NEWS of AJI(アジア・日本研究所)
2024年4月8日発行

立命館大学アジア・日本研究所のニューズレター、第9号をお届けいたします。

目次
1. 若手研究者向けのAJI研究高度化推進プログラム、公募中
2. 新任の専門研究員が赴任しました
3. 『AJI Journal』優秀論文賞が授与されました
4. Meridian180多言語フォーラム 開催(1/28)
5. AJIグローバルシンポジウム2024 開催(2/18)
6. 「アジア・マップ」第2年目がスタートしました
7. 立命館-ANU公開講演会開催(1/11)
8. 出版記念シンポジウム「東アジアの原子力安全とガバナンスの構築」(1/26)
9. 国際コロキアムが開催されました(2/26-27)
10.AJI研究最前線セミナー(11~3月)
11.これからのシンポジウム等、イベントの予定

《所長より》
各キャンパスの内外で桜が咲き誇り、学部・大学院から卒業生、修了生たちが巣立っていき、新学年を迎えました。研究所でも、ポスドクの若手の研究員が専任のポストなどを得て「卒業」していきました。学内にポストを得た人もあり、他学で新しい生活を始める人もあり、嬉しい一方で、ともに過ごした日々を思うと感傷的ともなります。卒業生、修了生、そうした皆さまの4月からのご健勝をお祈り申し上げます。

アジア・日本研究所長 小杉 泰
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1.若手研究者向けのAJI研究高度化推進プログラム、公募中

4月1日から、AJI研究高度化推進プログラムの公募が始まりました。これは、アジアや日本に関する研究をしている学内の若手研究者の皆さまに、英語論文執筆、国際共著論文執筆、国際研究集会の開催について、財政的な支援をおこなうものです。

4月22日(月)正午が締切です。ふるって、ご応募ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/member/news/detail/?id=406


2.新任の専門研究員が赴任しました

立命館アジア・日本研究機構では、この4月に新任の専門研究員5名が赴任しました。プログラムとしては、専門研究員は「AJI大学院連携次世代研究者育成プログラム」と「アジア・日本研究推進プログラム」の2つに属しています。

本大学の「アジア・日本研究」は、アジア、日本、アジア・日本関係などをめぐる学際的な研究をおこなっており、専門研究員の研究分野も、人文・社会科学系、自然科学系の多岐の分野にわたっています。

新任の皆さまには、月例のAJI研究最前線セミナーで、いま取り組んでいる研究の内容と展望について、順次ご発表いただきます。乞うご期待!


3.『AJI Journal』優秀論文賞が授与されました

『AJI Journal』(Journal of the Asia-Japan Research Institute of Ritsumeikan University)Vol.5(2023)の優秀論文賞が授与されました。

毎年、本研究所では、『AJI Journal』に掲載論文に対して、編集委員会で厳格な審査と投票をおこない、優れた論文に対して、金賞・銀賞を授与しています。今回は、金賞1本、銀賞2本が、以下の論文に授与され、記念楯と表彰状が贈られました。

・Gold Award: Yi SUN, Jietao LIAN, Lu JIANG, Xuji SUN, Shuangshuang ZHANG, Mami KANZAKI, Yuko YATO, “Initial Challenges and Protective Factors for the QOL of Mothers with Young Children during COVID-19: Japan and China”
・Silver Award: Kazutaka SOGŌ, “The Bottleneck in the Formation of ‘Imperial Japan’ under the International Cooperation Principle after WWI: Focusing on the Tanaka Giichi Cabinet’s Concept of Establishment of the Takumushō”
・Silver Award: Junhye LEE, “Why do Diasporas Re-Emigrate to their Historical ‘Homelands’?: A Case Study of Koryo Saram’s ‘Return’ from Post-Soviet Uzbekistan to South Korea”

受賞者の皆さま、おめでとうございます。これからも、いっそう、ご研鑽ください。

授賞式の様子と、受賞者の挨拶をご覧ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=611


4.Meridian180多言語フォーラム 開催(1/28)

国際的な多言語フォーラムである「Meridian180」は、2011年から活動を続けています。本大学も、このフォーラムの日本支部として、毎年、グローバルに発進すべき国際的な課題についての研究成果発表と政策提言をおこなうフォーラムを実施してきました。

今回は1月28日に、4か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で、「超高齢社会の新しい地域ガバナンスの構築」をテーマに、モデレーターの吉田友彦教授(政策科学部)、ディスカッサントの森裕之教授(政策科学部)授と、国内外の4人の発表者が、非常にホットな報告と討論を展開しました。

ポスターはこちらをご覧ください:
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=583

今後も研究会を重ねて、国際的な提言を含む学術的な英語書籍を刊行する予定となっています。


5.AJIグローバルシンポジウム2024 開催(2/18)

立命館アジア・日本研究機構とアジア・日本研究所が共催で開催するアジア・日本研究に関する年次シンポジウムを、昨年からRARA(立命館先進研究アカデミー)との共催で実施しています。今回から、「AJIグローバル・シンポジウム」という名称で、基調講演とパネル・ディスカッションという形で実施することになりました。

次のようなプログラムで実施されました。

全体タイトル:立命館発これからの価値創造と私たちの羅針盤:アジア・日本研究からの発信
基調講演:薮中三十二先生(本法人理事、元国際関係学部客員教授)
「東アジアの安全保障の危機と日本の針路:理想と外交力の架橋」
パネル・ディスカッション:15:00-16:30(各発表20分、総合討論30分)
〈全体テーマ〉「アジア・日本の未来と次世代の生きる力」
司会:小杉泰教授(アジア・日本研究所長)
パネリスト(立命館先進研究アカデミーより):
・田中覚教授(情報理工学部・RARAフェロー):
「デジタル化・AI時代の生き方・考え方:ビジュアル・シンキングの未来」
・廣野美和教授(グローバル教養学部・RARAアソシエイトフェロー):
「中国の経済力と政治力がゆるがす世界の秩序:アジア太平洋から発想力を鍛える」
・小川さやか教授(先端総合学術研究科・RARAフェロー):
「ネット新時代の起爆力と現場のパワー:アフリカ研究と文化人類学からの提言」

