかりだった。「与えられた問いにどこからどう答えていったらいいのかが、分からないのです。『法を解釈し、事実を法規範にあてはめ、結論を導き出す』と頭では理解していても、いざペンを持つと何一つ書けません。今思えば、知識をやみくもに覚えていただけで、それを咀嚼して自分のものにできていなかったのだと思います」。問われるのは、法律の知識そのものではなく、それを司法の現場で生かす力だ。身につけた知識を用いて持論を立証するための論理をどう組み立てるかが重要になる。

光明を見出せないまま1年が過ぎ、「このまま同じやり方で勉強を続けていていいのか」と迷いが募った。それを払しょくしてくれたのが、2年次から受け始めた「弁護士ゼミ」だった。現役弁護士の指導を受け、勉強法が一変した。「基本書を漫然と読むのではなく、問題を解きながらそれに必要な法をひも解いていくようにしたんです。『事案の解決のために法を活用する』と視点を変えると、知識の吸収力が上がるばかりか、論理の道筋が明確になり、事案をスムーズに解釈できるようになりました」

奨学金制度

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。

挫けず、勉強を続けられたのは
教員のサポートがあったから。

法科大学院修了後、司法試験に合格するまでさらに1年間勉強を続けたが、山内さんの心が挫けることはなかった。修了後も変わらずサポートする教師陣の存在があったからだ。「法務専修生としてオフィスアワーなどを利用し個別指導していただいた他、先生にお願いして学生が自主的に開催するゼミも指導していただきました。質問に答えるだけでなく、時に気持ちを奮い立たせる言葉をかけてくださるなど、精神的にサポートしてくださったことが心強かった。また、弁護士ゼミの先生が『勉強方法は間違っていない。信じて継続しなさい』と励ましてくださったから、自信を持って勉強を続けることができました」

これからの目標は、地域で生活者、とりわけ女性に寄り添う弁護士になることだ。今も思い出すのが、「リーガルクリニックII(女性と人権)」での経験だ。立命館大学法科大学院では、法律の現場を知ることも重視し、臨床系科目を必修としている。実習では、離婚やDV、ハラスメントなどの相談に対し、弁護士だけでなく、心理カウンセラーも関わり、法学と心理学を融合させて依頼者をサポートする事例を学んだ。「依頼者を真に救済するためには、法律だけでなく、心理学や医学など、多様なサポートが連携する必要があると学んだことを将来、実務の現場でも生かしたいと思います」 助けを求める女性の力強い支えになるため、山内さんは新たな一歩を踏み出す。

リーガルクリニック

相続・破産・離婚・相隣・交通事故・労働問題等を対象として法律相談を実施します(刑事事件、また民事であっても係争中の案件を除く)。一人の人、一つの事件を時間をかけてじっくり考える機会は、得難い財産となります。