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Campus Master Plan

部門別課題の把握とフレームワークプランの検討

chapter5では、目指すキャンパスの実現に向けて、検討・配慮すべき内容を部門別にフレームワークプランとして示す。フレームワークプランは、概ね15~30年程度の中長期的なキャンパス全体の整備方針に基づく計画である。どのようなアカデミックプランにおいても配慮すべき考え方や対応可能な考え方について述べている。

5.2交通

5.2.1交通計画の考え方

衣笠キャンパスの交通計画を考える上で、大切な視点を右記に示す。これらの考え方を踏まえ、交通計画では、「キャンパス内における移動」と「キャンパスへのアクセス」に分けて検討を行う。また、具体的な整備方針を検討する際は、キャンパス全体の管理・運営面と合わせて検討を行うことが望ましい。

キャンパス内における移動については、京都・衣笠キャンパスらしい快適な移動空間づくりを目指し、「街路の利用形態」、「キャンパス内における機能的配置」、「キャンパス内滞留人口分布」、「各門の入退出状況」などに配慮しながら検討を進める。キャンパスへのアクセスについては、周辺地域の状況に配慮しながら「学生の居住域」や「通学ルート」、「公共交通網」などを勘案して検討を進める。

図5-2-1の交通の方針①~⑤に示す内容は様々な条件をもとに、交通計画の検討において、キャンパス計画上大切にすべき考え方を整理したものである。これらをもとに、既存の敷地や施設の条件を踏まえて、交通計画の検討を行う必要がある。

図5-2-1 交通の方針
図5-2-1交通の方針

5.2.22014年度の検討状況

衣笠キャンパスにおいて、将来にわたり安全・安心で快適なキャンパスライフを送るための交通に関する主要課題を抽出し、課題解決に向けた方策について検討を進めることが大切である。2014年度には「2020年までの京都キャンパスプラン策定部会」のもとに「パブリックスペース及び交通計画検討作業グループ」を設置し、各部局の将来構想や課題認識を共有しながら、課題やその改善に向けた方策、大切にすべき視点の抽出を行い、次のようにまとめた。

5.2.3交通主要課題の抽出と検討の方向

衣笠キャンパスにおける交通計画を考える上で大切な視点にもとづき、当面優先的かつ重点的に検討を行う必要のある課題は、次の(ア)~(ウ)の3つである。現状の整備・運用状況について再確認を行い、より安全で安心かつ快適なキャンパスのあり方について検討を行う。

(ア)正門周辺の安全確保

正門周辺は交通拠点が集中し、歩行者や各種車両の通行量が多く、それら動線の交差が集中し事故の危険性が高い。動線の機能性および安全性を確保しながら、正門周辺としての空間の構築・整理が必要。

関連検討 ⇒ キャンパスイメージについて/キャンパスゲートのあり方について

(イ)キャンパスモール周辺の安全で心地よい「歩行空間」と「屋外の居場所」の確保

構内の学生が主に移動・滞在するエリアでは、限られた道路幅員にもかかわらずサービス車両等の移動および駐停車の用途にも使用され、スムーズなキャンパス内移動や余裕ある居場所空間の確保が難しい。円滑なキャンパス内移動と、屋外での場所の快適性を向上をさせる空間整備の検討が必要。

関連検討 ⇒ 屋外のパブリックスペースのあり方について

(ウ)地域(キャンパス周辺エリア)の安全確保

主要な登校手段の一つである自転車等の駐輪場はキャンパス内外に点在し、状況により不便かつ非効率的な利用状態を示している。また周辺住宅街を自転車が多く通行し、地域の交通安全確保が必然となる。安全かつ効率的なキャンパスアプローチを確保し、地域の安全に貢献する周辺対策が必要。

関連検討 ⇒ 行政や 地域、公共交通機関と、共に考える体制づくりについて

図5-2-2 優先的・重点的検討対象エリア
図5-2-2優先的・重点的検討対象エリア

5.2.4主要課題の改善に向けた具体的な選択肢

ここでは、(ア)~(ウ)の課題解決に向けた方策を複数示す。特に、(ア)の正門周辺の安全確保については、歩行者と車両の交差が少なくなるよう検討する。(イ)のキャンパスモール周辺の安全で心地よい「歩行空間」と「屋外の居場所」の確保については、動線整理と屋外空間の利用形態に配慮して検討する。(ウ)の地域(キャンパス周辺エリア)の安全確保については、学生等の利便性を担保しつつ地域の生活と安全・安心に配慮する。

具体的かつ優先的に取り組むべき整備内容については、表5-2-1に示した具体的な選択肢(案)をもとに、さらなる専門的な視点からの条件整理を行い、キャンパス全体のフレームワークプランを踏まえ、具体的なアクションプランに繋げていくものとする。

表5-2-1 検討の方向性と具体的な選択肢(案)
表5-2-1検討の方向性と具体的な選択肢(案)