NEWS of AJI(アジア・日本研究所)
2022年10月20日発行

立命館大学アジア・日本研究所のニューズレター、第3号をお届けいたします。

目次
1.e-bookローンチの国際シンポが開催されました
2.ノースウェスタン大学との今後の連携を協議しました
3.「ノースウェスタン大学との協力協定に基づく成果発信プログラム」が採択されました
4.AJI Booksの新刊が刊行されました
5.『立命館アジア・日本研究学術年報』第3号、刊行されました
6.ホームページで「事務局から」の連載を開始しました
7.AJI ブッククラブの報告を掲載しました
8.若手メンバーのプロフィールを更新しました
9.AsiaWeekに参加します
10.これからのシンポジウム等、イベントの予定

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1. e-bookローンチの国際シンポが開催されました

本大学では、ノースウェスタン大学に本部のある国際的なネットワーク型シンクタンク Meridian180と連携して、毎年、多言語によるフォーラムを開催してきました。アジア・ 日本研究所は、このネットワークの日本事務局を務めています。研究部では、毎年 「ノースウェスタン大学との協力協定に基づく成果発信プログラム」を公募して、学内の 研究チームがMeridian180に参加し国際発信するのを支援しています。

このたび、その成果の1つとして、ノースウェスタン大学からe-book、City, Public Value, and Capitalism: New Urban Visions and Public Strategiesが刊行されました。その発刊を 記念する国際シンポジウムが7月23日(土)に開催されました。ノースウェスタン大学 から来学されたアナリサ・ライルズ教授(同大国際戦略担当副学長・バフェット研究所長)と ともに、3人の編者のうち、本大学政策科学部の森裕之教授、吉田友彦教授がOICの現場から、 フィンランドのタンペレ大学のアンティロイコ教授がオンラインで参加し、さらに制作に 協力いただいた専門家を交えて、ハイブリッド形式でグローバルに配信いたしました。

非常に有意義な報告、コメントがあり、とてもホットな議論が交わされ、都市をめぐる研究の さらなる発展におおいに期待が寄せられました。

https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=317

E-bookは、無料でダウンロードできます。是非、ご覧下さい。
https://city-public-value-and-capitalism.northwestern.pub/


2. ノースウェスタン大学との今後の連携を協議しました

前項の国際シンポジウムの好機を得て、来学中のノースウェスタン大学のライルズ副学長、 宮崎広和教授、バフェット研究所のスタッフと、アジア・日本研究所の小杉泰所長やMeridian180 事務局担当者が、Meridian180を今後さらに発展させ、グローバルな貢献を強めていくために、 どのような活動を展開すべきか、協議する会合を持ちました。

これまでコロナ禍のために、学術面でも国際的な交流が困難な状況で推移してきたため、 ポストコロナ期へ向けて、それをどう克服するかが大きな焦点となりました。コロナ禍 そのものは次第に終息に向かっているようですが、コロナ禍で国際的なコミュケーションの デジタル化がいっそう進み、テキスト・ベースの発信だけでは社会的なニーズに応えきれない という観点からの議論もおこなわれました。今後にむけて、発信のいっそうのデジタル化や、 Meridian180の持ち味である多言語フォーラムの多言語性の強化などについて、非常に活発な 討議をおこないました。また、9月以降、両大学の間での協議を定期的なものとすることも、 合意されました。

今後の展開については、随時、ご報告いたします。


3.「ノースウェスタン大学との協力協定に基づく成果発信プログラム」が採択されました

本大学では、ノースウェスタン大学とMOUを結び、Meridian180を中心に連携を続けて きました。この多言語フォーラムが名乗っている「Meridian180」(経度180度)という 名称は、イギリスにある0度から東に東経、西に西経が展開して、両者が180度で太平洋の 真ん中で出会う場所を意味しています。この名前が象徴しているのは、西欧基準ではない、 真にグローバルな視点であり、アジア太平洋の重視という観点です。

研究部では、ノースウェスタン大学との連携と国際発信を強化するために、毎年、「ノース ウェスタン大学との協力協定に基づく成果発信プログラム」を公募しています。今年も 7月に公募が締め切られ、厳密な審査がおこなわれて、採択プロジェクトが決定されました。

9月15日に、採択された研究チームがキックオフのミーティングを開催しました(オンライン)。 全体を統括している森裕之教授(政策科学部)の司会で、全体の活動計画、ノースウェスタン 大学との連携方針、下記の各チームの活動案の検討がおこなわれ、今年度の活動がスタート しました。

「食・農の社会開発と科学技術」
阿良田麻里子教授、吉積巳貴教授(食マネジメント学部)

「アジアにおける現地主導の災害管理と人道支援:災害対応能力としてのローカルナレッジ」
廣野美和准教授(グローバル教養学部)

「ポストコロナ時代の研究DXとマルチリンガリズム」
竹田敏之准教授(立命館アジア・日本研究機構)

今年度の多言語フォーラム(4~5言語を用いたワークショップ形式)は、2023年1月を予定しております。


4.AJI Booksの新刊が刊行されました

アジア・日本研究所では、AJI Booksというブックレット(主として英語)のシリーズを刊行しています。

7月と9月に、次の2冊が刊行されました。編者のフィトリオ・アシャディオノ助教、 松井信之客員助教は、どちらも学部は立命館アジア太平洋大学(APU)、博士学位は 本大学で取得した気鋭の若手研究者です。

『Climate Change, Agricultural Resilience, and Rural Society Adaptation in the Era of Rapid Change: Indonesian Perspectives』
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=541061

『Globally Shared Common Sense from the Philosophy of Imagination: Bridging Eastern and Western Perspectives』
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=548935

無料でダウンロードできますので、是非、ご覧下さい。

5.『立命館アジア・日本研究学術年報』第3号、刊行されました

10月14日に、『立命館アジア・日本研究学術年報』が刊行されました!

