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Campus Master Plan

これまでの検討の流れと取り組み

chapter8では、キャンパスマスタープラン策定におけるこれまでの検討の流れと今後の検討の進め方について確認する。キャンパスマスタープラン2014年(4月暫定版)では、2014年度中に検討すべき課題を共有し、関係部局による主体的な検討と部課を超えた協力体制により、目指すキャンパス像を確立していくための手引きとして活用された。

8.12007年度までの検討内容

びわこ・くさつキャンパスは、1994年に理工学部の衣笠キャンパスからの拡充移転を目的として開設されて以降、1998年には経済学部、経営学部の移転、2004年には情報理工学部の開設など、1994年開設当初に比べると約3倍近い学生数、延べ床面積を擁する大規模キャンパスへと成長を遂げてきた。

一方では、急速な学生・教職員数の増加に伴うキャンパス環境や交通アクセスなど様々な課題が表出してくるとともに、それまで以上にキャンパスにおける利便性や快適性および質の向上への期待が高まり、中長期的な視点に立ち「学生の視点・満足度」を最重視しつつ、教育・研究の最先端の戦略的な展開や、学修者を中心においた新たな取組み、研究分野も含む国際化の進展等に柔軟に対応していけるよう「BKC総合キャンパス整備計画」(2007.12.19常任理事会)を取りまとめ常任理事会へ答申を行った。

キャンパスにおけるゾーニングの考え方など、その後の基本的なキャンパス計画の方向性を示すキャンパスマスタープランとして、1994年のキャンパス開設時のキャンパス計画以降はじめて総括的な整理がなされた。

8.22011年度までの検討内容

2007年度の「BKC総合キャンパス整備計画」策定以降、新たに生命科学部、薬学部の開設、スポーツ健康科学部の開設など、キャンパスは更に拡大を続け、2011年度時点では学生数18000名を擁する大規模キャンパスへと発展を遂げていた。

先の、「BKC総合キャンパス整備計画」で実現できずにいる課題や急速に拡充してきた状況が生む様々な課題や郊外型キャンパスとしての本来的なキャンパス環境のあり様などについても改めて、更なる利便性や質の向上を目指して、2007年度の目指した方向性を踏まえつつキャンパスマスタープランとしての総合整備計画の更新を目指して、「立命館大学キャンパス創造の基本構想」(2011.10.12常任理事会)のなかで、当時は正式なキャンパスマスタープランとしての位置づけが明確にはなされなかったものの、R2020の前半期におけるキャンパス整備計画として常任理事会で承認され具体的な理工系新棟や新体育施設などのアクションプランが確定され、このキャンパス整備計画に基づいて設計検討や建設が行われてきている。

図8-1 2011年度のキャンパス計画検討資料
図8-12011年度のキャンパス計画検討資料

8.32013年度までの検討内容

2013年度には、R2020の後半期におけるキャンパス整備課題の具体化に向けて、これまでのキャンパス整備計画の検討を踏まえつつ、改めて正式にキャンパスマスタープランを策定したうえで、個別的・対処的な整備を避け、2007年度にも目指したキャンパスにおける利便性や快適性および質の向上について、中長期的な視点を常に意識しながら「学生の視点・満足度」を最重視しつつ、教育・研究の最先端の戦略的な展開や、学習者を中心においた継続した取組み、研究分野も含む国際化の進展等に柔軟に対応していけるよう良好なキャンパス環境整備を実現していけるようキャンパスマスタープラン策定に向けて、3つの作業グループ(パブリックスペース検討作業グループ、交通計画検討作業グループ、緑地計画検討作業グループ)を「BKC将来構想検討委員会」のもとにおかれた「2015年度以降のBKCキャンパス整備計画検討部会」のもとに設置して集中して検討をおこない、今後、全学から広く意見を聞きながら、キャンパスマスタープランにおけるフレームを形成する基本方針を固めていくためのたたき台としての計画案を作成してきた。

写真8-1 若手懇談会の様子(2014年4月)
写真8-1若手懇談会の様子(2014年4月)

8.42014年度の検討内容

2013年度までの検討の到達点を「びわこ・くさつキャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)」としてまとめ、BKC将来構想検討委員会(2014.06.13)において討議し、常任理事会(2014.07.02)へ報告を行った。この時点でのマスタープランには記載すべき項目が全て掲載できていないことから、暫定版という扱いとした。2014年度は「びわこ・くさつキャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)」で未記載であった項目を含め、フレームワークプランに反映させるための具体的な検討や学内意見を聞く取り組みを進めた。今後の立命館学園を担う若手職員が日頃感じているキャンパスに対する想いや課題について意見を聞くため、キャンパス計画室を中心に総合企画課との懇談の機会を設けたりキャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)を学内教職員対象にポータルを活用して公開し、パブリックコメントとして意見募集を行った。また、キャンパスマスタープランに学生の意見を取り入れる取り組みとして学生懇談会を実施した。R2020前半期の課題である緑地整備については、2013年度の「緑地計画検討作業グループ」の検討を具体的な整備へとつなげるため、「緑地計画具体化検討WG」を立ち上げ、BKCの緑化の将来像や緑地整備の方針について検討を深めた。また、経営学部、経営学研究科、テクノロジー・マネジメント研究科が大阪いばらきキャンパスへ移転することに合わせて、移転跡地を効果的に活用するため、「社系施設課題検討WG」を設置し、課題の共有と2013年度に検討したパブリックスペースの考え方を活用しながら、解決策の検討を開始した。今後は、これら検討の到達点を踏まえながら、中長期的な視点検討の到達点で全体最適を見据えたR2020後半期計画の具体化につなげることとする。

写真8-2 キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)
写真8-2キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)
写真8-3 学生懇談会の様子(2014年10月)
写真8-3学生懇談会の様子(2014年10月)