教員紹介

  • 比較文学・翻訳

東アジア研究学域

中国近世の歌謡曲の世界

萩原 正樹教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、日本漢詩
中国の唐から宋の時代にかけて流行した詞という文学について研究しています。詞は言べんに「司」と書き、言べんに寺の詩ではありません。カラオケの画面などによく「作詞:誰々」とありますが、これは言べんに寺の「作詩」とは書きません。つまり詞は歌詞を指しており、唐宋時代の詞も音楽に合わせて歌われていた歌謡でした。歌謡ですから形式も多様で、また内容もラブソングや感傷的なものなどがあって、詩とは違うさまざまな特徴を持っています。漢詩というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、詞はそのようなイメージを180度ひっくり返すような、柔らかくて魅力あふれる文学です。ぜひ皆さんもこの詞の世界を味わってみて下さい。

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受験生へのメッセージ

役に立つか立たないかを尺度として学問の価値を計る人がいますが、それは間違っています。役に立つか立たないかではなく、自分にとって面白いかどうかがなによりも重要なのです。余計な情報に惑わされず、知るのが面白くてどんどん知りたくなるような専門分野を選んで下さい。

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東アジア研究学域

紆余曲折の過程を辿った同時代中国の文学思潮を探る
キーワード :
文化批評、文化大革命、現代性

宇野木 洋教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
中国現代文学、同時代中国の文化思潮研究
同時代中国の文学思潮の研究が専門です。中国は今、ものすごい勢いで発展していますが、1970年代後半までは「文化大革命」(略して文革)と呼ばれる混乱状況にありました。文革期までは、単純化すれば文化的「鎖国」状態に近く、一般の人々は日本や欧米の文学を読むこともできないほどだったのです。その中国が、文革後、一挙に「開国」を果たして急激な変貌を遂げていく、その過程(もちろん一本道ではなく紆余曲折がありました)で生じた様々な文学現象が研究対象です。この間は、欧米文学理論・現代思想の受容動向をテーマにしていたのですが、今後はもう少し遡って、文革に到る時期の文学状況も探ってみたいと考えています。

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受験生へのメッセージ

自己とは異なる「他者」を発見し、意識的に関わる中で「対話」を深めること――これこそが大学における学びの本質でしょう。鍵は「拒否」ではなく「対話」です。私の場合、「他者」は違和感ばかりの中国でした。でも「対話」を通じて等身大の中国を知ったり、中国が鏡となって日本の現実を考えさせられたりもしています。大学の学びは面白い!

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国際文化学域

文学における異文化間接触
キーワード :
異文化間接触、宗教と文学

PRESTON NATHANIEL H.教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
英米文学
By exploring how the experience of immigration has influenced American writers with roots in South Asia and how non-Asian writers express interest in South Asian traditions, I seek to understand how literature can both illuminate conflicts and foster constructive dialogue between cultures.

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受験生へのメッセージ

I teach mostly in English, but a desire to learn is more important than your English level. Let’s explore the world of English-language literature together!

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国際文化学域

ポスト国民文学時代の英語文学と翻訳の役割
キーワード :
クリエイティヴ・ライティング・プログラム、文芸翻訳の諸問題、ベースボール

吉田 恭子教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
現代英語小説、アメリカ文学
アメリカでは、作家の視点から文学作品を研究し、自作の作品を学位論文として執筆するクリエイティヴ・ライティング・プログラム大学院が1930年頃から発展してきました。わたし自身も合衆国で創作教育を受け英語で小説を執筆しています。今日、イギリス文学、アメリカ文学といった国による区切りが意味を失ったポスト国民文学の時代を迎え、世界中に広がる創作科の教育手法もまた米主導の世界化の一貫なのでしょうか?戦後の英語小説に創作教育の反映を読み取る一方で、現代文学の生産体制と翻訳を通じた流通について探るのが目下の研究課題です。また戦前の日米野球交流やベースボールを描いた小説・映画についても調べています。

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受験生へのメッセージ

私たちはひとつの人生しか与えられていませんが、同時に他者への好奇心や共感、意見の異なる人々との対話や折り合いなしには、社会で生きていくことはできません。英米文学専攻では、単なる意思伝達の道具としての英語力を超えた高度な英語リテラシー能力養成を目指します。それは日本語の世界でも文学以外の世界でも、大きな力になるはずです。

