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福本 善洋 先生(理工学部)

2024.05.1


『エキゾチックな球面』
野口廣著(筑摩書房、2010)

物語は1966年の10月に日本の加藤十吉氏からアメリカのイリノイ大学で教鞭をとっていた著者の野口廣氏へ宛てた手紙から始まります。そこにはフランスから来日していた数学者ルネ・トムの衝撃的な発言が記されていました。
この本は、やわらかい幾何学として知られる「トポロジー」がめざましい発展を遂げた60〜70年代当時の最先端の世界まで一気に読者を招待してくれます。対話形式で、幾何学的直観に溢れる絵とともに当時の息遣いが語られ、そして3,4次元で爆発的展開をみせる前夜の様子が伝わってきます。
何より私の九州大学時代の恩師である加藤十吉先生が溌剌として対話に登場するところが私は好きです。

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『量子と混沌』
P.C.W.デイヴィス,J.R.ブラウン編 ; 出口修至訳(地人書館、1987)

「漁師と渾沌」ではないです。携帯の中身でも起きている「量子」という原子や分子のような小さな物質の間に起こっている現象は、私たちの常識をはるかに超えていて、今日でもその解釈を巡る論争は終わっていないといいます。
この本は、英国のBBCラジオ番組で放送された「The ghost in the atom」に登場する8人の物理学者 A.アスペ、J.ベル、J.ホイーラー、R.パイエルス、D.ドイッチ、J.テイラー、D.ボーム、B.ハイリー のインタビュー記録です。
近年、量子コンピュータをはじめとした量子技術が応用されるようになり、量子論もいよいよ常識(?)となってきましたが、みなさんはどの解釈や理論を支持しますか?

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