教員紹介
- フィールドワーク
人間をとりまくさまざまなものは、環境とよばれます。人間は快適・安全に居住するために歴史的に多様な手段で環境の把握を試みてきました。1820年に大学での教学がはじまった地理学は、地球全体を視野に入れつつ環境の地域的特徴を明らかにしてきました。地理学は、環境のうち、自然環境の仕組みを解明する自然地理学と、社会環境の理解に重点を置く人文地理学とに分かれています。私は自然地理学の立場から、衣笠キャンパス周辺を事例として災害危険度の把握や、被災時に使える水・食料・木材などの資源の賦存状況の解明に努めています。「流通がストップして水・食料が入手できなくなったら?」などさまざまな状況を想定します。
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「観光は地域に何をもたらすのか」「観光はメディア文化やポピュラーカルチャーとどのように結びついているのか」「グローバルな現代社会の中で、観光はどのような役割を果たしているのか」「観光は文化をいかに変容させるのか」「観光地で私たちは一体、何を見て,
どのような経験を手に入れるのか」「観光における『遊び』の要素は、現代社会に何をもたらすのか」――観光現象に関する様々な問いを、社会学的な視点から追求しています。このように理論やフィールドワークをふまえた人文・社会科学的な観光研究を展開していくことで、現代社会のあり方をラディカルに(根底から)問い直そうと思っています。
COLUMN
メディアで変わる「観光」の最前線を追う
地域観光学専攻
遠藤 英樹
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長期滞在型観光(ロングステイツーリズム)と国際退職移住、ライフスタイル移住に関する文化人類学的研究を行っています。特に、マレーシアとタイを中心に、東南アジアにおける日本人(若者や高齢者)の長期滞在・移住のあり様について長期フィールドワークを行ってきました。最近、フィリピンでの調査も開始しました。また、医療ツーリズムや高齢者向けの介護リゾートの生成にみられるケアの越境化について、その実態の把握とトランスナショナルな連関を明らかにすることに取り組んでいます。国際退職移住に関する研究は、ウェルネスやウェルビーイング、さらに、高齢者のもつ「迷惑をかけたくない」意識と自立・自律にどのように関わるのかについて探求しています。
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近代における漁村の変貌、漁民の移動や転業に関する歴史地理学的研究に取り組んでいます。西南日本から朝鮮半島や台湾に渡り、魚類缶詰やカツオ節などの製造業の展開を研究しています。カナダで活躍した日本人漁民の研究も行なっています。19世紀末に渡加した彼らは、当初はサケ漁に携わっていましたが、やがて捕鯨業、塩ニシン製造業や造船業にも携わりました。映画『バンクーバーの朝日』では、資料提供や監修のお手伝いをしました。また、近代における海水浴場の成立、魚食文化と地域振興など、海をめぐるツーリズムにも興味関心があります。
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地名は地域で共有され、受け継がれてきた社会的・文化的・歴史的な産物で、そのひとつひとつはその地域ならではの固有の存在として位置づけられます。そのような地名がどのようにして名付けられたのかという「ことば」としての起源を辿る探求は、長らく地名研究の主流を成すものとして取り組まれてきました。しかし同時に、「ことば」は受け継がれていくなかでその使われ方が変わっていくということも重要です。私の研究では、誰がどのようにして地名を使ってきたのか(あるいは使わなくなったのか)、その時々の地域社会の意思や背景を踏まえた分析を通して、地域と不可分の関係にある地名の機能や性質を解明しようとしています。
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私は、多文化主義を掲げるオーストラリアの都市社会で生活する先住民のアイデンティティについて、フィールドワークを通じて研究してきました。特に、先住民が日常生活のなかで主流社会と関わり合いながら、多層的なアイデンティティをどのように使い分けているのかに注目し、多文化主義の下で期待される先住民像にいかに対応してきたのかを明らかにしてきました。 近年は、自助努力や自己責任を重視する新自由主義的な社会状況のもとで、先住民と移民・難民、白人貧困層の間に、どのような新たな連帯や市民意識が形成されつつあるのかにも関心を広げています。分断や個人主義が強まる現代社会において、多文化共生がどのように可能なのかを探求しています。
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南アフリカの人種主義といえば、アフリカ大陸の南端にありながら20世紀末に至るまで少数の「白人」がアフリカ人を支配し、厳格な隔離体制が維持されていたことで知られています。そんな南アフリカで、アジアから到来した人びとはどのように暮らしてきたのでしょうか。そして彼らの存在は当地の人種的秩序にどのような影響を与えてきたのでしょうか。こうした関心に基づき、人種主義やアフリカ-アジア関係、さらにいわゆる「名誉白人」待遇について社会学的な研究を行ってきました。
グローバル・サウスの文化や社会を探究することは、私たちがこれまで親しんできた世界を新たな角度から捉えなおす営みでもあります。自分のなかの「当たり前」が揺らぐ経験も、この研究の醍醐味です。
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私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。
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