人生を語ること、聞くこと、読むことについて『生活史論集』
ナカニシヤ出版 2022年
すべての論考において、まさに今この瞬間の生活を精一杯生きている一人ひとりのこれまでの人生が、とても丁寧に描写されている。
学校統廃合を超えて:持続可能な学校と地域づくり
自治体研究社 2022年
公共施設の建て替えに伴う面積の削減を小規模校の廃止によって実現しようとする政策が、教育学的な根拠をもつ合理的なものと言えるのか、また住民の意思を尊重しているのかが争点となっている。
大学のIRと学習・教育改革の諸相:変わりゆく大学の経験から学ぶ
玉川大学出版部 2021年
本書はきわめて幅広いテーマと事例大学をカバーし、IRと学習・教育改革を巡る世界と日本の動向を知ることのできる類例のない好著である。
精神障害を生きる:就労を通して見た当事者の「生の実践」
生活書院 2022年
ライフヒストリーを記述していく中で、現在の日本の精神障害者福祉の現場と精神障害者が直面している問題をストレートな形で描き出している。
「ハーフ」ってなんだろう?:あなたと考えたいイメージと現実
平凡社 2021年
「中学生の質問箱」シリーズとして出版された本書は、わかりやすく、かつ丁寧に「ハーフ」当事者を取り巻く歴史や現状を描き出す、非常に重要な一冊となっている。
昭和五〇年代論:「戦後の終わり」と「終わらない戦後」の交錯
みずき書林 2022年年
歴史が歴史と気づかれないままに風化し、また風化が風化と認識されないままに加速してしまっている現状があると思う。本書は、そのことに目を向けさせてくれる貴重な仕事である。
日本の法科学が科学であるために:改革に向けた提言
現代人文社 2021年
法科学的証拠が人間の手によっていかに作られているかについて詳らかに紐解く本書は、その過程に多くの人間の誤りが含まれうることを示している。
SDGs時代の食・環境問題入門
昭和堂 2021年
SDGs達成について重要な「食」と「環境」に関する基礎知識〔と(中略)〕、新型コロナ感染症の蔓延によってどのような影響があったのか、さらには今後グリーンリカバリーに向けた多くのヒントが盛り込まれている。
SDGs時代のサステイナビリティ学
法律文化社 2022年
膨大なサステイナビリティ学に関する情報をオントロジーにより整理分析するとともに、AI により最適な政策分析を行い、「死なないための政策科学」を目指す
食サービス産業の工業化:外食・中食産業を中心に
晃洋書房 2022年
日本における外食・中食研究やレビットやドラッカーの理論的成果に依拠しながら、経営史的な領域を含む多元的で重層 的な事例研究となっている。
外交交渉四〇年:薮中三十二回顧録
ミネルヴァ書房 2021年
本書は日本外交の記録として貴重な史料であると同時に、グローバル社会で生きる若い世代の 人々に対するメッセージとして読むことが可能である。
応円満院殿御詠歌:近衞基Oの家集
古典ライブラリー 2022年
「題・詞書索引」がすばらしい。この索引をながめるだけで、歌題と詞書の面白さに目がとまり、その番号の和歌を引いてみたくなる。
歴史はなぜ必要なのか:「脱歴史時代」へのメッセージ
岩波書店 2022年
歴史を学ぶことが軽視される昨今、本書によって少しでも多くの人がフェイクニュースに細心の注意を払いつつ、歴史に関する理解を深めることが期待されるだろう。
多文化社会の消費者認知構造:グローバル化とカントリー・バイアス
早稲田大学出版部 2021年
質的研究×量的研究という混合研究法が採用され、カントリー・バイアスの実態に迫る議論は、(中略)推理小説を読み解くようなスペクタクルを感じさせるものであった。
グローバル秩序論:国境を越えた思想・制度・規範の共鳴
晃洋書房 2022年
国際関係理論は、今日「世界」を語れていない。その上で本書は、評者の考えるこの「停滞」を打破する可能性を秘めた、歓迎すべき一冊である。
現代中国の経済と社会
中央経済社 2022年
本書は新技術や新サービス、話題性に富んだ社会の矛盾、そして再燃する国際摩擦を描写したものであるがゆえに、読者に強烈な印象を与える一冊である。
米中経済摩擦の政治経済学:大国間の対立と国際秩序
晃洋書房 2022年
米中貿易摩擦を「自由市場資本主義(アメリカン・グローバリズム)」対「国家(党)資本主義(チャイニーズ・グローバリズム)」といった異なる型の資本主義の対立というパースぺクティブの 下で論じている
“新常態”中国の生産管理と労使関係:実態調査からみえる生産現場の苦悩と工夫
ミネルヴァ書房 2022年
中国の実情を納得的に分かるための踏み込んだヒアリングを敢行した著者の誠実さと勇気にあらためて敬意を表したいと思う。
中国文学をつまみ食い:『詩経』から『三体』まで
ミネルヴァ書房 2022年
読後には、読み手各自の関心に即した「中国文学」へと通じる道筋がいくつも浮かび上がり、読書欲をおおいに刺激される。
中国新出土文献の思想史的研究:故事・教訓書を中心として
汲古書院 2022年
本書は中国の新出土文献の中から、とくに故事・教訓書に焦点をあてて考察した力作である。
戦争の中国古代史
講談社現代新書 2021年
戦争にまつわる様々な事物・儀礼・制度の発展・変化を通じて見る中国形成史として位置づける点こそ、本書の本質的特徴である。