Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series
-
飛び級制度で学部3年から進学。
「困っている人を助けたい」との思いで
自分に必要な勉強を続け、2回目で合格。篠原 宏昌さん
立命館大学法学部出身
既修者コース修了(2018年度)
2020年司法試験合格
大学とは段違いの緊張感ある授業に、
自然と予習に力を入れるようになった。
小学校の時、いじめにあっている友人を助けられなかった経験から、困っている人を助ける仕事がしたいと考えた篠原さん。自分の力を活かせる仕事として法曹を志すようになった。立命館大学法学部3年の時「模試感覚で受けた」という飛び級試験に合格し、立命館大学法科大学院へ入学する。
大学とは段違いの緊張感ある授業に、自然と予習に力を入れるようになった。ただし、テキストの判例の読み込みは程々で切り上げた。「予備試験の過去問を利用して、授業範囲の短答式問題を全科目分解き、解説を読み込み、論文式試験で使えそうな部分をマークして憶える。この繰り返しを予習に必ず組み込んでいました。これは有効だったと思います」。自分なりの勉強法を確立し、1年目から短答式では合格点に達するようになったという。
印象に残っている授業は、一般の方を対象に実際の法律相談を行う「リーガルクリニック」。「紙の上の出来事ではなく、実際に困っておられる話を聞けたことは社会勉強にもなりましたし、やりがいのある仕事なんだろうなと、勉強に前のめりになれました」。
リーガルクリニック
相続・破産・離婚・相隣・交通事故・労働問題等を対象として法律相談を実施します(刑事事件、また民事であっても係争中の案件を除く)。一人の人、一つの事件を時間をかけてじっくり考える機会は、得難い財産となります。
設備・環境面の充実、
先生や職員の方の丁寧なサポート。
エクステンションセンターの弁護士ゼミも利用した。1年の時は民事系の弁護士の先生に事例を交えた話を聞き、難解部分の理解に役立てた。2年の時は週に1度論文を提出し、論述に関するアドバイスを受けた。「他のゼミ生の回答を読むのも、自分に足りないところを知る良い機会になり、実力につながったと思います」。
しかし、初めての受験では不合格となってしまう。「知識が、出題範囲のすべてにまで及ばなかったのが原因だと思います」。精神的ダメージを回避すべく、合格発表前に「不合格後スケジュール」を立てていたという篠原さん。おかげで気持ちを切らすことなく法務専修生として勉強を継続。知識の再確認、論述力の強化、そして不十分だった知識の範囲を広げるため、一冊の問題集を何度も繰り返し解くことで、2回目は確実に合格をつかむことができた。
「立命館は日本一の法科大学院だと思っています」と篠原さん。毎日長時間を過ごした自習室にはゆったりした自分専用のデスクがあるという設備面に加え「お忙しい先生方が手厚く質問に答えてくださるのが本当にありがたかったです。質問しやすい雰囲気を作ってくださるので、遠慮することなく研究室にうかがうことができました」と感謝を口にする。「民法改正で過去の問題集が使えなくなっても、弁護士の先生が改正民法に対応した問題と模範解答を作って解説してくださいました。司法試験が延期になった時に、職員の方が『延期になったけど頑張ってね』と声をかけてくださったことも忘れられません。みんなで受験生を応援しようという気持ちがすごく伝わってきました」。
司法修習後は弁護士になる。学びを通して「困っている人を助ける」にも数多くの方法があることを知った今、どんな弁護士になりたいかについては「選択科目の環境法関係の訴訟にも興味がありますが、刑事事件にも取り組んでみたい。司法修習や就職活動の中で色々なお話を聞いて決めていきたいと思っています」。