立命館あの日あの時
「立命館あの日あの時」では、史資料の調査により新たに判明したことや、史資料センターの活動などをご紹介します。
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2026.03.13
<学園史資料から>1970年前後の学生下宿事情
史資料センターでは、学園の歴史にまつわる様々な事歴を保存・利活用しています。また、様々な学園の事歴の調査研究もしています。今回は1970年前後の学生下宿事情について、調べてみました。
1972年1月20日付「立命館学園広報」(11頁)に、「学生下宿の深刻化と自治体に対する要望・請願」という学生部学生課の記事が掲載されています。「大学に対する学生下宿の提供申込数は減少の一途をたどっている。これに加えて部屋代の高騰、礼金や敷金の要求など、学生の下宿条件は日ごとにきびしくなっている。」「この原因は、なによりも地価の高騰および住宅難にあり、加えて物価上昇に伴う諸経費の増加が影響を与えていると思われる。また、地理的条件と部屋の状態をみると、京都の旧市内の下宿提供住宅は全般的に老朽化がいちじるしく、部屋の構造も襖一重といった状況で、少しでも良い部屋を希望する場合は左京区岩倉方面、東山区山科方面、宇治、乙訓郡、長岡などといった周辺の新興住宅地まで足を向けないと確保できない実情である。」と述べられています。この記事で示された数値の詳細は、「(表1)新入生の下宿決定状況」、「(表2)新入生への下宿提供数と取消率」をご参照下さい。(表1)の「来学者数」は、学生部窓口に下宿希望を申し込んだ新入生数。大学として協定料金内での下宿の確保に一層努力しつつ、地方公共団体に対して学生下宿確保の具体的諸施策を講ずるよう請願・要望を行っています。
その後、1973年2月20日付「立命館学園広報」(9頁)で「教職員各位へ 新入生のための下宿の確保について協力方のお願い!」が掲載され、大学教職員にも下宿確保についての協力を求めています。「(表3)1973年度の下宿協定料金」にこの時の協定料金を示しています。なお、教職員への協力依頼は1974年1月、1976年1月、1977年1月、1979年1月、1981年2月の「学園広報」にも掲載されているので、余程切実なものだったようです。
ちなみに「全国大学生活協同組合連合会」による「第60回学生生活実態調査概要報告」(2025年2月28日)によれば、下宿生の「住居費」が2024年度で平均56,090円になっています。「バス・トイレ付」が標準仕様だと思われますが、随分と状況がかわってきていますね。
イメージ写真として、1983年~84年の下宿の様子を示しています。
立命館 史資料センター 調査研究員 佐々木浩二
2026.02.27
<学園史資料から>立命館学園の建築・景観・デザイン等関連賞の受賞について
立命館 史資料センターは、学園の歴史にまつわる様々な事歴を保存・利活用しています。また、様々な学園の事歴の調査研究もしています。
さて、立命館大学広報課発行の「UNITAS」(1991年10月第234号)に「西園寺記念館、京都市都市景観賞受賞‼」という記事が掲載されていたのを見つけ、現在史資料センターの執務場所となっている西園寺記念館を誇りに思いつつ、他にも受賞歴がないか調べたところ、『R2020キャンパス整備報告書』(2022年10月学校法人立命館)の「受賞歴」一覧表を見つけました。今回はそれらを含め、学校法人立命館の建物・景観・デザイン等に係る受賞について調べてみました。思っていたよりも多かった印象です。整理するために、一覧表にまとめてみました。デザインや施設配置、環境配慮等に関して多く受賞しています。
【写真】衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館
【写真】びわこ・くさつきゃンパス TRICEA
【写真】大阪いばらきキャンパス
【写真】立命館アジア太平洋大学 Green Commons
【写真】立命館アジア太平洋大学 Green Commons 屋内
【写真】立命館中学校高等学校
【写真】立命館慶祥中学校高等学校
【受賞リスト】
※以下の表をクリックすると、別ウィンドウで大きく見れます。
【参考】学校法人立命館『R2020キャンパス整備報告書』P44、2022年
立命館 史資料センター調査研究員 佐々木浩二
2026.01.27
<学園史資料から>学園祭パンフレット広告にみる「時代の流れ」
はじめに
立命館 史資料センター所蔵の学園祭パンフレットから、「時代の流れ」を感じる広告をピックアップしてみました。皆さんにとって懐かしいものはあるでしょうか?