AJIスタジオからオンラインでお届けした本シンポジウムは、社会連携課の学びのプラットフォームMIRAIを通じて放映され、非常に多くの視聴者に参加いただきました。留学生や海外の方のための英語同時通訳も付け、皆さまに熱心に聞いていただき、高い意義が感じられるシンポジウムとなりました。


6.「アジア・マップ」第2年目がスタートしました

アジア・日本研究所のホームページで昨年からスタートした《アジア・日本研究Webマガジン》『アジア・マップ』は、地図上でその国をクリックすると、その国についての学術的かつ現地での知識を踏まえた親しみやすい記述がたくさん掲載されているということで、大変好評をいただいています。

4月1日からは、Vol.2がスタートしました。昨年は、それぞれの国の全体像をお伝えすることに力を入れましたが、今年は、文化・社会の面からも広く情報提供していきたいと思います。
是非、ご愛読ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/asia_map_vol02/


7.立命館-ANU公開講演会開催(1/11)

オーストラリア国立大学(ANU)と本大学は、大学間MOUを昨年結びました。それに基づく研究交流の一環として、アジア・日本研究所では「立命館-ANU公開講演会(Ritsumeikan-ANU Public Lecture)を、年に数回開催しています。

1月11日には、別々に来学されたお二人の先生のご都合で、同日に2回の立命館-ANU公開講演会が開催されました。

ベン・ヒルマン教授:”From Targeted Poverty Alleviation to Rural Revitalization:The CCP’s Return to the Countryside”

ファン・キョンムン教授:「韓国歴史映画が描く近代女性の時代像」

どちらも多くの方に聴講いただき、非常に有意義な講演会となりました。開催にご協力いただいた皆さまに、深謝申し上げます。
ヒルマン先生の講演の報告は、こちら:
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=586


8. 出版記念シンポジウム「東アジアの原子力安全とガバナンスの構築」(1/26)

1月26日に、英語学術書Nuclear Power Safety and Governance in East Asia(東アジアの原子力安全とガバナンス構築)が出版されたことを記念して、シンポジウムが開催されました(アジア・日本研究所と東アジア環境政策研究会の共催)。

脱炭素社会が追求される中で、エネルギー源としての原子力にも注目が集まっていますが、それには安全を確保するという至上命題もあります。この主題をめぐって、学術と政策の観点から、特に原子力発電所が増加中の東アジアの状況をこのシンポジウムで論じました。非常に員フォーマティブな報告と白熱した討論で、実りあるシンポジウムとなりました。

編著者のお一人である周瑋生教授(政策科学部、アジア・日本研究推進プログラムプロジェクトリーダー)には、シンポジウムの開催にあたって大変なご尽力をいただきました。

報告は、こちらをご覧ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=595


9.国際コロキアムが開催されました(2/26-27)

2023年2月26~27日に、国際コロキアム“Asian Paths of Civilization and Development: Promoting Post-COVID International Collaboration”が開催されました。

韓国、マレーシア、インドネシア、パキスタンなどのアジア諸国の研究者と連携して、学際的なトピックを報告・討議する国際コロキアムも、今回で第5回目を迎えました。

第1日目は、“Cross-Cultural Communication and Cohabitation among Multilinguistic Societies in Asia and the Pacific”をテーマに、5人の研究報告がおこなわれ、非常に熱心な討議が交わされました。
報告をご覧ください
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=608

第2日目は、テーマを”Islamic Welfare Activities in the Era of Digital Transformation: Exploring the Latest Innovations on Zakat and Waqf in Asia” として開催されました。その報告は、近日HPに掲載予定です。


10.AJI研究最前線セミナー(11~3月)

月例の若手研究者による「AJI研究最前線セミナー(フロンティア・セミナー)」が開催されました。2023年11月~2024年2月分の報告をご覧ください。多様な分野から、とても興味深い研究発表が続いています。

第61回(2023年11月14日)Dr. GADJEVA Nadejda Petrova(立命館大学人文科学研究所・客員研究員)
"Japanese Digital Cultural Promotion: Online Experience of Kyoto"
レポート: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=559

第62回(2023年12月12日)Dr.根岸貴哉(衣笠総合研究機構 客員研究員、先端総合学術研究科 研究指導助手)
「東アジアにおける日本野球の位置付け」
レポート: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=569

第63回(2024年1月9日)Dr. Dinia Rizqi Dwijayanti(ブラウィジャヤ大学)
“Harnessing Indonesia's Herbal Wisdom for Diabetes Therapy”
レポート: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=585

第64回(2024年2月13日)千暻娥氏(チョン キョンア)(立命館アジア・日本研究機構 補助研究員)
「韓国における生ごみ資源化の現状と課題」
レポート: https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/news/article.html/?id=596


11. これからのシンポジウム等、イベントの予定

4月16日(火)13:30~14:30
AJI研究最前線セミナー:Dr. Ho Thanh Tam(立命館アジア・日本研究機構 専門研究員)
“Prospects for Sustainable Agriculture: Perspectives of Rice Farmers and Consumption Trends in Japan”

ブックローンチ等が企画中です。日程が決まり次第ホームページでお知らせします。

◆ 発行元:立命館大学アジア・日本研究所
e-mail: aji-res@st.ritsumei.ac.jp