教員紹介

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東アジア研究学域

中国唐王朝の政治を宮殿の構造・機能を中心に解明
キーワード :
唐王朝、宮城、御前会議

松本 保宣教授

所属専攻:
東洋史学専攻
専門分野:
中国史、隋唐五代史
三国時代から始まる戦乱の世は、軍事・政略に秀でたカリスマ的皇帝の登場とその退場により、国土は統合と分裂を繰り返し、短命な王朝の興亡が相次ぎました。6世紀以降、全土を統一した隋唐王朝も、その余韻が色濃く残り、隋の煬帝・唐の太宗・則天武后など、個性が強すぎる面々が権力闘争の限りを尽くしました。
しかし、唐王朝も半ばごろから、資質の優れた指導者に頼る政治から、制度を固めることによって、安定した国家を維持する方向へ変質していきます。
現在の私の研究は皇帝の御前会議を舞台に、そこで演じられた皇帝・宰相・官僚・宦官達による生々しいやりとりを解明することにあります。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

中国は有史以来、膨大な記録と歴史書を編纂してきました。それは少しばかりの訓練で、容易に読解できます。つまり豊穣な歴史の宝庫にアクセスできる環境が、皆さんの前に広がっているのです。一歩踏み出して、現代日本とは異質な文化・文明を体験しましょう。それは、いわば時空を離れた異世界への旅といえます。

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東アジア研究学域

日韓日朝の歴史葛藤問題を解きほぐすための実証研究
キーワード :
韓国・朝鮮、日韓・日朝関係、植民地研究

庵逧 由香教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
朝鮮近現代史、国際関係史
「人が人を支配する」という暴力が最も鮮明に「制度」として表れるのが、近代の植民地支配です。明治維新のあと、日本が近代国家として国際社会に出た陰には、朝鮮や台湾などの植民地支配がありました。しかし、何千万という人を植民地支配することは、それほど簡単なことではありません。どのような制度をつくり、どのような政策を実施したのか。その時、朝鮮の人々はどのように対応したのか。その結果、朝鮮社会はどのように変わっていったのか。当時の史料や証言を分析すると、思わぬ事実や構造が浮かび上がってきます。こうした客観的な分析を通じて、日本と韓国・朝鮮の間で未だに課題となっている植民地支配の問題解決を目指します。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

韓国・朝鮮について体系的に学びたい皆さん、東アジア研究学域にぜひいらしてください!韓国の学生たちと一緒に、学びましょう!

COLUMN

K-POPや「三国志」から、言語、歴史や思想へ、東アジアについて学びが広く・深くなっていく

現代東アジア言語・文化専攻

庵逧 由香

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東アジア研究学域

映画の見方は様々 中国社会から読み解くのも面白い
キーワード :
中国映画、中国ドラマ、三国志演義

上野 隆三教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
中国語映画、中国古典文学
私の専門は中国の古典文学でしたが、今は中国・香港・台湾の映画を中心に据えています。20年ほど前まで中国の有名な映画監督の多くは、中国では収益があがらないため、海外で公開することを前提に作品を作っていました。海外で評判が良い歴史物(『始皇帝暗殺』『HERO』など)が多く作られたのです。しかし中国が世界第二位の経済大国に成長した現在、映画館のチケット代は日本とあまり変わらず、人口は日本の10倍。映画は中国国内だけで十分儲かる状況です。最近は芸術性の高い映画は敬遠され、中国人に人気のコメディが増えました。中国では映画やテレビ番組も経済、外交、社会の影響を受けることが多いのが興味深いところです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

他国の文化を学び、その神髄に触れるためには、言語を学ぶことと現地に行くことが必要です。日本で東アジアを学ぶ利点は、実際に現地に行くのが簡単だということです。極めて安全な国ですし、日本のことが大好きな学生さんも沢山います。文学部には中国や韓国に行くプログラムが多数ありますので、是非参加して下さい。お友達ができますよ!

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東アジア研究学域

紆余曲折の過程を辿った同時代中国の文学思潮を探る
キーワード :
文化批評、文化大革命、現代性

宇野木 洋教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
中国現代文学、同時代中国の文化思潮研究
同時代中国の文学思潮の研究が専門です。中国は今、ものすごい勢いで発展していますが、1970年代後半までは「文化大革命」(略して文革)と呼ばれる混乱状況にありました。文革期までは、単純化すれば文化的「鎖国」状態に近く、一般の人々は日本や欧米の文学を読むこともできないほどだったのです。その中国が、文革後、一挙に「開国」を果たして急激な変貌を遂げていく、その過程(もちろん一本道ではなく紆余曲折がありました)で生じた様々な文学現象が研究対象です。この間は、欧米文学理論・現代思想の受容動向をテーマにしていたのですが、今後はもう少し遡って、文革に到る時期の文学状況も探ってみたいと考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自己とは異なる「他者」を発見し、意識的に関わる中で「対話」を深めること――これこそが大学における学びの本質でしょう。鍵は「拒否」ではなく「対話」です。私の場合、「他者」は違和感ばかりの中国でした。でも「対話」を通じて等身大の中国を知ったり、中国が鏡となって日本の現実を考えさせられたりもしています。大学の学びは面白い!