まずは、日進月歩が盛んだったワープロやパソコンの広告を取り上げます。なお、これらの広告は、立命館大学学園祭パンフレットの裏表紙や冊子中に掲載されたものです。
1.ワープロ・パソコン広告の推移
【1988年】〇NEC 「パーソナルワープロ文豪mini5HL」
【1989年】〇NEC 「PC-9801 LX5C」「カラーラップトップ98、日本初、新発売。」
【1990年】〇NEC 「98NOTE SX」
【1991年】〇NEC 「98NOTE NV、98NOTE SX/E
【1992年】
〇NEC 「PC-9801 NS/L、PC-9801 NL
【1993年】〇NEC 「文豪ミニ5UV」
【1994年】〇NEC 「新98NOTE PC-9821 NE2」
〇FUJITSU 「FM TOWNSⅡ」
【1995年】〇NEC 「98NOTE Light/LT2」
【1996年】〇NEC 「98NOTE Aile」
【1997年】〇NEC 「Mobile Gear」
【2005年】〇Panasonic 「レッツノートW4」
【2007年】〇Panasonic 「レッツノートW5」
2.「学園祭」パンフレットにみる「気になる広告」について
次に、広告の中で気になったものについて取り上げます。
【1963年学園祭パンフレット】〇寶酒造株式会社 「タカラビール」
このビールは知りませんでした。「タカラビール」は1957年に発売されましたが、大手ビール会社との競争の中で1967年に撤退しています。
【1965年学園祭パンフレット】〇トヨタパブリカ京都株式会社 パブリカデラックス
トヨタパブリカは、1961年から1988年まで生産・販売された小型乗用車でした。700cc、32馬力、4人乗りということです。現在の軽自動車は排気量660ccがほとんどなので、同じ程度のパワーだったのでしょうか。
【1974年学園祭パンフレット】〇三谷伸銅株式会社
「ぜひご入社・ご入部を―剣道部、空手道部、野球部、重量挙げ部、華道部、茶道部、書道部、謡曲部、英会話部一同」
単なる「広告」ではなく、就活に向けて企業側からアプローチしていて面白いと思いました。いろいろな部活動が行われていたんですね。
〇京都トヨペット
「卒業生一同(32名の校友の卒業年と氏名を掲載)」
こちらも就活向けでしょうか。立命館校友が大勢いることをアピールしています。現在では「個人情報」の流出問題が気になりますが…。
〇特殊電機株式会社
「当社には北野専務をはじめ立命館大学卒業者が10数名在籍しています」
こちらも就活向けでしょうか。立命館校友が専務を筆頭に働いている企業として、目が向きますね。
【1976年学園祭パンフレット】〇MKタクシー
「働きながら学ぶ最適の環境を準備しました」
立命館大学に二部(夜間部)があった頃の広告なので、転職向けまたは二部を志す学生に向けた広告だったのでしょうか。
【1978年学園祭パンフレット】〇王将チェーン
「この券1枚で餃子一人前無料になります」
なんとこの広告を「クーポン券」として活用しているところに感心しました。
【1981年学園祭パンフレット】〇INODA MOTOR’S
「立命OBがお待ちしております」
こちらも就活向けでしょうか。立命館校友がいることをアピールしています。
以上、学園祭パンフレットの広告をピックアップしてみました。いかがだったでしょうか。皆さんの記憶にあるものが見つかりましたか?
立命館 史資料センター調査研究員 佐々木浩二
