教員紹介

  • フィールドワーク

地域研究学域

人間の居住環境の向上に貢献する自然地理学的研究
キーワード :
資源、災害、環境

松永 光平准教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
自然地理学、環境学
人間をとりまくさまざまなものは、環境とよばれます。人間は快適・安全に居住するために歴史的に多様な手段で環境の把握を試みてきました。1820年に大学での教学がはじまった地理学は、地球全体を視野に入れつつ環境の地域的特徴を明らかにしてきました。地理学は、環境のうち、自然環境の仕組みを解明する自然地理学と、社会環境の理解に重点を置く人文地理学とに分かれています。私は自然地理学の立場から、衣笠キャンパス周辺を事例として災害危険度の把握や、被災時に使える水・食料・木材などの資源の賦存状況の解明に努めています。「流通がストップして水・食料が入手できなくなったら?」などさまざまな状況を想定します。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自然地理学は資源確保・防災・環境保全を通じて人間の居住環境の向上に貢献すると思いますし、そこにやりがいがあります。ただ、「向上」といっても「技術開発でもっと便利に。」「人間の居住地を地球にとどめず宇宙に進出せよ。」という上昇・拡大志向には反対です。たとえば電気を使わないような、昔風の暮らし方にも学ぶべきと思います。

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地域研究学域

観光とポピュラーカルチャーに関する社会学的研究
キーワード :
ポピュラーカルチャー、メディア、モビリティ(移動)

遠藤 英樹教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
観光社会学、現代文化論
「観光は地域に何をもたらすのか」「観光はメディア文化やポピュラーカルチャーとどのように結びついているのか」「グローバルな現代社会の中で、観光はどのような役割を果たしているのか」「観光は文化をいかに変容させるのか」「観光地で私たちは一体、何を見て, どのような経験を手に入れるのか」「観光における『遊び』の要素は、現代社会に何をもたらすのか」――観光現象に関する様々な問いを、社会学的な視点から追求しています。このように理論やフィールドワークをふまえた人文・社会科学的な観光研究を展開していくことで、現代社会のあり方をラディカルに(根底から)問い直そうと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

この世界は不思議(wonder)に満ちていて、だからこそ素晴らしい(wonderful)のだと思います。たくさんの好奇心をもって、この世界に目をこらしてください。そうすれば見慣れた風景でさえ色鮮やかに輝きだすかもしれません。誰かが準備した問いでなく、皆さんの好奇心から溢れる問いを大切にしてください。

COLUMN

メディアで変わる「観光」の最前線を追う


地域観光学専攻

遠藤 英樹

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地域研究学域

生きることをめぐるツーリズム・モビリティーズに関する文化人類学的研究
キーワード :
国際退職移住(international retirement migration)、 ライフスタイル移住(lifestyle migration)、ロングステイツーリズム、ケアの越境化

小野 真由美教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
文化人類学、観光人類学、東南アジア地域研究
長期滞在型観光(ロングステイツーリズム)と国際退職移住、ライフスタイル移住に関する文化人類学的研究を行っています。特に、マレーシアとタイを中心に、東南アジアにおける日本人(若者や高齢者)の長期滞在・移住のあり様について長期フィールドワークを行ってきました。最近、フィリピンでの調査も開始しました。また、医療ツーリズムや高齢者向けの介護リゾートの生成にみられるケアの越境化について、その実態の把握とトランスナショナルな連関を明らかにすることに取り組んでいます。国際退職移住に関する研究は、ウェルネスやウェルビーイング、さらに、高齢者のもつ「迷惑をかけたくない」意識と自立・自律にどのように関わるのかについて探求しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

旅をするといつもと違った風景や地域の人々のふるまいに触れ、新鮮さや驚きを感じます。観光人類学という領域は、旅の魅力や観光と社会文化の関わりについてフィールドワークを通して深く探究します。旅が好きな人、異文化に関心のある人、外国で生活してみたい人、異文化を理解するものの見方や他者とのかかわり方について観光研究のフィールドワークで実践的に学んでみませんか。

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地域研究学域

近代の植民地朝鮮・台湾とカナダをめぐる移住漁民
キーワード :
漁業、カナダ、移民

河原 典史教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
歴史地理学、近代日本人移民史研究
近代における漁村の変貌、漁民の移動や転業に関する歴史地理学的研究に取り組んでいます。西南日本から朝鮮半島や台湾に渡り、魚類缶詰やカツオ節などの製造業の展開を研究しています。カナダで活躍した日本人漁民の研究も行なっています。19世紀末に渡加した彼らは、当初はサケ漁に携わっていましたが、やがて捕鯨業、塩ニシン製造業や造船業にも携わりました。映画『バンクーバーの朝日』では、資料提供や監修のお手伝いをしました。また、近代における海水浴場の成立、魚食文化と地域振興など、海をめぐるツーリズムにも興味関心があります。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

