教員紹介

  • 日本文化

日本史研究学域

縄文人はいかにして弥生人になったか
キーワード :
農耕、人口、縄文

矢野 健一教授

所属専攻:
考古学・文化遺産専攻
専門分野:
考古学
朝鮮半島から稲作が伝わったときに縄文時代から弥生時代に変化すると一般的には考えられています。しかし、縄文時代には1万3千年間の歴史があり、実は日本列島内部において稲作を必要とするような社会にゆっくりと自ら変化していくのです。縄文人が弥生人へと自らを「変化」させていく長大なドラマを、土器や石器、住居や墓、食料や環境・災害、人口変化など様々な角度から研究しています。長い時間をかけて変化していく歴史を見ていくと、環境変化や災害が変化のきっかけになっていて、歴史の根本には自然と人間との関わりがあることを実感できるのも面白いと思います。水中考古学や美術家との地中再現展示プロジェクトも行っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

考古学は遺跡や遺物を研究します。本を読むことも必要ですが、遺跡を見学したり博物館で土器や石器などの実物を見学すると、その都度新たな発見があります。自然にも親しんでほしいと思います。百聞は一見に如かず。積極的に野外に出てください。知りたくなることがたくさん見つかるはずです。

COLUMN

「今」と地続きの縄文時代。 土の下に眠る“宝者”から謎を読み解く。

考古学・文化遺産専攻

矢野 健一

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国際文化学域

見えないつながりを考える比較文学・比較文化
キーワード :
南洋、山人、海民

須藤 直人教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
比較文学
南太平洋の島々と海の世界を、日本とつなげて考察する比較文学・比較文化研究をしています。比較文学者イ・オリョンの著書『縮み志向の日本人』によると、多くの日本論が「日本にあって西洋世界にないもの=日本独特のもの」と考えています。同じく比較文学者のエドワード・サイードは『オリエンタリズム』で、西洋世界は東洋を「自分で自分を語ることができないよそ者」とみて代弁してきたと述べています。「私たち」「よそ者」のイメージを作る競合は、西洋諸国が世界中を植民地化したことで世界共通のものになり、意外なところでつながっています。その見えない「つながり」を見つけ、意味を考えるのが面白いところです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

コンピューターで自分の傾向、能力、性格を見極め、目標設定するのはよいことでしょう。ただし目標を実現できたとしても、例えば40歳で人生再設計、50歳で再び方向転換、60歳でまた、というようなことが必要な世の中になるかもしれません。その覚悟をし、好きな学問を存分に学び、柔軟多様で変幻自在な生き方・考え方を研究しましょう。

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地域研究学域

鍬・鋤などの農具を起点に人々の生業と生活を捉える
キーワード :
職人、鍛冶屋、アイルランド

河島 一仁教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
歴史地理学、アイルランド研究
日本の代表的な農具である鍬を製造したのは、村の鍛冶屋です。学部2回生の秋、和歌山県から京都府南丹市に出稼ぎに来た村の鍛冶屋に偶然に出会いました。「なぜ和歌山の鍛冶屋が京都に?」が最初の関心でした。それ以降この課題に取り組み、18世紀から現在までの東海・近畿をフィールドとして研究してきました。農具を起点にして、それを作った鍛冶屋、使った農民という人間に着目し、生業や生活のレベルからの研究を面白いと思っています。アイルランドとウェールズもフィールドとして、鋤や野外博物館に関して研究しています。テーマは異なりますが、立命館をはじめとする大学を考察の対象にしています。大学の歴史地理は新しい試みです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

高校までの勉強は教科書を用いた学習です。どれだけ理解したかを試験で確認し、成績がつけられます。大学でも教科書を使いますが、学習ではなく、皆さんは自分で研究をします。学習が自分の内側への知識の吸収であるのに対して、研究は自分の外で知識を表現することです。その最終的な成果が卒業論文です。立命館で、自分を成長させてください。

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地域研究学域

見えているようで見えないものを探る
キーワード :
フィールドワーク、京都学、環境史

河角 直美教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
歴史地理学
私はよくぼんやり空を見あげて、空の色、雲のかたち、そこにある理由を妄想しては、二度と同じものはないことに、時間と空間の不思議を感じます。それは目の前の風景すべてにもいえることでしょう。以前、琵琶湖岸の集落で調査をしたとき、玄関が水路の前にある家を見つけました。不思議に思い話を聞くと、「むかし交通手段として水路をよくつかっていたから」とのこと。古い地図を見ると、たしかにそこには水路が縦横にめぐっていて、毎日の営みも琵琶湖の役割も今と違ったことを教えてくれました。本や史料に残りにくうえ二度と戻らない、でも確かに存在した風景に、自分で歩き話を聞くことでたどりつける。それが私の研究の面白さです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

高校までは、おもに教科書の内容を忠実に学んできたと思います。これからは、それを少し疑ってみる、もしくは深読みしてみてはどうでしょう。疑う、真実を問う、あるいは掘り下げる。そのために自分で調べる、歩く、見る、納得できるようにまとめる。それが大学での1つの学びといえるでしょうか。その過程で世界も広がっていくと思います。

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地域研究学域

民俗文化の形成と変容、地域史から「日本史」を読み直す
キーワード :
神仏信仰史、宗教芸能、伝統文化、マイノリティ、学知史、神話史

星 優也特任助教

専門分野:
歴史学(文化史、中世史、現代史)、民俗学(宗教文化、伝統文化、マイノリティ)
「日本」をめぐる歴史の語り方や地域文化の多様性に向き合うとき、通時的な歴史の縦軸と共時的な社会・民俗の横軸を交差させて考える必要があります。「神道」とは何か、「伝統」とは何か、「日本」とは何か。これまで中世に形成された宗教文化が近世や近代へと展開し、どのように変わっていったのか。また、それら中世文化をめぐる歴史学を始めとする諸学史と現代社会の関係を考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

立命館大学がある京都は、日本史の舞台であるとともに「伝統文化」が成立した場でもあります。また、それに留まらない多様で幅広い視点から「京都」を読み直す/読み替える上でも相応しい学びの場です。いくつもの「京都」をラディカルに迫りませんか?

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