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東アジア研究学域

移動・病い・貧困から帝国日本をとらえかえす
キーワード :
帝国医学・医療、在朝日本人社会、ジェンダー

金津 日出美教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
日本近代史、東アジア文化交流史
日本の近代は、台湾・朝鮮等の植民地を抱え込んだ帝国として存在しました。それは〈政治的空間〉であっただけでなく、そこで生きた人びとの〈生活の空間〉でもありました。さまざまな笑い、泣き、喜び、哀しみを抱えながら生を営み、そして死を迎えた空間でした。私の研究は、そこで繰り広げられた人びとの生と死、とくに貧困・抑圧・病いに喘ぎ、斃れた人びとにどのような医療や救済が行われたのかを歴史的に明らかにしていくことです。それは過去のことではなく、現代社会が抱える困難にも通底しています。それらに対処し、未来を構想していく糸口をともに考えてみませんか?

MESSAGE

受験生へのメッセージ

渡韓の話が出てからわずか1ヵ月足らずで韓国へ。そして気がついたら十数年が・・・。いつ、どこに、どんなチャンスが転がっているかは誰にもわかりません。「前髪しかないチャンスの神様」を見逃さないよう、さまざまな場に積極的に参加し、また自分でもつくりだしていってください。東アジアはそんな出会いの宝庫です!

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東アジア研究学域

現代韓国の文化を「宗教」の側面から分析
キーワード :
植民地朝鮮の新宗教、現代韓国宗教事情

佐々 充昭教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
宗教学、朝鮮近現代史
韓国・朝鮮の宗教について研究しています。朝鮮時代末期から日本の植民地時代にかけて、東学(天道教)・甑山教・檀君教(大倧教)・円仏教など数多くの新宗教が登場しました。これら朝鮮自生の新宗教とナショナリズムの関係について分析するのが研究テーマです。最近は関心の幅を広げて、韓国における最新の宗教事情についても研究しています。制度化されない個人主義的な「スピリチュアリティ」の観点から、現代韓国におけるキリスト教の超教派的な聖霊運動(ペンテコステ・カリスマ運動)や、大衆消費文化として現れている新種のセラピー団体(丹田呼吸による身心修練団体など)について研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という一神教の対立が国際社会で大きな問題となっているように、宗教は今や異文化理解において欠かせない重要な要素です。日本では今、韓国ドラマやK―POPのコンテンツが巷に溢れていますが、韓国の人々が普段どんな宗教を信じているか知ることも、隣国を内在的に理解する重要な手段となります。

COLUMN

日常に深く根をおろす信仰心。 宗教が分かると、アジアが見える。

現代東アジア言語・文化専攻

佐々 充昭

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東アジア研究学域

自分らしく、安心して、言語を学べる基盤づくり
キーワード :
学習者言語、言語能力の評価、ジェンダー

三木 貴司准教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
韓国語教育、日本語教育
最初は挨拶一つままならない学習者が、学んだ言語でお礼を言ったり、相手の気持ちを察して声をかけたりと、人とつながるのを見るのは本当に嬉しい瞬間です。でも、その過程では、「どうしたら、この発音できるんだろう?」「どうして、意図が通じないんだろう?」「どうしたら、中級の壁を越えられるんだろう?」「どうして、この語を使いたがらないんだろう?」など、学習者としても教員としても多くの疑問がわいてきます。その答えを見つけるため、学習者言語の特徴を分析したり、「中級」と「上級」との見分け方を探求したり、特定の属性を持つ人(時にマイノリティ)が不安を感じないような学習のありかたを模索したりしています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

他者の言語や文化を知れば知るほど、実は自分のことについてあまり知らなかったことに気づき、自分のアイデンティティと対話する機会が増えます。一見似た面の多い「東アジア」には、そんなわくわくする機会がごろごろ転がっていると思います。ぜひ、貴重な学生時代に「東アジア」に触れて、自分らしい生き方を探るきっかけにしてみてください。

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東アジア研究学域

中国演劇から見る伝統と近代、台湾文学とLGBT
キーワード :
伝統劇(戯曲)の近代化、同志(LGBT)文学

三須 祐介教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
近現代中国演劇、台湾文学
20世紀の中国において庶民に寄り添った文化のひとつに伝統劇があります。「伝統」というと古めかしいイメージですが、実は当時最新のメディアである映画や近代劇の影響も受けたポップカルチャーとしての側面も強いのです。このような伝統劇から近代とは何かについて考えています。また性的少数者を描いた戦後台湾文学も研究しています。日本の植民地であった台湾ですが、戦後も厳しい政治的抑圧のなかに置かれていました。社会の周縁におかれた性的少数者が文学のなかでどのように表現されてきたのかを考えています。大きな歴史からこぼれ落ちる庶民の文化や周縁の人々に注目することで広がる世界の景色は、想像以上に美しく豊かなのです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

近いようで遠い中国や台湾のことを学ぶことは、その歴史に放り込まれた日本を知ることにもなります。百聞は一見に如かず!大学での学びはキャンパス内にとどまりません。ぜひ現地へも足を運び、自分の目や耳で確かめてみてください。新たな発見が待っているはずです。

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