教員紹介

  • フィールドワーク

地域研究学域

フィールドウォークからはじめよう!
キーワード :
都市論、沖縄研究

加藤 政洋教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
人文地理学
歩くこと、食べること、呑むことが大好きです。都市文化に関心を寄せる私にとって、これらのことはつねに研究の第一歩となってきました。学生たちと一緒に、ふだんは身近な京都や大阪を歩き、長期休暇中は沖縄へと出かけて街々を観察しています。もちろん、当地ならではの料理を食べることも忘れません。そこでのちょっとした戸惑いや気づき、そして人との出会いを通じて、研究の着想が萌芽するのです。「京都の食堂には、なぜ(長崎のそれとは似ても似つかない)『ちゃんぽん』があるの?」という疑問からも、研究は始まるのですよ。そう、とにかく歩けや歩け。まち歩き(フィールドウォーク)を通じて、都市空間の深奥に分け入ってみませんか。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

かつて民俗学者の柳田國男は「……学び知るためには、旅でも、散歩でも、とにかくもう少し『あるく』ことが必要」だと述べていました。インターネットや書物から得られた情報だけでは、複雑化する世界の「いま・ここ」を理解することさえかないません。さまざまな地域・場所の経験を重ねることは、必ずや人文学を学ぶ皆さんの糧となるはずです。

COLUMN

フィールドウォーク(街歩き)で情報収集。 都市空間にわけ入り、誕生の「物語」を探る。

地理学専攻

加藤 政洋

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地域研究学域

見えているようで見えないものを探る
キーワード :
フィールドワーク、京都学、環境史

河角 直美教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
歴史地理学
私はよくぼんやり空を見あげて、空の色、雲のかたち、そこにある理由を妄想しては、二度と同じものはないことに、時間と空間の不思議を感じます。それは目の前の風景すべてにもいえることでしょう。以前、琵琶湖岸の集落で調査をしたとき、玄関が水路の前にある家を見つけました。不思議に思い話を聞くと、「むかし交通手段として水路をよくつかっていたから」とのこと。古い地図を見ると、たしかにそこには水路が縦横にめぐっていて、毎日の営みも琵琶湖の役割も今と違ったことを教えてくれました。本や史料に残りにくうえ二度と戻らない、でも確かに存在した風景に、自分で歩き話を聞くことでたどりつける。それが私の研究の面白さです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

高校までは、おもに教科書の内容を忠実に学んできたと思います。これからは、それを少し疑ってみる、もしくは深読みしてみてはどうでしょう。疑う、真実を問う、あるいは掘り下げる。そのために自分で調べる、歩く、見る、納得できるようにまとめる。それが大学での1つの学びといえるでしょうか。その過程で世界も広がっていくと思います。

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地域研究学域

都市の魅力を解剖する
キーワード :
都市、内部地域構造、オフィス

古賀 慎二教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
都市地理学
私の専門は人文地理学、特に都市地理学と呼ばれる分野です。なかでも、現代都市の都心部を占有しているオフィスの立地と都市構造の関係について研究しています。鉄鋼業の企業城下町で育った私は、幼い頃の活気ある街の姿が脳裏に焼きついています。しかし、オイルショックなどを契機に街は徐々に衰退していきました。こうした幼少期の経験が、都市の活力や人口の吸引力とは何かという問題に取り組む現在の研究につながっています。日本における現代都市の活力とはいったい何でしょうか。ダイナミックに変化を続ける有機体のような都市の魅力を地理学的に解剖し、分析する。とても面白い分野です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

知的好奇心を大切にして下さい。インターネットで答えをみつけて理解した気にならず、五感を研ぎ澄まして自分自身が経験して疑問を確かめる。そうした受験生を歓迎します。まさに「百聞は一見に如かず」の精神です。

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地域研究学域

地域を歩き、人と話し、社会を読み解く
キーワード :
農村、社会関係資本、持続可能性

寺床 幸雄准教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
農村地理学、社会地理学
日本の農村地域では、人口減少などに伴い、その生産機能(農業)や社会的機能(地域活動)に変化が生じています。私の研究は、農村地域でどのように農業や地域活動が持続されてきたのか、また、今後どのように持続していくことが可能かを検討することです。そのために、社会学などで研究が蓄積されてきた社会関係資本の視点から、地域内外の関係を分析しています。研究方法としては、農村をたくさん歩き、地域の人と話し、地域活動に実際に参加するフィールドワークを大切にしています。また、地域の社会的まとまりを考えるために、農業集落カードや国勢調査小地域のデータなどを用いた地理空間分析も行っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

フィールドワークの魅力は、自分で実際に地域を見て、たくさんの人に話を聞いて、地域の様々な活動を体験しながら学べることです。地域に出かけることで、それまで自分が持っていたイメージが大きく変わることもたくさんあります。知らない世界を知り、関わることのなかった地域社会を理解することは、自分自身を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

