教員紹介
- 日本文学
川崎 佐知子教授
- 所属専攻:
- 日本文学専攻
- 専門分野:
- 日本古典文学
たとえばNHKの大河ドラマの主人公になるような戦国武将でも、『源氏物語』を知っていました。立場や財力により程度の差はあったでしょうが、伝手を頼って稀少な本を求め大切に書写して豪華に飾り立てたり、京都で評判の知識人を自邸へ招き講釈を繰り返し受けたり…とみな結構貪欲でした。和歌や連歌の席でのしゃれた一言にも、周囲から畏れられる存在でありつづけるためにも、『源氏物語』はマストアイテムでした。
いずれも、現在に伝存する『源氏物語』の写本や派生作品、当時の日記・記録類から確認できる事実です。京都という場にも注意しなければなりません。芸能・絵画・音楽・儀礼など多岐にわたる分野に関心を持たねばなりません。
いずれも、現在に伝存する『源氏物語』の写本や派生作品、当時の日記・記録類から確認できる事実です。京都という場にも注意しなければなりません。芸能・絵画・音楽・儀礼など多岐にわたる分野に関心を持たねばなりません。
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瀧本 和成教授
- 所属専攻:
- 日本文学専攻
- 専門分野:
- 日本近現代文芸(文学•芸術)
日本近現代文学、とくに20世紀初頭の文学を専門に研究を行っています。森鷗外、夏目漱石、与謝野鉄幹•晶子、石川啄木、北原白秋、木下杢太郎、芥川龍之介等を中心に研究をしています。文芸作品の鑑賞を第一義に、作品と作者、あるいは読者との関係を探りながら、主題や意図を明らかにすることを目標としています。また、言語(表現)の多義性や重層性についても関心があり、そのような視点からの分析・考察も行っています。それらの追究と共に文学(研究)の魅力や意義、役割について考えることも重要だと思っています。
COLUMN
文学研究は「宝探し」
日本人が失ったものが残っている
日本文学専攻
瀧本 和成
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私の研究は明治40年代の石川啄木の評論や詩歌の文学史的・思想史的な位置づけを、与謝野晶子をはじめとする歌人・文学者の作品 とともに明らかにすることを目標としています。啄木は、「東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる」など、孤独や望郷をうたった歌人として、近代以降、多くの人に読み継がれてきました。文学雑誌「明星」の浪漫主義から出発し、やがて自然主義に対する内的な批判者となった啄木の、詩歌と散文(評論・小説)というジャンルの垣根を越えた多彩な文学表現は、明治の文学史を理解する上でも重要です。併せて、与謝野晶子をはじめとする近代短歌の表現の面白さについても研究しています。
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かつて近代日本の文化や文学は、国家や社会の形を変革しようとする意志と力を備え、人々の行動に影響を与えていました。作者も受容者も、文化・文学によって自分たちが生きている世界を作り変えられると信じていたのです。一方で文化や文学は、人々を戦争や暴力に向かわせたという負の側面も持ち合わせています。
では、文化や文学のどこにそうした力が潜んでいるのか、私たちはなぜ文化・文学によって心や身体を突き動かされるのでしょうか。〝近代〟という私たちが生きている時代に蓄積されてきた作品や批評を読み解きながら、その難問に挑戦することが、近代の文化・文学研究の面白さであり最大の魅力であると考えています。
では、文化や文学のどこにそうした力が潜んでいるのか、私たちはなぜ文化・文学によって心や身体を突き動かされるのでしょうか。〝近代〟という私たちが生きている時代に蓄積されてきた作品や批評を読み解きながら、その難問に挑戦することが、近代の文化・文学研究の面白さであり最大の魅力であると考えています。
COLUMN
時には世の中さえも動かしてしまう——。 そんな文学と文化の不思議な力を探る。
日本文学専攻
内藤 由直
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中本 大教授
- 所属専攻:
- 日本文学専攻
- 専門分野:
- 日本中世文学、和漢比較文学
上代以来、明治維新に至るまで、日本は中国に学ぶことで自国の文化を確立してきました。常に中国を見つめながら独自性や美意識を育んできたのです。中国文化受容の窓口は各時代の最先端研究拠点でもありました。なかでも、すべての機能が首都・京都に集中した室町時代、外国文化受容の拠点は五山と呼ばれた禅宗寺院でした。足利幕府と固く結びついた五山は、中国に学ぶことで自身の美意識を培ってきました。私は現在、五山文学や室町水墨を検討しながら、当時の日本や京都の特質を明らかにすることと同時に、当時の「京都のすがた」を通して五山文学の本質を明らかにするという二つの視点で研究を進めています。
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日本文学研究学域
大岡昇平など戦後文学を中心とした近現代文学の研究
- キーワード :
- 大岡昇平、戦後文学、三島由紀夫、鉢の木会
花崎 育代教授
- 所属専攻:
- 日本文学専攻
- 専門分野:
- 日本近現代文学、戦後文学
日本の近代文学、とくに大岡昇平や三島由紀夫などの戦後文学を中心に、大岡も耽読した夏目漱石やまた現代の松浦理英子の文学なども研究しています。文学作品は時代・社会・思潮とともにありながら、書き手がことばを大切に綴ったものなのです。私は、そうした作品/テクストの生成に至る受容・引用、また改稿といった種々相を考察し、精読しています。(ときには作者の直筆原稿を読み、いきいきとしたその思考の変遷を探ったりします。)そうしていくことで、なにげない文字列と見えていたものが、きわめてスリリングな、わくわくするもの、きわめて深いものに、みえてくるのです。
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奈良時代の文学や王権儀礼を研究しています。『古事記』の文体は原則としてやまとことば(漢字以前の純粋な日本語)ですが、中国語の文字(漢字)で記されているため地の文の正確な読みは現在もなおわからないところが多くあります。しかし、『古事記』の中でもうた(歌謡)の部分は一字一音式のいわゆる万葉仮名表記が用いられており、ほぼ正確に1300年以上前のことばのまま味わうことができます。『続日本紀』や『琴歌譜』所載の歌謡は、歌われた儀式の場が明確で、宮廷儀礼の中で歌謡が担った機能(天皇統治の思想や宴に組み込まれた時の政治的演出効果等)を歴史的実体的に分析できます。これらが上代歌謡研究の大きな魅力です。
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文学研究と映像研究の手法を用いて、アニメーション作品の研究を行っています。例えば、映像にも文章と同じく文法があります。ただなんとなく撮影しただけの動画は、決して「映画」にはなりません。悲しい場面には悲しみを表現する工夫(演出)が必要です。約2時間という限られた上映時間のなかで、観客を作品に引き込むストーリー展開の工夫も必要です。また、「ミュージックビデオのように音楽と映像をシンクロさせるのが得意な監督」のように、監督の文体といったものも存在します。
そんなアニメーションの面白さの秘訣を探る。つまり、作品に使われている文法や文体を分析し、監督が作品を通して観客や社会に伝えたかった想い(思想)をあぶり出す。そんな研究を行っています。
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