書評

グローバル社会の消費者心理:カントリー・バイアスから読む〈こころ〉

寺﨑新一郎 著

立命館大学経営学部教授

早稲田大学出版部 2024年

カントリー・バイアス研究をめぐる類似、対立する諸概念の相互の関係性について見事に一枚のマップに落とし込む、その圧巻ともいえる整理力である。

これからの消費者法:社会と未来をつなぐ消費者教育[第 2 版]

谷本圭子 著

立命館大学法学部教授

坂東俊矢・カライスコス・アントニオス 共著

法律文化社、2023年

社会的責務に基づいて自覚的に消費を選択しうる能力を涵養する手段として「消費者教育」の重要性を 訴える。このような啓蒙的な主張が本書のインパクトである。

移動時代のツーリズム:動きゆく観光学

神田孝治 編

立命館大学文学部教授

遠藤英樹 編

立命館大学文学部教授

高岡文章・鈴木涼太郎・松本健太郎 編

ナカニシヤ出版、2023年

本書はあくまでモビリティーズをヒントとすることで観光に対する新たな考え方の扉を開き、面白さに気づく機会を提供する存在だ。それ自体が強みであり、既存の文献には担えない貴重な役割でもある。

危機管理とグローバル・ガバナンス

川村仁子 著

立命館大学国際関係学部教授

峯川浩子 編

芦書房 2024年

豊富な事例と様々な観点ないし専門知を通じて、危機やリスクに関する問題の解決に向けた社会的な協働のあり方に関するヒントあるいは示唆を少なからず与えてくれる。

アジア経済史 上

石川亮太 著

立命館大学経営学部教授

古田和子・太田淳 編

蓮田隆志 ほか著

岩波書店、2024年

グローバルヒストリーこそが長いマルクス主義史観の呪縛を打破する決定打であり、時間と空間が表裏一体の関係であるという、考えてみれば当たり前の真実を、具体的な事例とともに、身をもって提示している

中国語現代文学案内:中国、台湾、香港ほか

三須祐介 著

立命館大学文学部教授

栗山千香子・上原かおり 編

ひつじ書房 2024年

中国語現代文学の大海原に漕ぎ出す者にとって、行き届いたガイドブックとなっている。

ネパール大震災の民族誌:共同性と市民性が交わる場で災害に対応する

伊東さなえ 著

大阪大学大学院人間科学研究科専任講師、立命館大学立命館アジア・日本研究機構客員研究員

ナカニシヤ出版 2024年

2015年のネパール大地震後の緊急対応と支援活動を生き生きと、多角的に描き出した

イスラーム・デジタル人文学

竹田敏之 著

立命館大学立命館アジア・日本研究機構教授(出版時)

須永恵美子・熊倉和歌子 編

人文書院 2024年

イスラーム研究とDHという組み合わせを専門的に論じた書は、世界的にも実質的にこの2冊という状況であり、本書は世界的にも高く評価し得るだろう。