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地域研究学域

人間の居住環境の向上に貢献する自然地理学的研究
キーワード :
資源、災害、環境

松永 光平准教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
自然地理学、環境学
人間をとりまくさまざまなものは、環境とよばれます。人間は快適・安全に居住するために歴史的に多様な手段で環境の把握を試みてきました。1820年に大学での教学がはじまった地理学は、地球全体を視野に入れつつ環境の地域的特徴を明らかにしてきました。地理学は、環境のうち、自然環境の仕組みを解明する自然地理学と、社会環境の理解に重点を置く人文地理学とに分かれています。私は自然地理学の立場から、衣笠キャンパス周辺を事例として災害危険度の把握や、被災時に使える水・食料・木材などの資源の賦存状況の解明に努めています。「流通がストップして水・食料が入手できなくなったら?」などさまざまな状況を想定します。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自然地理学は資源確保・防災・環境保全を通じて人間の居住環境の向上に貢献すると思いますし、そこにやりがいがあります。ただ、「向上」といっても「技術開発でもっと便利に。」「人間の居住地を地球にとどめず宇宙に進出せよ。」という上昇・拡大志向には反対です。たとえば電気を使わないような、昔風の暮らし方にも学ぶべきと思います。

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地域研究学域

観光とポピュラーカルチャーに関する社会学的研究
キーワード :
ポピュラーカルチャー、メディア、モビリティ(移動)

遠藤 英樹教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
観光社会学、現代文化論
「観光は地域に何をもたらすのか」「観光はメディア文化やポピュラーカルチャーとどのように結びついているのか」「グローバルな現代社会の中で、観光はどのような役割を果たしているのか」「観光は文化をいかに変容させるのか」「観光地で私たちは一体、何を見て, どのような経験を手に入れるのか」「観光における『遊び』の要素は、現代社会に何をもたらすのか」――観光現象に関する様々な問いを、社会学的な視点から追求しています。このように理論やフィールドワークをふまえた人文・社会科学的な観光研究を展開していくことで、現代社会のあり方をラディカルに(根底から)問い直そうと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

この世界は不思議(wonder)に満ちていて、だからこそ素晴らしい(wonderful)のだと思います。たくさんの好奇心をもって、この世界に目をこらしてください。そうすれば見慣れた風景でさえ色鮮やかに輝きだすかもしれません。誰かが準備した問いでなく、皆さんの好奇心から溢れる問いを大切にしてください。

COLUMN

メディアで変わる「観光」の最前線を追う


地域観光学専攻

遠藤 英樹

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地域研究学域

生きることをめぐるツーリズム・モビリティーズに関する文化人類学的研究
キーワード :
国際退職移住(international retirement migration)、 ライフスタイル移住(lifestyle migration)、ロングステイツーリズム、ケアの越境化

小野 真由美准教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
文化人類学、観光人類学、東南アジア地域研究
長期滞在型観光(ロングステイツーリズム)と国際退職移住、ライフスタイル移住に関する文化人類学的研究を行っています。特に、マレーシアとタイを中心に、東南アジアにおける日本人(若者や高齢者)の長期滞在・移住のあり様について長期フィールドワークを行ってきました。最近、フィリピンでの調査も開始しました。また、医療ツーリズムや高齢者向けの介護リゾートの生成にみられるケアの越境化について、その実態の把握とトランスナショナルな連関を明らかにすることに取り組んでいます。国際退職移住に関する研究は、ウェルネスやウェルビーイング、さらに、高齢者のもつ「迷惑をかけたくない」意識と自立・自律にどのように関わるのかについて探求しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

旅をするといつもと違った風景や地域の人々のふるまいに触れ、新鮮さや驚きを感じます。観光人類学という領域は、旅の魅力や観光と社会文化の関わりについてフィールドワークを通して深く探究します。旅が好きな人、異文化に関心のある人、外国で生活してみたい人、異文化を理解するものの見方や他者とのかかわり方について観光研究のフィールドワークで実践的に学んでみませんか。

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地域研究学域

近代の植民地朝鮮・台湾とカナダをめぐる移住漁民
キーワード :
漁業、カナダ、移民

河原 典史教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
歴史地理学、近代日本人移民史研究
近代における漁村の変貌、漁民の移動や転業に関する歴史地理学的研究に取り組んでいます。西南日本から朝鮮半島や台湾に渡り、魚類缶詰やカツオ節などの製造業の展開を研究しています。カナダで活躍した日本人漁民の研究も行なっています。19世紀末に渡加した彼らは、当初はサケ漁に携わっていましたが、やがて捕鯨業、塩ニシン製造業や造船業にも携わりました。映画『バンクーバーの朝日』では、資料提供や監修のお手伝いをしました。また、近代における海水浴場の成立、魚食文化と地域振興など、海をめぐるツーリズムにも興味関心があります。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

ゼミでは「水木しげるロード」「天空の城ラピュタ」の聖地巡礼、イチゴ・ナシ狩りなどの観光農園の成立、もみじ饅頭や梅ヶ枝餅などのお土産がテーマに選ばれています。みなさんも、先輩に負けないようフィールドワークに取り組んでください。

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