京都キャンパスの現状と課題
3章では京都キャンパスの学部・研究科の構成や立地条件、敷地概要など、キャンパスを構成する基本条件の確認を行う。これらキャンパスの現状を把握した上で、キャンパス計画や整備における課題を抽出する。
3.3京都キャンパスの現状と課題
3.3.1衣笠キャンパスの現状と課題
施設整備の検討状況
(西園寺記念館、究論館、アカデメイア立命21、歴史都市防災センターなどその他キャンパス周辺施設を含む)
1981年の衣笠キャンパス一拠点化から四半世紀が経過し、施設の老朽化や耐震補強等の施設整備の必要性、さらには女子学生の増加や国際化への対応、身障者等のアクセシビリティ向上などの課題も抱えている。
衣笠キャンパス再整備計画においては、京都衣笠体育館、究論館が竣工し、平井嘉一郎記念図書館の整備が進んでいる。今後は現図書館の解体跡地における再整備計画の検討をはじめ、教育・研究環境を維持・向上させながらキャンパスの再整備を進めることが重要となる。建ぺい率が上限を向かえ、建物高さなどの法的規制が厳しい衣笠キャンパスの再整備においては、計画的に整備を進めることが極めて重要であり、教学条件の改善に向け現在順次整備を進めている。右図は施設整備関連において、全学的かつ優先的に検討すべき課題について記載している。年次的な維持修繕等課題については記載していない。これらの多くの課題を個別に検討するのではなく、共有・調整しながら衣笠キャンパス全体最適を目指した再整備計画の検討を進めることが必要である。

3.3.2朱雀キャンパスの現状と課題
京都・朱雀キャンパスは京都市内、二条駅の最寄りという立地特性を活かし、周辺地域との連携向上を図る。また、平安京時代からの京都の中心部である朱雀大路上に位置しており、衣笠キャンパス同様、歴史的・文化的コンテクストを踏まえたキャンパス計画を行うことが望ましい。
朱雀キャンパスの建物としては中川会館と防災倉庫のみであり、法科大学院や公共政策大学院などの教育・研究施設機能と法人本部機能などが主要な用途となっている。2015年4月には経営管理研究科が大阪いばらきキャンパスに展開した。これらを踏まえ、既存機能や立地特性を活かした施設の有効活用と他キャンパスとの連携について検討することが重要である。


