これまでの検討の流れと取り組み
chapter8では、キャンパスマスタープラン策定におけるこれまでの検討の流れと今後の検討の進め方について確認する。京都キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)では、2014年度中に検討すべき課題を共有し、関係部局による主体的な検討と部課を超えた協力体制により、目指すキャンパス像を確立していくための手引きとして活用された。
8.12011年度までの検討内容
「立命館大学キャンパス創造の基本構想」(2011.10.12常任理事会)のなかで、当時は正式なキャンパスマスタープランとしての位置づけが明確にはなされなかったものの、R2020の前半期におけるキャンパス整備計画として常任理事会に報告され、それを踏まえて具体的に正門横の体育館をキャンパス西側の第2体育館および憩いの広場周辺へ移設し、その跡地に新棟B(新構想図書館)を建設することが確認され、現在「平井嘉一郎記念図書館」として建設工事が行われている。また、キャンパス東側には、新たな土地の取得と合わせ新棟A(大学院施設)の計画が承認され、「究論館」として2015年3月に竣工した。加えて、大将軍用地を国際寮として活用する方針が示され、2015年4月供用開始を目指すことが確認され建設工事が進められている。(その後の検討において、2015年9月供用開始と変更された)
8.22013年度までの検討内容
8.1.22013年度までの検討内容
2013年度には、R2020の後半期におけるキャンパス整備課題の具体化に向けて、これまでのキャンパス整備計画の検討を踏まえつつ、改めて正式にキャンパスマスタープランを策定したうえで、良好なキャンパス環境整備を実現していけるよう具体的な検討を開始した。個別的・対処的な整備を避け、キャンパス狭隘化の解消を図るとともに、キャンパスにおける利便性や快適性および質の向上について、中長期的な視点を常に意識しながら「学生の視点・満足度」を最重視し、教育・研究において最先端の戦略的な展開や学習者を中心にした継続的な取組み、研究分野も含む国際化の進展等に柔軟に対応していくためのものである。
キャンパスマスタープラン策定に向けては、「京都キャンパス将来構想検討委員会」のもとにおかれた「2020年までの京都キャンパスプラン策定部会」において集中して検討を開始し、今後、全学から広く意見を聞きながら、キャンパスマスタープランにおけるフレームを形成する整備方針を固めていくためのたたき台としてのキャンパスマスタープランを作成してきた。2013年度においては、立命館大学キャンパスマスタープランの位置づけや役割、構成、達成方策などについて議論を深め、同時に策定を進めているびわこ・くさつキャンパスマスタープランと共通のキャンパス整備の基本目標を策定した。また、キャンパスマスタープラン策定に関する懇談や現地調査を実施するとともに、学内の既存データを活用しながら京都キャンパスの利用状況や整備状況、学内ニーズなど把握を進め、衣笠キャンパスにおける目指すべき空間コンセプトや整備方針などの検討を深めた。
8.32014年度の検討内容
8.1.32014年度の検討内容
2013年度までの検討の到達点を「京都キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)」としてまとめ、京都キャンパス将来構想検討委員会(2014.06.25)において討議し、常任理事会(2014.07.02)へ報告を行った。この時点でのマスタープランには記載すべき項目が全て掲載できていないことから、暫定版という扱いとした。
2014年度は「京都キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)」で未記載であった項目を含め、フレームワークプランに反映させるための具体的な検討や学内意見を聞く取り組みを進めた。4月には、今後の立命館学園を担う若手職員が日頃感じているキャンパスに対する想いや課題について意見を聞くため、キャンパス計画室を中心に総合企画課との懇談の機会を設けたり、キャンパスマスタープラン2014(4月暫定版)を学内教職員にポータルを活用して公開し、パブリックコメントとして意見募集を行った。2014年度の後半期には、優先的かつ重点的に検討が必要な課題であった「交通」と「パブリックスペース」について、「2020年までの京都キャンパスプラン策定部会」のもとに、「パブリックスペース及び交通計画検討作業グループ(以下、作業グループ)」を設置し、3回の作業グループと2回のワークショップを開催して関係部局によって現状と課題を共有しながら方針の検討が進められ、その内容をフレームワークプランとしてまとめ、「京都キャンパスマスタープラン2015Ver.1」へ反映することとした。今後は、検討の到達点を踏まえながら、中長期的な視点で全体最適を見据えたR2020後半期計画の具体化につなげることとする。