立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 制限時間内に書ききれる
    現実的な答案を追求した結果
    2回目の受験で合格。

    垣岡 彩英さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2017年度)
    2019年司法試験合格

先生の質問に答えられるよう
予習に時間をかけた。

立命館大学法学部から立命館大学法科大学院へ進学した垣岡さん。立命館を選んだのは「私は一人で勉強ができないタイプなので、先生方の指導が手厚く、面倒見の良い立命館で頑張るのが合格への近道だと思いました。奨励奨学金で2年間の学費が免除される上、入学金が不要という点も大きかったですね」。

一方的に先生の話を聞く大学の授業と違い、次々と当てられ、答えられないとそこで止まってしまう法科大学院の授業。自然と予習に時間をかけるようになった。「メインの論点から少しはずれた質問が来るので、あらかじめ質問を想定し、判例を読み込んだり、関連のテキストを読んだりしてカンニングペーパーのようなものを作っていました。1コマにつき3、4時間かかるので、時間の捻出が大変でした。」。そんな中でも、仲間と立ち上げた自主ゼミで答案を書いて先生にみてもらうなど、積極的に試験勉強に取り組んだ。

しかし初めての司法試験を前に、垣岡さんは少しナーバスになっていた。「自分がちっぽけに思えて、合格への距離が遠いと感じてしまったんです」。結果は不合格。「仕方ないと思う反面、一緒に頑張ってきた仲間に先を越されたくやしさでいっぱいになりました」。

奨励奨学金

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。

「力」と「愛」の両方を
兼ね備えた法曹になりたい。

合格発表後、先輩のアドバイスで、不合格だった試験の再現答案を作り、先生に観てもらったという垣岡さん。そこで気づいたのが、時間が足りなかったのは知識不足ではなく、答案が長すぎたということだ。「それまで自主ゼミで書いてきたのは、時間をかけて調べて練り込んだ答案。本番で同じように仕上げるのは不可能だったんです。この時から、制限時間内に書ける現実的な合格答案を追求するようになりました」。法務専修生として弁護士ゼミに入り、指導を受けた。「時間内に合格答案を書く」「基本知識だけを使って応用問題を解く」という方針が垣岡さんのニーズにぴったりだったからだ。「答案用紙2枚が余るくらいで良い」「現実的に書けるのはここまで」など、実践的な指導に、みるみる答案が変わっていった。「内容と制限時間の相場観がつかめたんです。答案のスタイルも身についたので、まったくわからない論点でも、知識を駆使して自分なりの答えを出すことができるようになりました」。

1回目の試験では手が回らずF評価だった民法も、自ら先生に依頼し、仲間を集めて立ち上げた自主ゼミで指導を受けた。ほめ上手な先生の「この流れはすごくいいですね」「この点も書けたらよかったですね」という具体的な指摘も合格につながったという。時には仲間と飲みに行って気分転換もはかりながら努力を続けた垣岡さん。2月には合格への自信が持てるようになり、モチベーションもどんどん上がっていった。1回目の直前期との違いは明白だ。「やはり合格できると思って受けなければだめですね」と笑う。

法律の専門家として、困っている人を助けてあげたいというのが根本的な思いだと話す垣岡さん。大学時代に取り組んでいた少林寺拳法では「力愛不二」という言葉がある。「力なき愛は無力であり、愛なき力は暴力であるという意味です。力と愛の両方がなければ人は救えません。それを兼ね備えた法曹になりたいと思っています」。

法務専修生

司法試験受験資格のある修了生は、最長5年間、大学院の施設を利用したりプログラムを履修することが可能です。