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国際文化学域

見えないつながりを考える比較文学・比較文化
キーワード :
南洋、山人、海民

須藤 直人教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
比較文学
南太平洋の島々と海の世界を、日本とつなげて考察する比較文学・比較文化研究をしています。比較文学者イ・オリョンの著書『縮み志向の日本人』によると、多くの日本論が「日本にあって西洋世界にないもの=日本独特のもの」と考えています。同じく比較文学者のエドワード・サイードは『オリエンタリズム』で、西洋世界は東洋を「自分で自分を語ることができないよそ者」とみて代弁してきたと述べています。「私たち」「よそ者」のイメージを作る競合は、西洋諸国が世界中を植民地化したことで世界共通のものになり、意外なところでつながっています。その見えない「つながり」を見つけ、意味を考えるのが面白いところです。

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受験生へのメッセージ

コンピューターで自分の傾向、能力、性格を見極め、目標設定するのはよいことでしょう。ただし目標を実現できたとしても、例えば40歳で人生再設計、50歳で再び方向転換、60歳でまた、というようなことが必要な世の中になるかもしれません。その覚悟をし、好きな学問を存分に学び、柔軟多様で変幻自在な生き方・考え方を研究しましょう。

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国際文化学域

イタリア(欧州)文化の中心ではなく周縁への視点
キーワード :
前衛、ファシズム、捕虜

土肥 秀行教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
イタリア文学、日伊交流史
「捕虜の世界史」構築へ、イタリア戦争捕虜による収容所文学の研究~現在取り組んでいる新たな課題です。具体的には、人類初の「総力戦」となった第一次世界大戦において、各地で発生していた戦争捕虜へと目をむけます。日本にも5千人近い独墺捕虜が最大5年間囚われていました。そのなかにはさまざまな民族が含まれ、なんとイタリア系もいました(日伊は味方同士!)。正にマイノリティであるがためか、写真や報告書、証言などの多くの記録が残されており、それらを初めてひも解くことにワクワクしながら研究しています。誰も知らない歴史、なかったことにはできない存在、誰も読もうとしなかった文学(いわゆる証言文学)に興味があります。

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受験生へのメッセージ

どうしても「なぜ大学に行くか」というそもそもの疑問が湧いてきてしまうと思います。それは、私にとっては、「なぜイタリア語を学ぶか」という問いにもつながります。イタリア語は役に立たない、誰にも「やれ」と言われない、だからこそ純粋に自ら欲して学べます。大学とは、好奇心や希求心を試す場でしょう。

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国際文化学域

動物から見た人間世界の実像
キーワード :
動物説話、ゲルマン語、中世ヨーロッパ文化

檜枝 陽一郎教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
中世ヨーロッパ文学、ゲルマン語
中世ヨーロッパに出現した動物を主人公とする物語を研究しています。物語には人間も描写されていますが、その貪欲さや残酷性、また滑稽さが批判されています。当時は批判することがなかなか難しかった司祭などの聖職者に対する否定的評価も、動物世界の物語ならば可能でした。当時の社会の本音がうかがえる作品で、それと同時に人間が普遍的に抱える世俗の欲望、それに支配されて結局は騙されてしまう愚かさなども示してくれます。こうした物語がその後時代の変化に適応しながら、何世紀も生き延びてきたという事実は、人々がそこに教訓や戒めを見出していたことを物語っています。そうした本音の部分を発見するのが研究の醍醐味です。

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受験生へのメッセージ

いちばん感受性の豊かな時期に大学で学ぶということは、人生において貴重な体験です。その後の人生に豊かな精神性を付与することになるでしょう。個々の専門分野も大切ですが、これまで培われてきた人文学の膨大な成果にじかに触れることも大きな学びの一つとなります。教員も含めてお互いに切磋琢磨しながら、人文学の深みに浸りましょう。

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国際コミュニケーション学域

人はなぜ歌い、物語るのだろう? 
キーワード :
歌詞、物語、アメリカ文化

ウエルズ 恵子教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
アメリカ文学・文化、比較文学・文化
詩や歌詞、おとぎ話などを中心に読んで、ことば、人間社会について考えています。例えば、かつてのアメリカの黒人奴隷の歌はどうゴスペルソングやブルーズになり、あるいはラップになって現代に届いているのでしょう? 赤ずきんの話の中に性や暴力についてどんな真実が隠されているのでしょう? 世界中どこでも、歴史上のどの時代でも、人はいつも歌い、物語りをしてきました。私の研究は、人の心と日々の営みを【歌】や【物語】と関連させて考えます。聴いて、読んで、感じて、考え、広く調べ、自分の言葉で語り直して、私が発見した意味や感動をみなさんに伝えたいと思っています。

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受験生へのメッセージ

わたしは、小さい時から詩が好きでした。大人になって、歌詞や物語の研究をしたら世界各地に友達ができました。コミュニケーションは、スキルばかりではありません。伝えたい話があること、話を聞きたい人がいること、一緒に歌える歌があることが大事。【歌】と【語り】を研究して、自分を見つめ、外の世界に楽しく自分を開いてみませんか。

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