立命館あの日あの時

「立命館あの日あの時」では、史資料の調査により新たに判明したことや、史資料センターの活動などをご紹介します。

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2013.08.02

「今日は何の日」8月 昔の夏休みは何日までだった?

 2012(平成24)年度の夏期休暇は、8月3日から9月25日(54日)まででした。
 この夏期休暇期間も昔から変遷があります。
 戦前の旧制の立命館大学の頃は7月11日から9月10日(62日)でした。
 1937(昭和12)年6月発行の『立命館学誌』には「暑中休暇に於ける読物に就いて」という記事があり、当時の教授による夏休みの読書の薦めが掲載されています。
 末川博先生は『寒山詩』『国際問題研究』など、吉川大二郎先生は河合榮治郎著『学生生活』、瀧川幸辰先生は『福翁自伝』『寺田寅彦全集』などを薦めています。もっとも末川先生は「何を読むべきかということよりも如何に読むべきかということのほうが大切」と言っています。
 新制大学になって間もない1950(昭和25)~1955(昭和30)年度は、7月1日~8月31日(62日)。
 1956(昭和31)~1985(昭和60)年度は、戦前と同じ7月11日~9月10日(62日)。
 1986(昭和61)~1993(平成5)年度は、7月25日~9月20日(58日)となりました。
 これ以降は、その年度の学事日程により多少変更されています。



祇園祭鉾引きのアルバイト(7月)北観音山を曳く立命館大学学生


2013.08.01

「今日は何の日」8月 中川小十郎の夏休み観

 立命館の創立者中川小十郎は、夏休みや休暇について、廃止すべきとの意見をもっていました。
 1927(昭和2)年11月の『立命館学誌』第108号には「日曜の全休を廃止したい」、1929(昭和4)年6月の『立命館学誌』第125号や1929(昭和4)年10月の『立命館禁衛隊』第1号では夏休みの廃止を唱えています。
 「余暇」に対する当時の社会的・文化的背景もありますが、中川は学生は休みなく勉学に励むべしとの考えで、日曜日は半休でいいし、夏休みは全廃してその分勉強することが大切だと捉えていました。とはいえ、夏休みを廃止することは現実的ではないので、「平生には出来かぬることをこの期間を利用して為し遂ぐるようにせねばならぬ」として特に外国語の勉強をしなさいと言っています。そうして、この考えを実践していきます。
 1928(昭和3)年には立命館中学校で放課後や長期休暇を利用した英・数・国の「特別講習」授業を開始、1929(昭和4)年には立命館大学でも夏休み期間中に英語とドイツ語の「夏期講習」を開始します。あわせて図書館の蔵書も充実させて自学自習の環境も整備します。1934(昭和9)年からは立命館大学で法律学・経済学の専門講義も夏期講習で実施するようになります。
 現在の「夏期集中講義」の最初は中川小十郎だったのですね。



創立者中川小十郎総長

2013.07.03

「今日は何の日」7月 校歌・学園歌の始まり

 「あかき血潮 胸にみちて 若人真理の 泉を汲みつ ……」
 立命館の学生・生徒であれば一度は歌ったことのある校歌。この校歌ができたのは1931(昭和6)年7月です。
 『立命館学誌』の同年9月号(145号)に「立命館大学校歌成る」の記事があり、明本京静作詞・近衛秀麿作曲の校歌の歌詞が掲載されました。同年の『立命館学誌』12月号には楽譜も掲載され、翌年1月号には、12月19日にコロンビアでレコード吹込が行われ発売されることになったとの記事があります。
 歌詞についてはその後いくつかの変形がみられたため、1976(昭和51)年に統一がされました。
 なお、元の歌詞は2番までありましたが、時代にそぐわない部分があったため、1990(平成2)年に至って2番を正式に廃止し、また外山雄三氏により編曲がされました。
 この立命館大学校歌も、2大学、4中学校・高等学校、1小学校の総合学園となりキャンパスも京都・滋賀にとどまらず九州・北海道まで広がったため、1998(平成10)年に「現在の校歌を学園歌とする。立命館大学は引き続き立命館大学校歌とする。各附属校は各校の判断に委ねる。立命館アジア太平洋大学は独自の校歌をつくることを基本としその判断を委ねる」と決まりました。
 現在の正式な歌詞は、以下の通りです。
あかき血潮 胸に満ちて 若人真理の 泉を汲みつ
   仰げば比叡 千古のみどり 伏す目に清しや 鴨の流れの
   かがみもとうとし 天の明命 見よわが母校 立命 立命
     (ただし、『立命館学誌』145号は、満ちて→みちて、伏す目→ふす目 です。)



校歌は1931年7月につくられ、レコードの吹き込みが12月に行われた。指揮は作曲者の近衛秀麿。

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