私たちが国際協力する理由:人道と国益の向こう側
日本評論社 2019年
ODAによる国際協力の限界を示すと同時に、それによってその先にある、多層な社会にふさわしい国境を越える「協力」の可能性を探る必要性も示す、貴重な本である。
貧困・外国人世帯の子どもへの包括的支援:地域・学校・行政の挑戦
晃洋書房 2020年
現在の偏った「支援」や社会の在り方そのものを問い返す姿勢を読者に与えてくれる。
子どもの貧困と「ケアする学校」づくり:カリキュラム・学習環境・地域との連携から考える
明石書店 2020年
子どもの主人公としての学びと育ちが阻害される状況にこそ、子どもの貧困問題の本質がある。
人口減少と危機のなかの地方行財政:自治拡充型福祉国家を求めて
自治体研究社 2020年
21世紀の日本が直面する人口減少社会問題、それに加えて新型コロナ禍による重大危機とを統一的に捉えて、地方自治の拡充と地方財政の強化という側面から、問題の根本的な解決の方向性を提議した。
都市・地域のグローバル競争戦略:日本各地の国際競争力を評価し競争戦略を構想するために
時事通信社 2019年
経済のグローバル化を経済の活力や都市住民の生活水準の向上にいかに結びつけるのか。
戦後日本、記憶の力学:「継承という断絶」と無難さの政治学
作品社 2020年
本書に通底しているのは、「記憶されたもの」の構築プロセスに迫ることで、「記憶されたもの」の内部から見過ごされてきた事実をあぶり出す姿勢だろう。
海をめぐる対ダイアローグ話 ハワイと日本:水産業からのアプローチ
塙書房 2019年
ハワイの水産業について日本人移民・日系人史研究の立場からこれほど詳細に調べられ、書かれた研究書は存在しない。
「変容の秘密」をめぐるミステリのアンソロジー:変容する都市のゆくえ:複眼の都市論
文遊社 2020年
ポストバブル経済期の都市は、あらゆる場所で、それぞれの人たちに、「生き延びるために、主体的に都市を定義し、その使い方を考えなさい」と突きつける。本書は、ポストバブル世代による、その回答集なのである。
風景の人間学:自然と都市、そして記憶の表象
三元社 2020年
雪景snowscape、海景seascape、都市の風景citycsapeなど、本書では様々なバリエーションの風景が論じられている。
司法・犯罪心理学:司法臨床のアプローチ
NHK出版 2020年
読者には「司法臨床」の視点に立って、わが国の司法がどのように変わろうとしているのか変わろうとしていないのかを見極めてもらいたい。
「第三の軸」を再配置する:メディア論の地層:1970大阪万博から2020東京五輪まで
勁草書房 2020年
世間一般、無味乾燥な論文が多い中で、飯田の論考にはそれらとまったく異質な批評性を感じさせられるのだ。
キャリアデザイン入門:自分を探し、自分をつくる
ナカニシヤ出版 2019年
学生のキャリア形成支援、進路就職支援に従事する大学職員においても、教育的視座を得るために本書を活用されたい。
映像で学ぶ舞踊学:多様な民族と文化・社会・教育から考える
大修館書店 2020年
映像や動画も含めた本書の構成は、初学者向けの教科書や教授方法を作成していくうえで、参考にすべきモデル。
日中経済・社会比較論:在日中国人学者による考察
日本僑報社 2019年
[ブログという形で書き出して公表した]このような行為は簡単そうに見えるかもしれないが、発信対象国によっては、大きな勇気と覚悟が必要であろう。
東アジア 遭遇する知と日本:トランスナショナルな思想史の試み
文理閣 2019年
本書を一読した読者は、文字どおり東アジア思想史の分野で議論されている「知」の多様性に「遭遇」することができる。
宋代文学伝播原論:宋代の文学はいかに伝わったか
朋友書店 2019年
宋代という時代と社会を反映した文学の様相が、本著のページをめくる度に立体的に明らかになっていく、画期的な研究成果である。