2014年度 8~10月展示「夏目漱石『こゝろ』展」
展示期間:2014年10月31日まで ※展示期間は変更する場合があります。
長い年月を経ても朽ちることなく、今日においても多くの読者の心をつかんで離さない夏目漱石の小説「こゝろ」。
この小説で漱石が問いかけているものについて、文学者のみならず、さまざまな方がさまざまに解釈を試みてきましたが、
発表から100年を経ても決して完璧な解釈を許さないのは、この小説の奥の深さではないでしょうか。
漱石の「こゝろ」が朝日新聞に連載されて100年目の今年、本学図書館が収蔵している復刻版や、漱石自筆手稿の
複製(いずれも普段は閲覧室にはありません)、本学が契約しているデータベースで検索できる100年前の連載当時の新聞紙面、
閲覧室の書架に100冊以上も配架されている夏目漱石関係の研究書から、文豪、漱石が現代の私たちに問いかける
人間普遍の問いかけに迫ります。
これまでに「こゝろ」を読んだことのある方にも、まだ「こゝろ」を読んだことがない方にも、ぜひ見ていただきたい展示です。
1993年12月、岩波書店から、小説「こゝろ」の夏目漱石による自筆手稿の複製が刊行されました。漱石自身の肉筆と推敲の跡がそのまま複製・再現されています。限定刊行のため、世界中に480部しかありませんが、そのうちの1部が本学図書館に収蔵されています。普段、閲覧室には配架していませんが、この展示で特別にその一部を公開します。
財団法人日本近代文学館が1969年4月に刊行した小説「こゝろ」の復刻版は、内容だけでなく装丁や紙質なども、1914年に初めて単行本が出版されたと
きのものを出来るだけ忠実に再現しているものです。最初に単行本が刊行された際には、表紙、箱、見返し、扉、奥付きの模様と、題字、朱印などを、漱石自ら
が考案したといわれています。復刻版では、これらについても忠実に再現しています。
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