教員紹介

  • 日本文学

日本文学研究学域

日本語はどのように変化してきたのか
キーワード :
日本語 言語学 文法史

岡崎 友子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
日本語学、歴史的研究
古代(奈良時代)から現代までの文法(歴史的用法・変化)、特に「これ・それ・あれ」といった指示詞や「さて」などの接続詞を中心に研究をしています。
  さて、普段、何気なく使っている指示詞ですが、「こ・そ・あ」はどのように指し分けているのでしょうか。「そこ」はどこでしょうか。また、古代でも同じように使っていたのでしょうか。このような謎に対し、現代語はフィールドワーク、古代語は歴史コーパスなどを用いて調査し、分析しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

受験の「古文」、特に「古典文法は好きじゃない!」と思っている人が多いのではないでしょうか。古代日本語も日本語であり、現代語と切り離されたものではありません。歴史的な用法や変化を知ることにより、理解することが出来、ずっと「古文」が身近なものになります。一緒に、日本語の歴史を探究しましょう。

COLUMN

「黄昏」は、「誰そ彼(そこにいるのは誰)」だった。 変わり続ける日本語、1000年の長い旅。

日本語情報学専攻

岡﨑 友子

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日本史研究学域

日本古代から東アジアを考える
キーワード :
往来する人びと、漢籍受容、術数文化、感性

水口 幹記教授

所属専攻:
日本史学専攻
専門分野:
日本古代史、東アジア文化史
私の研究の要点は、日本古代における文化の受容と選択にあります。たとえば、ある書物が中国から伝来したとします。それは史実ですし、歴史の一側面です。しかし、それが日本社会にとってどのような意味を持ったか、というのは別の問題です。その書物が果たして読まれたのか、読まれたとしたらなぜ読まれたのか、どのように読まれたのか、読まれなかったとしたらなぜ読まれなかったのか、そういった問題を問うことが重要なのです。文化が伝来し、受容し、取捨選択する際の軋轢・ズレこそが、双方の社会の様相をあぶり出し、東アジア文化の共通性と日本古代社会の独自性を明らかにするきっかけになると考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「常識」は流行に過ぎず、「世間」は社会の一部に過ぎません。大学は、そういったものから離れ、自分の「好き」をとことん追究できる場所です。もし、あなたの「好き」に日本古代史・東アジア文化が含まれているならば、是非研究室を訪ねてください。一緒に楽しみながら考えていきましょう。

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東アジア研究学域

中国近世の歌謡曲の世界

萩原 正樹教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、日本漢詩
中国の唐から宋の時代にかけて流行した詞という文学について研究しています。詞は言べんに「司」と書き、言べんに寺の詩ではありません。カラオケの画面などによく「作詞:誰々」とありますが、これは言べんに寺の「作詩」とは書きません。つまり詞は歌詞を指しており、唐宋時代の詞も音楽に合わせて歌われていた歌謡でした。歌謡ですから形式も多様で、また内容もラブソングや感傷的なものなどがあって、詩とは違うさまざまな特徴を持っています。漢詩というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、詞はそのようなイメージを180度ひっくり返すような、柔らかくて魅力あふれる文学です。ぜひ皆さんもこの詞の世界を味わってみて下さい。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

役に立つか立たないかを尺度として学問の価値を計る人がいますが、それは間違っています。役に立つか立たないかではなく、自分にとって面白いかどうかがなによりも重要なのです。余計な情報に惑わされず、知るのが面白くてどんどん知りたくなるような専門分野を選んで下さい。

COLUMN

唐宋時代のポップス「詞」から当時の人の思いを知る

中国文学・思想専攻

萩原 正樹

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東アジア研究学域

唐代の詩人と漢籍研究
キーワード :
唐詩、漢籍

芳村 弘道教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、文献学
唐代の詩を研究しています。李白、杜甫、王昌齢、孟浩然、儲光羲などの盛唐詩人や中唐詩人の韋応物と白居易の伝記と文学について考察しています。李白と杜甫については、彼らの作品集を主に研究しています。他の詩人については伝記研究を通し、それぞれの文学的特色を探求しています。また文学研究的視野を備えた漢籍研究も行っています。古籍を骨董趣味的に扱うのではなく、書籍の編著、伝来に古人はいかなる思いを抱いたのか、という考察を加えた文献学を目指しています。特に最近は中国や日本で古く出版された漢籍だけでなく、朝鮮半島の漢籍も視野に入れ、日中韓の漢籍研究を進めています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

中国の古典文学は広がりがすごいです。約紀元前8世紀からの伝統があり、詩・文・小説・戯曲・評論などとジャンルが多様で、それらが時代・社会・思想に密接に結びついており、さらに日本などの周辺国の文化に大きな影響も与えました。中国文学は幅広さと奥深さをもつ学問分野です。学び甲斐のあること間違い無しです。

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国際文化学域

見えないつながりを考える比較文学・比較文化
キーワード :
南洋、山人、海民

須藤 直人教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
比較文学
南太平洋の島々と海の世界を、日本とつなげて考察する比較文学・比較文化研究をしています。比較文学者イ・オリョンの著書『縮み志向の日本人』によると、多くの日本論が「日本にあって西洋世界にないもの=日本独特のもの」と考えています。同じく比較文学者のエドワード・サイードは『オリエンタリズム』で、西洋世界は東洋を「自分で自分を語ることができないよそ者」とみて代弁してきたと述べています。「私たち」「よそ者」のイメージを作る競合は、西洋諸国が世界中を植民地化したことで世界共通のものになり、意外なところでつながっています。その見えない「つながり」を見つけ、意味を考えるのが面白いところです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

コンピューターで自分の傾向、能力、性格を見極め、目標設定するのはよいことでしょう。ただし目標を実現できたとしても、例えば40歳で人生再設計、50歳で再び方向転換、60歳でまた、というようなことが必要な世の中になるかもしれません。その覚悟をし、好きな学問を存分に学び、柔軟多様で変幻自在な生き方・考え方を研究しましょう。

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言語コミュニケーション学域

心を動かす「ことば」と物語について考える
キーワード :
詩、小説、表現教育

西岡 亜紀教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
日仏比較文学、文芸メディア
一つの物語やモチーフが、表現のメディア=媒体とともにどのように語り直されるのか。うた・詩・小説・絵解き・漫画・アニメーションなど、多様な表現を研究しています。新しい表現方法を探して、人に会い、本を読み、旅に出ます。
この研究の醍醐味は、心を動かす「ことば」や物語、それを語る人の人生に触れること。「ひとは大人になって、高さを忘れる。 平行になじんで、垂直を忘れる」(長田弘)「人生は一つの病院のようなもの。どの患者も自分のベッドの位置を変えたがっている」(ボードレール)。ゼミで文芸創作を行う学生からプロの詩人、小説家、記者、アナウンサー、アニメーターまで、表現の現場にいる人に出会えるのも魅力です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

コミュニケーション活動を取り入れながら、音声を発する(朗読、紙芝居など)、文章を書く(小説、戯曲など)といった表現実践を学びます。また、その実践を支える「ことば」の仕組みについて研究します。読む、聞く、つくる、笑う。声を出したい人、物語が好きな人、自分のなかの「表現の種」と出会いたい人、一緒に学んでみませんか。

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