

学部長・研究科長挨拶
立命館大学では2026年4月から京都の衣笠キャンパスにデザイン・アート学部、研究科がスタートします。
現在、急速なAIの進化による社会の急激な変化が、まさに人類の知的革命を引き起こしています。それは、人類が曖昧さを回避して、世界をデジタルの中に閉じ込めたことによって達成した大きな成果でありましたが、これによって失われてしまった0か1かの間(あわい)にある繊細な感性がクローズアップされて来ています。
人工の知性であるAIの劇的な成長は、同時に大学で何を学ぶべきかの問い直しを求められています。従来の知識詰め込み型や問題解決型の学びではなく、美的感性を研ぎ澄まし、根幹の意味の問い直しから始めるデザインの力を身に着ける必要があるのです。
デジタルとフィジカルの垣根が取り払われ、バーチャル空間までもが形成されている現代においては、地理的空間・距離が圧縮されただけでなく、歴史的時間までも圧縮することが可能となってきました。また、クリエイターも専門的な教育を受けたものだけが独占していたり、大企業が高価な機材がなければできなかった時代から、すぐれた感性を持っていれば、個人でもクリエイターとして自立できる時代がやってきました。
こうした変化こそが、総合大学である立命館大学が、いままさにこのタイミングでデザイン・アート学部・研究科を始める理由です。そこでは、私たちが「クリエイティブ・トランスフォーメーション(CX)」と呼ぶ、美的感性に根差す共創を通じたダイナミックな自己変容の学びが追求されます。
この学部・研究科では、従来のように教室で座学として学ぶスタイルではなく、まち全体をラーニングプレイスとして、トライ&エラーを繰り返しながら、体験を通じて学んでいきます。また、文理のボーダーを取り払い、意味・情報・社会・環境の領野やデジタル技術をフィルターとして、意味の根幹を探求し、これまでにないデザイン・アート学の確立を目指しています。
時代の先端を見据えて、率先してこの学部・研究科を選ぼうとしているみなさんと、一緒に学び、研究することを心待ちにしています。

赤間 亮
立命館大学デザイン・アート学部 学部長
立命館大学大学院デザイン・アート学研究科 研究科長
デザイン・アート学部の
カリキュラム
デザイン・アート学部での学びは、プロジェクトの実践を抜きにしては成り立ちません。みなさんの問題意識を掘り下げて、独自の課題を設定し、プロジェクトのかたちで探究してみましょう。学内リソースを用いるだけでなく、外部企業や自治体とコラボレーションする機会も豊富に用意しています。産学連携のプロジェクトや地域内での取り組みを通じて、個々の学生が社会実践のプロセスに参加していくことが期待されます。
- 1回生の学び デザイン・アートに特有な見方・学び方の基礎を固める
- 2回生の学び 「生成への参加」と「概念化」によって、自己の課題を明確化する
- 3回生の学び 「生成への参加」と「概念化」の反復によって、自己の課題をより深く探究する
- 4回生の学び 「生成への参加」と「概念化」の反復による、社会価値創出プロセスをまとめる
デザイン・アート学研究科の
カリキュラム
デザイン・アート学研究科は、アートの技術と感性を基盤に自然科学と人文・社会科学を横断した研究領域を開拓し、新たなデザイン学を追究することを目的として構想しています。
2年制・1年制ともにオンラインを活用した「メディア授業(ライブ配信型授業・オンデマンド型授業)」の科目を主としています。一部、「対面授業」の科目もあります。
- 修士課程(2年制) 様々な領域の学部からの進学者を対象とした、一般的な修業年限の2年制コース
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修士課程(1年制)
新たな構想立案のためのスキルやマインドセットの修得に特化した「新領域デザインストラテジー専修」、デジタル領域に関わる知識・スキルやイベント・ワークショップなどのマネジメントスキルの修得に特化した「新領域アートディレクション専修」の2専修を設置。
※1年制の学生の専修は、自身の研究指導担当教員が所属する専修に準じます。
※1年制に限り、オンラインを活用した「メディア授業」のみの履修で修了することも可。
教員紹介
※研究科修士課程進学にご関心のある方へ 希望する研究指導担当教員については、1年制の場合はピンク・青、2年制の場合はピンク・青・黄色の教員からご検討ください。大学院研究指導担当教授・准教授
1年制(新領域デザインストラテジー専修)、2年制ともに担当
1年制(新領域アートディレクション専修)、2年制ともに担当
2年制のみ
大学院科目担当のみ
教授
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赤間 亮 Ryo Akama
専門分野:文化資源、デジタルアーカイブ
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井登 友一 Yuichi Inobori
専門分野:デザインとイノベーション
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植田 彩芳子 Sayoko Ueda
専門分野:アートマネジメント、美術史
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岡田 万里子 Mariko Okada
専門分野:身体表現・音楽・芸能文化
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大島 陽 Yo Oshima
専門分野:デジタルデザイン表現
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上平 崇仁 Takahito Kamihira
専門分野:デザイン文化の創造
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桐村 喬 Takashi Kirimura
専門分野:地理情報科学・歴史GIS・3D GIS
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中村 大 Oki Nakamura
専門分野:デザイン・アートと歴史
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中山 雅人 Masato Nakayama
専門分野:フィジカル/サイバー空間デザイン、音情報処理
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前﨑 信也 Shinya Maezaki
専門分野:京都・地域の芸術・文化
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松葉 涼子 Ryoko Matsuba
専門分野:美術・工芸・造形文化
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迎山 和司 Kazushi Mukaiyama
専門分野:デジタルアート
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八重樫 文 Kazaru Yaegashi
専門分野:デザイン理論
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山下 範久 Norihisa Yamashita
専門分野:社会理論・歴史社会学、デザイン・アートと国際社会