教員紹介

  • 文学史・美術史・音楽史

日本文学研究学域

広がる『万葉集』の世界
キーワード :
万葉集、王朝和歌、歌学、享受 

景井 詳雅教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本古典文学
私の専門分野は『万葉集』に関する研究です。ただし、『万葉集』の研究には多彩な研究領域と多くの研究業績があります。その理由は『万葉集』が上代の代表的な文学作品であると同時に、上代の歴史・社会・文化を探る上で必須の資料でもあり、また、研究者・文化人から一般の人々に至るまで、時代を問わず、多くの人々に愛され続けてきた歌集でもあるからです(皆さんも、国語・日本史の教科書や『百人一首』、あるいは万葉歌碑などを通して『万葉集』の歌々に出会ったことがあると思います)。つまり、『万葉集』はあらゆる角度から追求されるべき大きな文学作品であって、私は、その中でも、『万葉集』がどのように読み継がれてきたのかという、享受に関わる諸問題を主に研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

学校で学ぶ日本文学は氷山の一角に過ぎません。その下には「とてつもなく広くて深い世界」があります。その世界を自分の力で、ときには仲間たちと探検し、皆さんにとって、日本文学にとって大切な物を発見する、これが大学での学びの大きな魅力です。立命館大学で広大かつ深淵な日本文学の世界を読み解く喜びと充実感を、是非、味わってほしいと思います。

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日本文学研究学域

『源氏物語』と◯◯◯◯
キーワード :
平安時代、貴族、京都

川崎 佐知子教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本古典文学
たとえばNHKの大河ドラマの主人公になるような戦国武将でも、『源氏物語』を知っていました。立場や財力により程度の差はあったでしょうが、伝手を頼って稀少な本を求め大切に書写して豪華に飾り立てたり、京都で評判の知識人を自邸へ招き講釈を繰り返し受けたり…とみな結構貪欲でした。和歌や連歌の席でのしゃれた一言にも、周囲から畏れられる存在でありつづけるためにも、『源氏物語』はマストアイテムでした。
いずれも、現在に伝存する『源氏物語』の写本や派生作品、当時の日記・記録類から確認できる事実です。京都という場にも注意しなければなりません。芸能・絵画・音楽・儀礼など多岐にわたる分野に関心を持たねばなりません。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

なにかに熱中し、時間を気にせず取り組める、大学でのまなびの時間を大切にしてください。学べば学んだだけ、確実に自分のものになります。あなたが身につけた知識は、あなたの個性となるでしょう。財産ともなるでしょう。誰にも真似できません。誰も盗むことなどできません。立命館大学で、あなたが、大きく飛躍なさることを、期待しています。

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日本文学研究学域

日本近現代文学(作品)の多義性•重層性
キーワード :
自由と想像力、作品・作者・読者の有機的関係

瀧本 和成教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本近現代文芸(文学•芸術)
日本近現代文学、とくに20世紀初頭の文学を専門に研究を行っています。森鷗外、夏目漱石、与謝野鉄幹•晶子、石川啄木、北原白秋、木下杢太郎、芥川龍之介等を中心に研究をしています。文芸作品の鑑賞を第一義に、作品と作者、あるいは読者との関係を探りながら、主題や意図を明らかにすることを目標としています。また、言語(表現)の多義性や重層性についても関心があり、そのような視点からの分析・考察も行っています。それらの追究と共に文学(研究)の魅力や意義、役割について考えることも重要だと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

日本近現代文学(演劇・映像・アニメetc...)に興味・関心がある方、ぜひ私の研究室にお入りください。文芸作品の鑑賞と批評を行いながら、文芸の魅力や意味(意義・価値)についても語り合いましょう。

COLUMN

文学研究は「宝探し」
日本人が失ったものが残っている

日本文学専攻

瀧本 和成

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日本文学研究学域

「京都」イメージの歴史的変遷と日本漢文学
キーワード :
禅林文学、漢画系画題、京都学

中本 大教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本中世文学、和漢比較文学
上代以来、明治維新に至るまで、日本は中国に学ぶことで自国の文化を確立してきました。常に中国を見つめながら独自性や美意識を育んできたのです。中国文化受容の窓口は各時代の最先端研究拠点でもありました。なかでも、すべての機能が首都・京都に集中した室町時代、外国文化受容の拠点は五山と呼ばれた禅宗寺院でした。足利幕府と固く結びついた五山は、中国に学ぶことで自身の美意識を培ってきました。私は現在、五山文学や室町水墨を検討しながら、当時の日本や京都の特質を明らかにすることと同時に、当時の「京都のすがた」を通して五山文学の本質を明らかにするという二つの視点で研究を進めています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

文学部、とくに文学研究のテーマや方法は、誰かから強制されることは決してありません。自らが悩み、自ら選択することが研究の第一歩です。自分自身と向き合わなければならない文学研究の醍醐味を一緒に味わいましょう。

