教員紹介

  • グローバルヒストリー

日本史研究学域

トランスナショナルな徳川思想史の構築をめざす
キーワード :
徳川思想、民衆思想史、民衆宗教史

桂島 宣弘教授

所属専攻:
日本史学専攻
専門分野:
日本思想史、徳川時代史
「鎖国」という言葉は、志筑忠雄が1801年にケンペル『日本史』を抄訳した際に用いたもので、「鎖国完成」といわれる寛永期には、その言葉すらありませんでした。しかもこの寛永期は、中国では明清王朝交替が進行しつつある激動期で、江戸幕府は「鎖国」どころか中国大陸の動向に気を配っていました。ところが、長い間、わたくしたちはこの時代を専らオランダなどヨーロッパとの関係において「閉ざされた鎖国の時代」と捉えてきました。何故でしょうか。近代以降の欧米中心主義で江戸時代を捉えることで、アジアの中に存在していた江戸時代が捉えにくくなっていたのです。わたくしの研究は、そうしたことがらを思想史的に再検討するものです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

私たちの多くは、「日本人」として、「日本語」で生活しています。しかし、江戸時代まで、「日本人」「日本語」という意識は存在していませんでした。私の研究は、その形成過程を、東アジアを舞台に明らかにするものです。東アジアの人びとがどのように「日本」を見てきたのかを知ることで、「グローバルな歴史像」を共につくっていきませんか?

もっと見る閉じる

国際文化学域

軍事から捉え直す近代

小澤 一郎准教授

所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専攻
専門分野:
近代西アジア軍事史
一般に「近代」と呼ばれる19世紀から20世紀初頭までの時期に、アジア・アフリカ諸地域で試みられた国家や社会を作り替えるための改革は、往々にして欧米諸国をモデルとする「西洋化」といったような言葉で言い表されます。私の専攻しているイランでもこの時期に軍事面での改革が行われましたが、それは「西洋化」の尺度で見ると「失敗」と評価されかねないようなものでした。ただ、改革の内実を現地の国家や社会のありようと絡めて検討すると、一概にそうとも言い切れない固有の歴史的意味を持っていたことがわかります。このように、単一の尺度では捉えきれない各地域の固有な近代のあり方を想定することで、その延長線上にある現代世界の理解をも刷新することを目指しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

外国史研究は、私たちの住む現代日本とは時代も地域も異なる対象を扱います。様々な物事や価値観に触れることで自分たちの「あたりまえ」を疑ったり、新たなものの見方を身につけたりするという、大学での学びの醍醐味を味わうのに最適な分野です。皆さんと一緒に、そんな知的挑戦に取り組んでいければと思っています。

もっと見る閉じる

国際文化学域

近代ユーラシア商業のネットワークと太平洋世界

森永 貴子教授

所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専攻
専門分野:
近代ロシア社会経済史
近代ロシア商人史が専門ですが、これを出発点にユーラシア大陸の商業ネットワークや民族などを研究しています。ユーラシアではロシア人の他にユダヤ人、ギリシア人、タタール人、アルメニア人、モンゴル人などの多様な民族が独自のネットワークを形成しました。彼らは中世に北方の毛皮を、近代に中国の茶を求めて国境を越えていきました。その活動は探検も含めて太平洋、地中海にも広がっています。研究の中で面白いのは、彼らのローカルな文化や慣習の違いがあるのに、「モノ」への欲望は共通している点です。現代のグローバル社会を生きる私たちにとって、「ヒト」の交流・混淆がもたらすものを考えるのは大きな意味があると思います。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

歴史は単なる年表や人名の羅列ではありません。歴史の本当の面白さは、「異文化としての過去」に生きた人々が、どんな世界観や価値観を持ち、それが現代までどうつながっているのか知る事です。受験生の皆さんには「歴史が好き」という気持ちや興味関心を大事に、学ぶ楽しさを知ってほしいです。

