事務局から

ノースウェスタン大学Annelise Riles副学長ご一行ご来学(前編) 〜E-book出版記念シンポジウム “City, Public Value, and Capitalism” 開催〜

 先日ご報告しましたように、ノースウェスタン大学(NU)との相互協力の下運営しているプログラムにおける成果としてe-bookを刊行し、7月23日にはその出版を記念して国際シンポジウムを開催しました。

まずは茶道体験でおもてなし

 登壇者・NU関係者ご一行を滞在先ホテルからOICへお連れし、まずは茶道研究部の皆さんにお願いして茶道体験を実施してもらいました。部長の産業社会学部3回生・大音君がお茶をたてるだけでなく、お茶菓子をいただく意味や、お茶碗そのものを楽しむ方法、もてなす側の心持ちなどとても丁寧に説明してくれました。きっと時間をかけて説明内容を考え、入念に準備してくれたのだと思います。NUの皆さんは感激されていました。そして、客人をもてなす際の心配りや思いやりについて、私たちも多くのことを学びました!

分林記念館の茶室「楽心軒」での茶道体験
<分林記念館の茶室「楽心軒」での茶道体験>

シンポジウムの模様

 その後は会議、リハーサル等を経ていよいよシンポジウム本番。NUの本拠地があるシカゴとの時差を考慮し、20時という遅めの時間からのスタートです。

リハーサルの模様。小杉研究所長のClosing Remarksをチェックしています
<リハーサルの模様。小杉研究所長のClosing Remarksをチェックしています>

 徳田昭雄副総長と政策科学部・森裕之先生による開会挨拶、NUのAnnelise Riles副学長による基調講演に続き、e-bookの編者である政策科学部・吉田友彦先生、フィンランドのタンペレ大学・Ari-Veikko Anttiroko先生による要旨紹介、本の査読者のうちClovis Bergere氏・Nicolas Douay氏のお二人からコメントをいただき、最後はパネルディスカッションへ。

 今回は会場使用時間の制約があったことからディスカッションにあまり長い時間を割くことができず、少し物足りない感じはしましたが、NUの研究者とe-bookを発展させたテーマで今後さらに連携を深める可能性が見えてきましたので、大変に実りの多いイベントだったと感じています。

Postコロナ、withコロナ

 コロナの第7波が押し寄せる中、いくつかのアクシデントに見舞われながらも久々に海外から研究者をお招きしてイベントを開催することでき、大変嬉しく思いました。

 コロナ禍を機にWeb会議サービスが一気に普及し、世界中の人々とのコミュニケーションが以前と比べはるかに容易に取れるようになりました。学内ではテレビ会議が復活してきているようですが、アジア・日本研究所では今後も各種会議をオンライン方式で開催し続けることにしています。オンライン会議に慣れてしまった今となっては、以前のようにテレビ会議室を4キャンパス分予約し、キャンパス別の出席者数を把握した上で資料を必要部数印刷する、などといった従来方式には(私は)到底戻ることができません。

シンポジウム前のひとこま。登壇者、NU事務局、AJIの若手研究者の皆さんと
<シンポジウム前のひとこま。登壇者、NU事務局、AJIの若手研究者の皆さんと>

 このように私はコロナ由来のテクノロジーの恩恵を受けてはいますが、やはり研究者が海外のフィールドへ出かけて行ったり、海外の方に直接会ったりすることができないという状況は確実に研究活動の停滞を招き、忍耐の2年半を過ごされた方が多いのではないかと感じています。

 Post/withコロナ時代の新たな生活様式に移行できるよう、マインドセットの切り替えが必要と言われて久しいとはいえ、2年半ぶりに海外から研究者をお招きしてみて、やはり(場面によっては)対面コミュニケーションに勝るものはない、という思いを新たにしたシンポジウムでした。

(後編へ続く)

事務局:NaKa