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日本文学研究学域

大岡昇平など戦後文学を中心とした近現代文学の研究
キーワード :
大岡昇平、戦後文学、三島由紀夫、鉢の木会

花崎 育代教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本近現代文学、戦後文学
日本の近代文学、とくに大岡昇平や三島由紀夫などの戦後文学を中心に、大岡も耽読した夏目漱石やまた現代の松浦理英子の文学なども研究しています。文学作品は時代・社会・思潮とともにありながら、書き手がことばを大切に綴ったものなのです。私は、そうした作品/テクストの生成に至る受容・引用、また改稿といった種々相を考察し、精読しています。(ときには作者の直筆原稿を読み、いきいきとしたその思考の変遷を探ったりします。)そうしていくことで、なにげない文字列と見えていたものが、きわめてスリリングな、わくわくするもの、きわめて深いものに、みえてくるのです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

高校までの国語などの授業と文学研究はどう違うの? 疑問に思われた方もぜひ挑戦を。ことばでつくられた文学の論理と表現をじっくり探究します。たとえば演劇も映画も、その作品の生成に関わっていたりして、あわせて追究します。最も身近でしかし生きるのに最も大切な研究といえるでしょう。ことばの連なりは、あなたの精読を待っています。

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東アジア研究学域

中国近世の歌謡曲の世界

萩原 正樹教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、日本漢詩
中国の唐から宋の時代にかけて流行した詞という文学について研究しています。詞は言べんに「司」と書き、言べんに寺の詩ではありません。カラオケの画面などによく「作詞:誰々」とありますが、これは言べんに寺の「作詩」とは書きません。つまり詞は歌詞を指しており、唐宋時代の詞も音楽に合わせて歌われていた歌謡でした。歌謡ですから形式も多様で、また内容もラブソングや感傷的なものなどがあって、詩とは違うさまざまな特徴を持っています。漢詩というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、詞はそのようなイメージを180度ひっくり返すような、柔らかくて魅力あふれる文学です。ぜひ皆さんもこの詞の世界を味わってみて下さい。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

役に立つか立たないかを尺度として学問の価値を計る人がいますが、それは間違っています。役に立つか立たないかではなく、自分にとって面白いかどうかがなによりも重要なのです。余計な情報に惑わされず、知るのが面白くてどんどん知りたくなるような専門分野を選んで下さい。

COLUMN

唐宋時代のポップス「詞」から当時の人の思いを知る

中国文学・思想専攻

萩原 正樹

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東アジア研究学域

文人の日常生活から中国近世という時代の特質に迫る
キーワード :
文人趣味、档案、水資源

井上 充幸教授

所属専攻:
東洋史学専攻
専門分野:
中国近世の文化史・社会史・環境史に関する研究
中国近世、それも明清時代といっても、皆さんにはあまりピンとこないと思います。ですが『西遊記』や『三国志』などの物語をはじめ、私たちが「いかにも中国らしい」と感じる伝統文化や、中国人特有の思考方法・行動様式が生み出されたのは、まさにこの時代だったのです。私は、明清時代に生きた文人たちの日常生活や、彼らを取り巻く社会の様子、さらには当時の文化のさまざまなありようを具体的に明らかにし、それを通じて中国近世という時代そのものの面白さを伝えていきたいと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

歴史を学ぶということは、文献を通じて過去に生きた人々と対話し、それによって彼らの生き方や考え方を理解することである、と私は考えます。その際に重要なのは、予断と偏見を排して謙虚に相手の話を傾聴しつつ、それがどこまで本当なのかを冷静に見極めることです。そしてそれこそが、歴史を学ぶことの難しさであり面白さでもあると思います。

COLUMN

400年前の「明末清初」の時代にタイムスリップ。 庶民の日常から現代中国のルーツを探る。

東洋史学専攻

井上 充幸

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国際文化学域

ヴィクトリア朝から現代社会の抱える問題を考える。
キーワード :
チャールズ・ディケンズ、イングリッシュネス、サヴォイ・オペラ

金山 亮太教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
19世紀イギリス小説、軽歌劇を含む大衆演劇
英国史上、女王の治世の時期(エリザベス朝、ヴィクトリア朝、現代)には国が栄えると言われますが、輝きの裏には必ず影が存在します。科学技術の暴走や民族間の対立、帝国主義の負の遺産など、現代に生きる私たちが直面している諸問題の多くはヴィクトリア朝にその端緒があります。これらを時間と空間を超えた普遍的な課題として捉えるのが、私の目下の課題です。ディケンズなどの文豪への興味から始まった私の研究歴ですが、最近は19世紀末にイギリスで一世を風靡した「サヴォイ・オペラ」という、大衆向け軽歌劇の中に現れる民族意識の変遷を切り口に研究を進めています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

シャーロック・ホームズや切り裂きジャックなどでお馴染みのヴィクトリア朝英国を舞台にした文学作品を研究しています。数々の作家を輩出したことから「小説の世紀」と言われる時代ですが、そのような「表の顔」だけでなく、当時の人々の価値観や欲望がよりむき出しの形で表れている大衆娯楽やメロドラマなどの「裏の顔」にも関心があります。

COLUMN

小説は表の顔、娯楽作品は裏の顔。 読み解く中で見えてくるイギリスの素顔。

英米文学専攻

金山 亮太

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