教員紹介

  • 格差

日本文学研究学域

デジタル情報社会におけるリアルな「場」としての図書館の社会的、教育的意義について考える

久野 和子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
図書館情報学
デジタル情報社会の中で、一時期は図書館不要論も唱えられましたが、今や公共図書館は地域活性化、まちづくりの中核として活況を呈しています。公共図書館は、静かな読書と勉強の場というイメージを脱却し、出会いと交流の場として、あらゆる人びとの生活と生涯学習を支えています。大学図書館でさえも会話や飲食のできるコモンズやカフェを擁し、学校図書館も生徒の心の居場所、交流の場ともなっています。「場としての図書館」研究は、複層的な機能と空間によって大きく変容する図書館の新たな意義と社会的、教育的価値を学術的に考察する図書館情報学の新しい分野です。なので、私は図書館の新たな可能性を開拓すべく、いつも研究に夢中になっています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

現代社会においては、人々の社会的格差や分断が拡大し、地域や家族のつながりが薄れ、環境破壊や自然災害、戦争などで多くの人々の生命と生活が脅かされています。実は、図書館はそうした課題解決にある程度寄与できる可能性と示唆を持っています。皆さんの身近にある図書館をぜひ広い視野をもって応援していただきたいです。

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東アジア研究学域

移動・病い・貧困から帝国日本をとらえかえす
キーワード :
帝国医学・医療、在朝日本人社会、ジェンダー

金津 日出美教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
日本近代史、東アジア文化交流史
日本の近代は、台湾・朝鮮等の植民地を抱え込んだ帝国として存在しました。それは〈政治的空間〉であっただけでなく、そこで生きた人びとの〈生活の空間〉でもありました。さまざまな笑い、泣き、喜び、哀しみを抱えながら生を営み、そして死を迎えた空間でした。私の研究は、そこで繰り広げられた人びとの生と死、とくに貧困・抑圧・病いに喘ぎ、斃れた人びとにどのような医療や救済が行われたのかを歴史的に明らかにしていくことです。それは過去のことではなく、現代社会が抱える困難にも通底しています。それらに対処し、未来を構想していく糸口をともに考えてみませんか?

MESSAGE

受験生へのメッセージ

渡韓の話が出てからわずか1ヵ月足らずで韓国へ。そして気がついたら十数年が・・・。いつ、どこに、どんなチャンスが転がっているかは誰にもわかりません。「前髪しかないチャンスの神様」を見逃さないよう、さまざまな場に積極的に参加し、また自分でもつくりだしていってください。東アジアはそんな出会いの宝庫です!

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地域研究学域

人と資本を突き動かす空間変容の力学に迫る
キーワード :
都市論、都市開発、東京、ロンドン

松尾 卓磨特任助教

専門分野:
都市研究、都市社会地理学
都市には人や資本を誘う空間があれば、他方で人や資本を跳ね除けようとする空間もあります。私はそうした独特な価値をまとった空間に足を運び、五感をフル活用しながら「都市を感じる」ことを心がけています。これまでは英国の首都ロンドンをフィールドとして、地域の高級化を意味する「ジェントリフィケーション」と呼ばれる現象について研究を進めてきました。中でも移民集住地域で進行しているジェントリフィケーションに注目し、地域社会や景観がダイナミックに変化していく過程を捉えてきました。また近年では、京都や東京における都市開発の動向、再開発予定地で暮らす地域住民の居住地移動の研究にも取り組んでいます。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自分は何がしたいのか、もしくは何をすべきなのか。答えはひとつではありません。見知らぬ土地を訪れ、人と出会い、様々な文化や価値観に触れてみて下さい。それまでの自分の思考・判断・経験が特定の条件に縛られていたという事実を自覚し、その事実を冷静に見つめ直すことで、きっと新たな一歩を踏み出せるはずです。

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