京都キャンパスマスタープラン2015Ver.1の策定背景と位置づけ
将来にわたり良好でサステイナブル(持続可能)なキャンパスを目指し、中長期的な視点からの総合整備計画としてのキャンパスマスタープランを策定するために、2013年度に京都キャンパス将来構想検討委員会の下に「2020年までの京都キャンパスプラン策定部会」を設置し検討を行い、2014年度にはその進捗として「京都キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)」を常任理事会(2014年7月2日)に報告した。引き続き2014年度においても京都キャンパス将来構想検討委員会、策定部会や作業グループ等での検討を進め、キャンパスマスタープランに反映するとともに、暫定版の段階で未掲載であった項目についての加筆・修正や、各学部・研究科、機構等へのヒアリング及び全教職員を対象にした意見募集を行い、「京都キャンパスマスタープラン2015 Ver.1」の取りまとめに至った。
京都キャンパスマスタープラン2015 Ver.1では、キャンパスの現状と課題を共有し、15~30年程度をスパンとした長期的な整備方針としてのフレームワークプランを設定した。また、フレームワークプランを踏まえた当面5年程度の具体的な整備計画としてのアクションプランの検討における配慮事項をあげるとともに、フレームワークプランとアクションプランをつなぐリーディングプロジェクトの設定を行った。
キャンパスマスタープランは、その上位に位置づけられるアカデミック・プラン(R2020計画等の学園・大学の中長期計画や経営戦略)をキャンパス整備の面から支えるものであると同時に、15年~30年程度の長期的な視野に立ったキャンパス整備の指針と当面の課題等を示したものであり、R2020後半期計画の策定をはじめとするアカデミック・プランの変更など与条件に変化があった場合には、適宜更新していく性格のものである。
一方、京都キャンパス将来構想検討委員会や各機関へのヒアリングにおいて、中長期的な指針の重要性は理解しつつも、それが当面する課題の解決にどのように結びつくのかについてのわかりやすい説明の必要性についての指摘もあったが、キャンパスマスタープランは、それ自体が当面する課題解決の具体的な方法を示すものではなく、当面するキャンパス整備を進める際の指針として活用すべきものであり、これらは相互に連関している。
この点を踏まえた上で、常任理事会(2015年9月30日時点)として確認しておくべき当面するキャンパス整備上の重要課題について以下に整理する。まず、京都・BKCの両キャンパスに共通する課題として、1)今後のアカデミック・プランへの対応及び教学条件の確保、2)建物の築年数や耐震性能を踏まえた改修計画の策定、3)主要ターミナルからの交通アクセス改善及びキャンパス内の交通計画等が重要となる。京都キャンパス(衣笠、朱雀)においては、1)存心館・清心館など学部基本施設の改修計画の具体化、2)学生会館やコモンズなど学生関連施設の整備、3)衣笠キャンパスにおける駐輪場確保や食堂施設の改善など、狭隘化解消とともにキャンパス・アメニティや安心・安全の向上、4)業務の集中化・合理化等に対応した施設条件の確保等が重要となる。
この間の本学における学生・教職員が参画したキャンパス整備ならびにキャンパスマスタープランの策定は、私立大学の中ではきわめて先進的な事例として全国でも注目を集めており、今後、魅力あふれるキャンパスづくりに取り組んでいることを社会にも積極的に発信していくことが重要である。社会への情報発信や他大学等への資料提供とも関わって大学ホームページへの掲載や冊子、概要版等により順次公開して行く予定である。
今後の当面するキャンパス整備課題(アクションプラン)の具体化にあたっては、中長期的な総合的整備計画の指針としての京都キャンパスマスタープラン2015 Ver.1を指針として活用していくことが重要である。その際、教職員や学生といった構成員からも広く意見を募る必要があることから、その公開については、教職員に向けては教職員ポータルでの資料データのダウンロード(会議資料・書式ダウンロード→総合企画部主管会議資料→各キャンパス将来構想検討委員会)を可能とする。また、キャンパスの現状や学生・教職員のニーズの把握を、キャンパス計画室を中心に継続しながら、学生・教職員が参画したキャンパス創り、キャンパス計画を推進していく。
(2015年9月30日(水)第18回常任理事会報告より)
京都キャンパスマスタープラン 2015 ver.1 の構成
立命館大学のキャンパスマスタープランは「フレームワークプラン」、「アクションプラン」、「リーディングプロジェクト」の3つを骨格として検討を進めることとする。検討作業を進めるにつれ、詳細な構成は随時更新を行う。