もっと見る閉じる

国際文化学域

グローバルな視点から要塞築城を捉える
キーワード :
テクノロジー、文化史、身体性

唐澤 靖彦教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
軍事史
軍事史のなかでも、要塞築城が専門。特に、明治期に築造された、国土防禦のための洋式砲台・堡塁と附属建設物の研究です。様式美と機能美が一致したこの軍事建築群は、赤レンガや石等を主材料として不思議な美に溢れています。同じ時代、要塞は世界中で造られていました。アメリカ、台湾、ヨーロッパ、オーストラリア等での現地調査による比較を通じて、グローバルに存在する要塞築城がどのようなローカル性を発揮したのか、そしてローカルな要塞築城技術を生んだグローバル的動態は何かを考えながら、紀淡海峡の島々、舞鶴、広島湾の島々、佐世保、台湾の基隆と澎湖諸島、三浦半島、下関と北九州、そして対馬の山の中で泥だらけになってます。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

南北戦争(1861-65年)ではアメリカ史上で未曾有の戦死傷者が出ました。テクノロジーが進展しているのに、将軍たちが50年前の戦い方をしたからです。イメージや発想の固着が引き起こす困難は、時代の変化が著しい現在とこれから、ますます増えます。固着に陥らないためにどんな視点が必要か。軍事史の研究はそれを考えさせてくれます。

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

太平洋からアメリカと日本を見てやろう
キーワード :
アメリカ、グローバルヒストリー

小川 真和子教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
アメリカ研究、アメリカ史
私はこれまで、太平洋を越えて国際的な平和運動や社会改良運動などに携わった日本人やアメリカ人の活動について研究してきました。 近年ではハワイへ渡った日本人水産業者や、それを取り巻くハワイ、日本、アメリカとの関連についてローカル、そしてグローバルな視点から探求しています。日本は周囲の海によっ て諸外国と隔てられた島国なのではなく、海によって世界とつながり交流してきた太平洋世界の一員と捉えています。またアメリカも太平洋の政治や経済、文化に強い影響を与えてきました。日本とアメリカの間に位置するハワイを定点観測地点として、日米関係を「海」から捉え直すというのが私の現在の研究テーマです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自分の生き方について悩んでいる受験生へ。人とは何か、人生いかに生きるべきか、一緒に悩み、考えていきましょう。ここにはきっとあなたの居場所があります。

COLUMN

海を渡った日系移民の足跡をたどり、 日本とアメリカの未来について考える。

英語圏文化専攻

小川 真和子

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

海での略奪が合法的だった時代のイギリスの歴史から、戦争、国家、経済の関係を考える
キーワード :
イギリス、海軍、通商、植民地

薩摩 真介准教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
歴史学(近世イギリス史、植民地時代アメリカ史、大西洋史)
 海上で他国の船を襲って積み荷を奪う、こう聞くとそれは海賊なのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし16~19世紀のイギリスを含む多くのヨーロッパの国々では、海軍や民間の船が政府の認可を得て戦争中に敵国の船を合法的に略奪することが許されていました。また16世紀のエリザベス女王期の略奪の成功体験を基に、海軍を活用すれば直接的間接的に富が得られるという議論も、当時の英国議会やメディアで盛んに見られました。私の研究では、近世にみられたこのような広義の海軍力行使と利益獲得(の期待)の結びつきがイギリスの政治・外交政策にどのような影響を与えたのか、またそのような略奪を統制する国際ルールは、諸国家や経済的利害集団の間のいかなる関係の中から生まれたのか、ということを探っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

人間の知性は受験勉強の知識や受験テクニックだけで測れるものではありません。受験勉強もある程度は大事ですが、それと同時に、頭が柔らかい今のうちに受験には関係のない本もたくさん読み、ものを考え、幅広い視野と柔軟な発想力を身につけてください。それはキャリアや収入には直接つながらないかもしれませんが、みなさんが充実した人生を送るうえで一生の財産になります。

もっと見る閉じる

国際コミュニケーション学域

Globalized English
キーワード :
Global Englishes、Formulaic Language

DAVIES MICHAEL JAMES教授

所属専攻:
国際英語専攻
専門分野:
Global Englishes、Vocabulary Acquisition
The globalization of the world and the need for global citizens requires changes in how we teach in schools and universities. I'm interested in researching possible changes; for example, the approach known as CLIL can help in using language as a tool to develop deeper learning of content.

MESSAGE

受験生へのメッセージ

The learning of English in a globalized world means developing an appreciation of how its varieties reflect the cultures and languages of where it is spoken.

もっと見る閉じる