ゼミでは「水木しげるロード」「天空の城ラピュタ」の聖地巡礼、イチゴ・ナシ狩りなどの観光農園の成立、もみじ饅頭や梅ヶ枝餅などのお土産がテーマに選ばれています。みなさんも、先輩に負けないようフィールドワークに取り組んでください。

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地域研究学域

そこはなぜその地名で呼ばれているのか
キーワード :
地名、地域社会、固有名、ことば

北西 諒介特任助教

専門分野:
人文地理学、地名学
地名は地域で共有され、受け継がれてきた社会的・文化的・歴史的な産物で、そのひとつひとつはその地域ならではの固有の存在として位置づけられます。そのような地名がどのようにして名付けられたのかという「ことば」としての起源を辿る探求は、長らく地名研究の主流を成すものとして取り組まれてきました。しかし同時に、「ことば」は受け継がれていくなかでその使われ方が変わっていくということも重要です。私の研究では、誰がどのようにして地名を使ってきたのか(あるいは使わなくなったのか)、その時々の地域社会の意思や背景を踏まえた分析を通して、地域と不可分の関係にある地名の機能や性質を解明しようとしています。

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受験生へのメッセージ

地理学の研究対象は多岐にわたりますが、その土台はあらゆるものを空間において捉えようとする視点にあると考えています。その意味で、空間の中で生きる私たちと密接に関わる学問分野です。高校までの地理に馴染みがない人や苦手意識がある人も、ぜひ一度触れてみてください。大学で地理を学ぶことで新たな発見があるかもしれません。

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国際コミュニケーション学域

マイノリティの側から多文化社会を読み解く
キーワード :
多文化主義、マイノリティ、アイデンティティ、市民意識

栗田 梨津子准教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
文化人類学、オーストラリア研究
私は、多文化主義を掲げるオーストラリアの都市社会で生活する先住民のアイデンティティについて、フィールドワークを通じて研究してきました。特に、先住民が日常生活のなかで主流社会と関わり合いながら、多層的なアイデンティティをどのように使い分けているのかに注目し、多文化主義の下で期待される先住民像にいかに対応してきたのかを明らかにしてきました。 近年は、自助努力や自己責任を重視する新自由主義的な社会状況のもとで、先住民と移民・難民、白人貧困層の間に、どのような新たな連帯や市民意識が形成されつつあるのかにも関心を広げています。分断や個人主義が強まる現代社会において、多文化共生がどのように可能なのかを探求しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

大学は、さまざまな背景をもつ人と出会い、新しいつながりを築く場です。自分とは異なる文化や価値観に触れる中で、「自分の常識」を少し疑ってみてください。また、これまでとは異なる環境に、あえて身を置いてみましょう。自分の価値観を相対化することで、新たなものの見方や考え方に出会い、世界は一層広がるはずです。

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国際コミュニケーション学域

アジアの側から南アフリカの人種主義を照らす
キーワード :
南アフリカ、人種主義、植民地主義

山本 めゆ准教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
南アフリカ研究、アフリカ-アジア関係
南アフリカの人種主義といえば、アフリカ大陸の南端にありながら20世紀末に至るまで少数の「白人」がアフリカ人を支配し、厳格な隔離体制が維持されていたことで知られています。そんな南アフリカで、アジアから到来した人びとはどのように暮らしてきたのでしょうか。そして彼らの存在は当地の人種的秩序にどのような影響を与えてきたのでしょうか。こうした関心に基づき、人種主義やアフリカ-アジア関係、さらにいわゆる「名誉白人」待遇について社会学的な研究を行ってきました。 グローバル・サウスの文化や社会を探究することは、私たちがこれまで親しんできた世界を新たな角度から捉えなおす営みでもあります。自分のなかの「当たり前」が揺らぐ経験も、この研究の醍醐味です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「叩けば意外と扉は開くものですよ」――大学院時代の恩師にかけられた言葉を今でもときどき思い出します。私たちはときに自分で自分の限界を決め、その思い込みにとらわれて扉を叩くことさえ躊躇してしまいます。どうぞ臆せずたくさんの扉を叩き、未知の世界へ踏み出してください。

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言語コミュニケーション学域

会話分析が浮き彫りにする相互行為能力の豊かさ
キーワード :
身体性、認識可能性、同期現象、専門性

城 綾実准教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
会話分析、社会的相互行為論
私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

勉強も仕事も、自分を追い込んでばかりでは長く続けることは困難です。ぜひ、自分が楽しく取り組める方法を編み出してください。そのために、さまざまな立場の人との語らいや書物、複数の視点から日常生活の観察や分析が必要になります。本学での学びは、研究のための知識や技能だけでなく、生きるための知恵も育む機会になるはずです。

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