教員紹介

  • 日本文化

人間研究学域

現象学から私・他者・自然を捉え直す
キーワード :
私、あなた、自然

谷 徹教授

所属専攻:
哲学・倫理学専攻
専門分野:
現象学、現代哲学
「現象学」という哲学を中心にして、現代において「私」が「他者」および「自然」とどう関わるか、を研究しています。とりわけ「唯一」のものが単なる「数」になる、それゆえ多数のなかの一として扱われるという点を軸にしています。しかし、まさにその「唯一」ということそれ自体が真に哲学するに値することだと思います。あなたもあなた自身を唯一だと見ているならば、そこにも問題が現れているはずですが。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

知ってるつもりでも、私たちの世界は、そして私たち自身も、いまだに謎だらけです。問い直し、こたえを求め直しましょう。

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人間研究学域

「生きていることの不思議」を深める人間学研究
キーワード :
人生、物語、ユーモア、かなしみ

鳶野 克己教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
教育人間学、笑い学
生まれ、育ち、老い、死にゆく人間の生涯の歩みを、総合的に捉え直す「教育人間学」を研究しています。
「自分はどんな人間か」を説明する際、人は自分の人生の物語を語ります。「物語」は、納得できる筋立てで人生を意味づける力を持ちますが、特定の筋立てに私たちの生き方を縛りつけもします。人間は「物語る」生き物ですが、生きることは決して物語り尽くせません。「物語」が人生を硬直させるとき、それを緩めるのが「笑い」です。また「かなしみ」は、生きることのままならなさと物語りきれなさを感じ続ける力の源泉となる感情です。「物語」を軸に、人間として生きることの不思議さについて考えを深めていく。それが私の研究です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「生きることの意味」への問いは、客観的で正確な知識や情報、最終的な確答を求める問いではありません。私たちは、「生きることの意味」への問いを抱え込むことで、そうした答えのない問いを問わずにいられない人間という生き物の不思議さへと改めて目覚めるのです。さあ、この目覚めを分かち深め合う研究の旅に一緒に出かけましょう。

COLUMN

慣れ親しんだ「人生の物語」を再考し、人はなぜ生きるのかに丁寧に向きあう

教育人間学専攻

鳶野 克己

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日本文学研究学域

視覚資料による日本文化研究

赤間 亮教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本文化、文化情報学
日本人は、視覚型表現に非常に優れているようです。歴史的にみても絵巻や絵本、浮世絵は、世界的にも注目されるジャンルですし、写真、マンガやアニメ、ビデオゲームと時代は推移しても世界を牽引してきました。これらの対象をデジタル技術を応用して、大量に集積した情報から比較分析する手法を使ってパズルのように結論を導き出します。海外の美術館や博物館、あるいは個人コレクターによって所蔵されている研究資源も数多くあるため、海外調査が多い点も魅力的です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

研究する対象を文化資源と呼び、それぞれの資源の中に眠っている、あるいは隠れている魅力を見付け出していきます。日本の文化資源をすればするほど、海外の人々とのコミュニケーションが生れていく、不思議な研究室です。

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日本文学研究学域

『源氏物語』と◯◯◯◯
キーワード :
平安時代、貴族、京都

川崎 佐知子教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本古典文学
たとえばNHKの大河ドラマの主人公になるような戦国武将でも、『源氏物語』を知っていました。立場や財力により程度の差はあったでしょうが、伝手を頼って稀少な本を求め大切に書写して豪華に飾り立てたり、京都で評判の知識人を自邸へ招き講釈を繰り返し受けたり…とみな結構貪欲でした。和歌や連歌の席でのしゃれた一言にも、周囲から畏れられる存在でありつづけるためにも、『源氏物語』はマストアイテムでした。
いずれも、現在に伝存する『源氏物語』の写本や派生作品、当時の日記・記録類から確認できる事実です。京都という場にも注意しなければなりません。芸能・絵画・音楽・儀礼など多岐にわたる分野に関心を持たねばなりません。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

なにかに熱中し、時間を気にせず取り組める、大学でのまなびの時間を大切にしてください。学べば学んだだけ、確実に自分のものになります。あなたが身につけた知識は、あなたの個性となるでしょう。財産ともなるでしょう。誰にも真似できません。誰も盗むことなどできません。立命館大学で、あなたが、大きく飛躍なさることを、期待しています。

