人材危機時代の日本の「グローバル人材」の育成とタレントマネジメント:「見捨てられる日本・日本企業」からの脱却の処方箋
晃洋書房 2020年
関連したさまざまな議論を展開する際の参照点のひとつとして、多くの研究者や実務家が最初に手に取る一冊にお薦めしたい。
年金制度の不人気改革はなぜ実現したのか:1980~2016年改革のプロセス分析
ミネルヴァ書房 2021年
テーマ別に整理された事実の体系は、このモデルの当否を超え、年金史の再確認にも、その再構築にも非常に有用に思われる。
不登校経験者受け入れ高校のエスノグラフィー:生徒全体を支える場のデザイン
ナカニシヤ出版 2021年
本書は、高校の教師たちがボランティアや対人援助職とともに生徒たちの登校とよりよい学校生活を支える姿を丁寧に描き出している。
「法と経済学」の揺籃
成文堂 2021年
前世紀転換期と1960年代以降の経済学との学際研究で、法学は何を得たのか、逆に、リーガル・リアリズムはコモンズからどのような影響を受けたのか。
司法審査の理論と現実
日本評論社 2020年
かくも骨格が堅強な本書は、されど牽強付会ではなく「論理的な首尾一貫性、明晰さ、体系性」も妥協していないので、安心して繙くことができる。
社会を知るためには
日本評論社 2020年
これから社会学を学び始めようとする初学者にとってだけでなく、すでに十分に研鑽を積んできた現役の社会学者にとってもとても有用な図書となっている。
現代社会資本論
有斐閣 2020年
「共同社会的条件」としての社会資本について、老朽化対策を含む再構築が必要であるとの問題意識から、その対応について考え、持続可能な社会へ繋ぐことを展望するものである。
私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡
かもがわ出版 2021年
、著者の長いライフヒストリーの詳細な記述によって、国立大学の科学者が「反原発」という立場で活動を行うと、いかなる事態に遭遇するかを窺い知ることが出来る。
「反原発」のメディア・言説史:3.11以後の変容
岩波書店 2021年
本書の意義は、何よりも多様な言説・作品群の整理を通して、原発をめぐる報道のあり方、議題設定に決定的な影響を及ぼす「政財産学メディア」の構造的力学を剔抉している点にある。
被爆都市=広島研究の新たな視角:広島 復興の戦後史:廃墟からの「声」と都市
人文書院 2020年
本書の優れた特徴は、被爆都市=広島の研究において、復興の歴史に隠された陳情書や都市住民の「声」を聴いている点である。
地元を生きる:沖縄的共同性の社会学
ナカニシヤ出版 2020年
ポジティブなイメージとして人びとが―沖縄の人たちでさえも―思い浮かべている「沖縄的共同性」の内実を、生活史の手法を用いて社会学的に考察したのが本書である。
日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション:人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別
明石書店 2020年
マイノリティ側のリアリティを少しでも理解したいと思うのであれば、ぜひこの邦訳書を手にとってじっくりと時間をかけて読み進んでほしい。
日本近代主権と「戦争革命」
日本評論社 2020年
戦前から戦後を貫く近代日本の公権力の原理的次元における連続性の追究を試みた画期的著作である。
天変地異を受け入れるアジアの人々の共通性を考える:天変地異はどう語られてきたか:中国・日本・朝鮮・東南アジア
東方書店 2020年
天変地異に向き合う際の「禍」と「福」との両義性と、 俯瞰的にとらえる国際化の重要性が議論される。
次の夜明けに(現代台湾文学選1)
書肆侃侃房 2020年
厚くはない小説の宇宙に、台湾の20世紀後半から21世紀初頭にかけての、さまざまな記憶かが刻まれた本書には、弱さを抱えながら声を上げてきた人々の姿が描かれている。
一帯一路は何をもたらしたのか:中国問題と投資のジレンマ
勁草書房 2021年
第I部、第II部の各章の論文はいずれも一帯一路の現実を抉り出す力作であるが、第III部沿線国各国については、(中略)本書のなかで最も新鮮さを感じた部分である。
フィリピンのサリサリストア:流通構造と人々のくらし
五絃舎 2021年
今後の途上国市場を理解するうえで、そして途上国市場への参入戦略を考える上で極めて重要なものといえ、それらを現地調査によって解明した著者の功績は大きい。
東アジアにおける行政法の生成と展開:基本原則の比較研究及び共通原則試論
法律文化社 2021年
これまで東アジアをフィールドとしてこなかった多くの行政法研究者はもちろん、この地域の現状を憂いている多くの人々にお勧めしたい書である。
プライマリー国際関係学
ミネルヴァ書房 2021年
SNS世代・社会の脆い認識に対して、時代を越えた連続的なものとして国際関係学を継承することで、警鐘を与えることができる良書である。
現代国際法の潮流I:総論、法源・条約、機構・経済、海洋、南極・宇宙/現代国際法の潮流II:人権、刑事、遵守・責任、武力紛争
ミネルヴァ書房 2021年
国際法の現代的諸問題に立ち向かう我が国における人的資源のまとまりを示したことが、本書のもう1つの成果といえるだろう。
地域研究へのアプローチ:グローバル・サウスから読み解く世界情勢
ミネルヴァ書房 2021年
グローバル・サウスをキーワードに、現代の地域研究とはどのような学問であり営みなのか/であるべきなのかという問いに対して、わかりやすく、また真正面からひとつの答えを示そうとしている。
宗教復興と国際政治:ヨルダンとイスラーム協力機構の挑戦
晃洋書房 2021年
随所で最新の研究や知見を踏まえた独創的な分析・考察も行われており、中東政治研究やイスラーム思想研究を専門とする読者にとっても興味深い著作である。