Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series
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授業の予復習を淡々とこなし
修了後に集中して試験対策。
自分に合った勉強法で一発合格。武市 佳樹さん
立命館大学法学部出身
既修者コース修了(2021年度)
2022年司法試験合格
休まず毎日コツコツ勉強できるように
毎日7時には自習室を出て自宅で寛いだ。
高校の文系選択時に法学部への進学を決め、法学系最難関の司法試験受験を目指そうと考えた武市さん。立命館大学からなら入学金が不要で、奨学金制度も充実している立命館の法科大学院に進学した。
一問一答形式で次々と当てられる授業で、何を問われても答えられるようにしようと、1科目最低2時間は予習に当てた。それでも毎日7時には自習室を出て帰宅。家では勉強をせず、テレビや動画を見てリフレッシュすることを心がけた。「根をつめて疲れるよりも、休まずにコツコツやる方が自分には合うと思っていました。毎日休まず続けられるラインが夜の7時だったのだと思います」。授業を中心とした勉強を淡々と続け、成績は上位30%から40%。合格率を考えると「もっと上にいないと難しいかな」とも考えたが「自分にできることはやっている」と思い直して、スタイルを変えることなく授業中心の勉強を続けた。
中でも役立ったのは松岡先生の民法の授業。「予習として作成した答案を、先生に添削していただいていました。一定ラインに達していないと再提出が課されます。週に1度、先生に認めてもらえるレベルの答案を書き続けられたこと、人の答案の良い部分を自分の答案に落とし込めたことがすごく役立ったと思います」。
「絶対に合格しなければ」との感覚が
あまりなかったことが、逆に合格を呼び寄せた。
大学院修了までは授業の予習と復習に加えて短答式の練習を少し行うくらいだったという武市さん。試験に向けて本腰を入れたのは修了後。「他の法科大学院に通う友人とビデオ通話を繋ぎっぱなしにして、お互い監視し合いながら、必要な時には質問し合いながら勉強していました」。午前は短答式の練習、午後は過去問。回答は書かず、問題を読んで少し考えたら解説を読む。書こうとすると身構えてしまい、なかなかとりかかれない自分を知っていたので、それなら1日2、3科目を何度も繰り返そうと考えたのだ。ここまで来れば時間との戦い。大学院在学中は気楽に構えていた武市さんも、勉強漬けの毎日はやはりつらかったと振り返る。
一発合格できたのは、逆に「絶対に合格しなければ」という感覚があまりなかったからではないかと自己分析する。「決して出来がいいわけではないので、自分のできる範囲で努力し、何回か挑戦して合格できなければ、企業の法務部への就職活動に切り替えようと思っていました」。スポーツの経験も役に立ったかもしれないと話す。「一発勝負の試験。ミスや問題の読み違いもあり得ます。普段なら気づくことも緊張状態で気づけなくなる場合もあるでしょう。私は高校まで水泳をやっていて、ある程度の緊張を持って本番に臨む経験を多く積んでいたので、試験当日も緊張はしましたが、手がふるえたり、頭が真っ白になったりすることはありませんでした」。自分を知り、自分に合った方法で、やるべきことをやる。武市さんはそんなスタイルで合格をつかんだ。
修習後は弁護士、中でも専門分野を持つ弁護士になりたいと話す。「今、関心を持っているのは倒産処理。極限状態で助けを求めに来られた方の、再生のきっかけを作ることができればと思います」。