桑原 和宏 先生(情報理工学部)
2023.11.01
『道は開ける』
D・カーネギー著(創元社、1999)
原題は How to stop worrying and start living で、文字通り悩みを解決する方法を明示してくれる本です。同じ著者による「人を動かす(原題:How to win friends and influence people)」と並ぶ自己啓発本(ハウツー本)の古典的な一冊です。もともとは半世紀以上も前に出版された本ですが、現在でも通じる智慧が含まれています。
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『やり抜く力 : 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』
アンジェラ・ダックワース著(ダイヤモンド社、2016)
大きな成果を出すには才能よりも「やり抜く力(Grit)」が重要であることを心理学の理論やインタビュー調査などに基づき述べています。「やり抜く力」が「情熱(passion)」と「粘り強さ(Perseverance)」の要素からなることを説明し、「やり抜く力」を伸ばす方法についても紹介しています。本書の中でも触れられている著者のTEDの講演も参考になります。
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『「みんなの意見」は案外正しい』
ジェームズ・スロウィッキー著(角川書店、2006)
個々の専門家の意見よりも多様な人々からなる集団の判断が多くの場面で優れていることを興味深い事例を通して述べています。家畜の重さの推測や消息不明になった潜水艦の位置推定から初めて、Web検索エンジン、交通渋滞、会社組織、市場、民主主義など多岐にわたる事例を通して集団の智慧がどのように活用されるか、また、有効に活用するための条件を議論しています。効果的な集団意思決定を実現する秘訣も学べるでしょう。
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『21 lessons : 21世紀の人類のための21の思考』
ユヴァル・ノア・ハラリ著(河出書房新社、2021)
人類の過去を俯瞰した「サピエンス全史」、人類の未来を予測した「ホモ・デウス」に続く歴史家ハラリによる3作目です。本書では現在に焦点をあて、現在の人類が直面する課題について説いています。ITやAIについても論じられ、技術の進歩と社会の変革を考えるヒントを提供してくれます。
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『Webの創成 : World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか』
ティム・バーナーズ=リー著(毎日コミュニケーションズ、2001)
Webの「発明者」として知られるティム・バーナーズ=リーが、Webの誕生の背景や著者のビジョンを独自の視点で語っています。Webがどのような経緯を経て誕生したか、また、その当時の社会や文化を知ることは、今後の情報社会のあり方を考える上で一助になると思います。
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『大聖堂』
ケン・フォレット著(新潮社、1991)
12世紀の英国のキングズブリッジという架空の町を舞台に大聖堂の建設をめぐる波乱万丈の物語です。歴史にあまり興味がなくても思わず過去の世界やその時代の建築にも引き込まれます。また、同じ場所を舞台とした続編(「大聖堂-果てしなき世界)「火の柱」など)や前日譚も書かれています。
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『ケインとアベル』
ジェフリー・アーチャー著(新潮社、1981)
20世紀初頭を背景に、ボーランドの片田舎で生まれ無一文で米国に渡りホテル王として成功したアベルとボストンの名門ケイン家に生まれ、大銀行の頭取となるウィリアムの運命的な対立を描いた壮大な物語です。最後のどんでん返しには著者のストーリーテリングの冴えが見られます。この続編に相当するアベルの一人娘を主人公に、別の視点から描いた「ロスノフスキ家の娘(原題: The Prodigal Daughter)」もあります。
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『デッド・ゾーン』
スティーヴン・キング著(新潮社、1987)
著者の初期の代表作の一つです。交通事故で長い間昏睡に陥った高校教師の主人公が目を覚ますと未来を予知する能力を持っていました。主人公がある政治家の未来を予知した時、物語が大きく展開します。著者の筆にかかると超常現象が現実味を帯びて感じられます。また、自伝的な文章作法の本(「書くことについて~ON WRITING~」)も著者の舞台裏を伺うことができて興味深いです。
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『停電の夜に』
ジュンパ・ラヒリ著(新潮社、2003)
インド系米国人作家による短編集です。インドとアメリカという2つの異なる文化の間で揺れ動く人間、また、移民の第一世代、第二世代など世代間の関係などが洗練された文章で描写されます。壮大な出来事が起こるわけではありませんが、異文化における生活の一場面や微細の感情の動きが著者の精緻な描写で切り取られ、読者に共感を呼び起こします。
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『冤罪法廷』
ジョン・グリシャム著(新潮社、2022)
著者のグリシャムは弁護士の経験を活かして法律や裁判を題材にした多くのサスペンス小説を発表しています。この本では冤罪に苦しむ人を救う法律事務所で働く牧師でもある弁護士の主人公が22年前の弁護士殺害の罪で収容されている死刑囚の冤罪を晴らすべく奮闘するストーリーを中心にスリリングな話が展開します。単なるサスペンスにとどまらず、社会的な問題に真っ向から取り組む社会派小説でもあります。
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