本来は7月に刊行される予定でおりましたが、コロナ禍の影響がまだあっただけではなく、 今回は前年までの倍以上の論文投稿をいただき、査読に時間がかかりました。刊行が遅れ ましたこと、深くお詫び申し上げます。その分、論文6本、研究ノート1本、研究報告2本、 書評27本と、非常に充実した内容となりましたので、是非、ご覧下さい。

https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/publication/annual_review/

アジア・日本研究所の学術誌は、英文2誌とこの和文誌のすべてで、ダブルブラインドの 厳密な査読を実施しております。きっちりとした査読をおこない、J-STAGEにも掲載されて おりますので、学内外の皆さまからそれを評価いただいて、投稿が増えているのは、大変 ありがたいことです。
今号の教訓として、来年度からは査読を迅速化する方策を取りたいと思います。ご支援・ ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

今回の刊行の遅れにともない、次号の締切を
2023年1月10日(火)23:59
とさせていただきます。刊行は、2023年7月を予定しております。

アジア、日本、アジア・日本関係などでご発表なさりたい方は、ふるってご応募ください。

なお、本誌の書評欄は、主として本大学(およびAPU)の先生方の著編書(和文)を中心に 収録しております。次号は、2021年、2022年に刊行された書籍を、書評対象といたします。 ご自分または周りの先生で、書評を希望なさる新刊書がおありでしたら、編集事務局まで メールでご一報ください。
(aji-eb@st.ritsumei.ac.jp)


6.ホームページで「事務局から」の連載を開始しました

本研究所では、今年度をホームページを充実させる年と定め、多様に展開している活動を もれなくホームページ上でご報告すべく、注力しています。その一環として、「事務局から」 というコーナーを設けました。

https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news_letter/staff_office/

時には現場の内輪話も交えて、研究所の活動をヴィヴィッドにお伝えしてまいります。

どうぞ、ご愛読ください。


7.AJI ブッククラブの報告を掲載しました

今年度から、研究所活動の新企画として、「AJI ブッククラブ」を開始しました。

「ブックローンチ」は、研究所メンバーや研究所と関わりの深い皆さまの新刊を、著者本人が 登場して紹介するシリーズです。前号でのお知らせの後、次のようなブックローンチが開催 されました。

《ブックローンチ》
第9回 中戸祐夫(立命館大学国際関係学部教授)・崔正勲(立命館アジア・日本研究機構助教)編著 『北朝鮮研究の新地平:理論的地域研究の模索』 https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=338

また、ブッククラブ内の新シリーズとして、「著者は語る」をスタートしました。 これは、以前に刊行され、学術的に評価されてきた書籍について、著者ご自身に語っていただく シリーズです。第1回は、末近浩太教授(国際関係学部)にお話いただきました。

《著書は語る》 第1回 末近浩太(国際関係学部 教授)『現代シリアの国家変容とイスラーム』 http://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=314


8.若手メンバーのプロフィールを更新しました

毎年、若手メンバーが増えています。現在の所員だけではなく、所員経験者にも、研究所活動に 引き続き関わっていただくようにしています。

アジア・日本研究所の柱の1つは「若手育成」ですが、育成のためのサポートは、研究所の職位 を「卒業」した後も客員の形で継続し、また研究所へのコミットも続けていただくようにするのが、 育成の趣旨に合っているかと思います。

今夏に、プロフィールを更新しましたので、ご覧下さい。

AJI若手プロフィール
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/young_researcher/profiles/


9.AsiaWeekに参加します

大阪茨木キャンパス(OIC)は「アジアへのゲートウエイ」として知られています。毎年、10月 には「AsiaWeek」というフェスティバルが開催され、市民・学生の皆さんと交流してきました。 コロナ禍のため、それが2年間お休みとなりましたが、今年は10月23日に実施されます。

アジア・日本研究所は、今回初めてですが、AsiaWeek2022の展示会場に参加します。ご参加の折には、 是非、お立ち寄り下さい。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news_letter/staff_office/?essay_id=31


10.これからのシンポジウム等、イベントの予定

(1)ブックローンチ
10月26日(水)
第10回 永野聡(立命館大学産業社会学部准教授)劉慶紅(経営学部教授)三上己紀
(立命館大学客員研究員)編『ロングライフウェルネス:ジェロントロジーの理論と実践』
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=550421

(2)AJI研究最前線セミナー 11月8日(火):報告者=Dr.望月葵(立命館アジア・日本研究機構 専門研究員)
「難民に関する名付けと定義のポリティクス:日本でのシリア・アフガニスタン・ウクライナ 難民をめぐって」
"Politics of Naming and Definitions: Reflection on cases of Syrian and Ukrainian Refugees in Japan"

◆ 発行元:立命館大学アジア・日本研究所
e-mail : aji-res@st.ritsumei.ac.jp