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日本文学研究学域

日本近現代文学(作品)の多義性•重層性
キーワード :
自由と想像力、作品・作者・読者の有機的関係

瀧本 和成教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本近現代文芸(文学•芸術)
日本近現代文学、とくに20世紀初頭の文学を専門に研究を行っています。森鷗外、夏目漱石、与謝野鉄幹•晶子、石川啄木、北原白秋、木下杢太郎、芥川龍之介等を中心に研究をしています。文芸作品の鑑賞を第一義に、作品と作者、あるいは読者との関係を探りながら、主題や意図を明らかにすることを目標としています。また、言語(表現)の多義性や重層性についても関心があり、そのような視点からの分析・考察も行っています。それらの追究と共に文学(研究)の魅力や意義、役割について考えることも重要だと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

日本近現代文学(演劇・映像・アニメetc...)に興味・関心がある方、ぜひ私の研究室にお入りください。文芸作品の鑑賞と批評を行いながら、文芸の魅力や意味(意義・価値)についても語り合いましょう。

COLUMN

文学研究は「宝探し」
日本人が失ったものが残っている

日本文学専攻

瀧本 和成

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日本文学研究学域

『明星』派文学の研究
キーワード :
石川啄木、与謝野晶子、近現代短歌

田口 道昭教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本近現代文学、近現代詩歌
私の研究は明治40年代の石川啄木の評論や詩歌の文学史的・思想史的な位置づけを、与謝野晶子をはじめとする歌人・文学者の作品 とともに明らかにすることを目標としています。啄木は、「東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる」など、孤独や望郷をうたった歌人として、近代以降、多くの人に読み継がれてきました。文学雑誌「明星」の浪漫主義から出発し、やがて自然主義に対する内的な批判者となった啄木の、詩歌と散文(評論・小説)というジャンルの垣根を越えた多彩な文学表現は、明治の文学史を理解する上でも重要です。併せて、与謝野晶子をはじめとする近代短歌の表現の面白さについても研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

文学の研究では、言葉によって構築された文学作品の世界を鑑賞するとともに、そこに時代や社会がどのように描かれているかを考えます。その意味で、文学研究が対象とするのは、この世界全般といっていいかもしれません。さまざまな作品を読みながら、私たちの世界がどのような物語として紡がれているか、いっしょに考えてみませんか。

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日本文学研究学域

文学・文化の〈意志と力〉を再考する
キーワード :
政治と文学、国民文化、近代性

内藤 由直教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本近代文学・文化
かつて近代日本の文化や文学は、国家や社会の形を変革しようとする意志と力を備え、人々の行動に影響を与えていました。作者も受容者も、文化・文学によって自分たちが生きている世界を作り変えられると信じていたのです。一方で文化や文学は、人々を戦争や暴力に向かわせたという負の側面も持ち合わせています。
では、文化や文学のどこにそうした力が潜んでいるのか、私たちはなぜ文化・文学によって心や身体を突き動かされるのでしょうか。〝近代〟という私たちが生きている時代に蓄積されてきた作品や批評を読み解きながら、その難問に挑戦することが、近代の文化・文学研究の面白さであり最大の魅力であると考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

今、学び、覚えている〝言葉〟の数々は、これから世界の仕組みや自己の存在を深く理解していく際の一助となるはずです。現在、自分が認識している以上に、世界は広く複雑で、アイデンティティは曖昧で不可解です。他者の言葉、その多様性を内に取り込むことで、これまで経験してきたものとは異なる未知の光景が眼前に開けてくるでしょう。

COLUMN

時には世の中さえも動かしてしまう——。 そんな文学と文化の不思議な力を探る。

日本文学専攻

内藤 由直

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日本文学研究学域

「京都」イメージの歴史的変遷と日本漢文学
キーワード :
禅林文学、漢画系画題、京都学

中本 大教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本中世文学、和漢比較文学
上代以来、明治維新に至るまで、日本は中国に学ぶことで自国の文化を確立してきました。常に中国を見つめながら独自性や美意識を育んできたのです。中国文化受容の窓口は各時代の最先端研究拠点でもありました。なかでも、すべての機能が首都・京都に集中した室町時代、外国文化受容の拠点は五山と呼ばれた禅宗寺院でした。足利幕府と固く結びついた五山は、中国に学ぶことで自身の美意識を培ってきました。私は現在、五山文学や室町水墨を検討しながら、当時の日本や京都の特質を明らかにすることと同時に、当時の「京都のすがた」を通して五山文学の本質を明らかにするという二つの視点で研究を進めています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

文学部、とくに文学研究のテーマや方法は、誰かから強制されることは決してありません。自らが悩み、自ら選択することが研究の第一歩です。自分自身と向き合わなければならない文学研究の醍醐味を一緒に味わいましょう。

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