教員紹介

  • フィールドワーク

人間研究学域

伝承児童文学におけるいのちとたましいの伝え方
キーワード :
あわい、アニマシオン、コスモロジー

鵜野 祐介教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
教育人類学、伝承文学
日本(アイヌを含む)、東アジア(韓国・中国)、英国スコットランドなどにおけるフィールドワークに基づいて、子守唄・わらべうた・民間説話などの伝承児童文学における「子どものコスモロジー」の問題、特にいのちやたましいがどのように表現され、子どもたちに伝えられてきたのかを追究しています。そしてまた、いのちやたましいを今日の子どもたちにどのように語り伝えていけばいいかについて、うたや語りや絵本よみきかせや紙芝居の実演を通して考究しています。

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受験生へのメッセージ

教育人間学ってなんだろう?人間教育学とどうちがうの?教育サル学や教育バラ学もあるのかな?? 他の大学の教育学部や教育学科では学べない面白いことが待っています。 

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人間研究学域

未だない新しいものが生まれる瞬間を探る臨床教育学
キーワード :
物語、ミメーシス、ヴァルター・ベンヤミン

辻 敦子准教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
臨床教育学、教育人間学
教育を成り立たせているのは、未だない新しいものが生じてくるかもしれないという希望ではないでしょうか。この意味で、教育という営みには、今ある価値の枠組みをただ肯定するだけではなく、それを批判的に捉える視点が必要になります。私の研究テーマである「物語」は、教育に携わる人たちが、当たり前に見える教育のあり方を問い直し、生きた教育の意味を再び語りだすうえで、とても重要な見方です。教育や教育問題をめぐる言葉が、自閉的で排他的になっている状況を分析したうえで、教育をめぐる語りを豊かな意味生成へとひらくことを志向するのが、私が進めている臨床教育学的な研究です。

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受験生へのメッセージ

私たちの日常を形づくる「当たり前」を、少しだけ「ナナメ」に見てみることで、新しい景色が立ち上がってくることがあります。人間の、あるいは、世界の不思議を引き受けるという思考の奥行きへと一緒にダイヴしてみませんか?

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人間研究学域

論述型大学入試に向けた思考力・表現力の育成・評価
キーワード :
バカロレア試験、学力評価、授業研究

細尾 萌子准教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
教育方法学、教育課程論
フランスでは200年以上も、バカロレア試験という、論述式の大学入学資格試験を続けてきました。選択肢問題はほとんどなく、論述試験が中心です。哲学の試験では、「自由とは障害のないことか」という題で論述するといった問題が出ます。作問・採点の中心は、高校教員です。バカロレア試験はどのような評価の考え方に支えられているのか、また、バカロレア試験に向けて、どんな指導や評価をしているのかを研究しています。さらに、日本の学校で、知識を活用して論理的に思考し、表現する力をいかに育み、評価していくべきかを、フランスを鏡としながら探求しています。

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受験生へのメッセージ

私は卒論ゼミを持っておらず、教職課程を担当しています。学校の先生になりたい方にとって、立命館大学は、自分の教科の専門性を高めつつ、大学の授業や授業外での学びのコミュニティを通して社会性を育める恵まれた環境だと思います。先生になりたい方、ぜひ授業でお会いしましょう。

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日本文学研究学域

推論過程を表す言語形式の多様性を探る
キーワード :
日本語の構造、多様性、文法教育

有田 節子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
日本語言語学、日本語教育学
専門は「日本語言語学」、つまり、日本語を国語ではなく一つの言語として研究することです。私が飽きずに続けているテーマは「条件文」です。日本語には英語の if に相当する表現が少なくとも 4つ(「と」、「ば」、「たら」、「なら」) あり、なぜ、4つもあるのか、その分化のメカニズムを探っています。これは外国人に日本語を教える日本語教師を悩ませる文法項目の一つとしても注目されています。最近は、地域差にも関心を持ち、特に、九州方言特有の条件形式を調べています。現地でインタビューするたびに日本語の多様性を実感し、そこが面白くて、やめられません。

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受験生へのメッセージ

相手をどう呼ぼう?人称代名詞がない日本語ではyouのかわりに名前を使います。学生時代に知り合った友人には自然に愛称を使うけれど、実は、働き始めてから親しくなった人とは、いつまでも「さん」づけになってしまい、なかなか距離が縮まりません。そう、”日本語学的にも”学生時代は貴重な時間です。

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日本文学研究学域

デジタル情報社会におけるリアルな「場」としての図書館の社会的、教育的意義について考える

久野 和子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
図書館情報学
デジタル情報社会の中で、一時期は図書館不要論も唱えられましたが、今や公共図書館は地域活性化、まちづくりの中核として活況を呈しています。公共図書館は、静かな読書と勉強の場というイメージを脱却し、出会いと交流の場として、あらゆる人びとの生活と生涯学習を支えています。大学図書館でさえも会話や飲食のできるコモンズやカフェを擁し、学校図書館も生徒の心の居場所、交流の場ともなっています。「場としての図書館」研究は、複層的な機能と空間によって大きく変容する図書館の新たな意義と社会的、教育的価値を学術的に考察する図書館情報学の新しい分野です。なので、私は図書館の新たな可能性を開拓すべく、いつも研究に夢中になっています。

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受験生へのメッセージ

現代社会においては、人々の社会的格差や分断が拡大し、地域や家族のつながりが薄れ、環境破壊や自然災害、戦争などで多くの人々の生命と生活が脅かされています。実は、図書館はそうした課題解決にある程度寄与できる可能性と示唆を持っています。皆さんの身近にある図書館をぜひ広い視野をもって応援していただきたいです。

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日本史研究学域

戦乱の中世を城郭から読み解く
キーワード :
中近世城館、山岳霊場遺跡、海防遺跡、都城・官衙

岡寺 良准教授

所属専攻:
考古学・文化遺産専攻
専門分野:
日本考古学(歴史時代)
地中に埋没した遺跡(遺構・遺物)などの考古資料は、確かに文字資料(文献史料)には及ばないほど、歴史的事象を表すには多弁ではありません。しかし地中に刻まれた遺跡は歴史的な重要性の多寡に関係なく、歴史的な事実の反映であることに疑いはありません。この点が考古資料における最大の利点であると言えます。こうした物質資料から歴史的な重要性を導き出す学問研究分野が考古学です。 日本列島には、3~4万箇所もの中世の山城などの城郭遺跡があります。既に文字資料が存在していた時代でも、これらの膨大な数の構造物の比較検討を通していくことで、文字資料だけでは解き明かせない中近世史の解明を目指しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

考古学は、遺跡を研究対象としたフィールドワークが主体となる学問です。頭だけではなく体を動かして野山を歩き、遺跡を発掘することで、新たな発見に出逢うことができるはずです。先人たちの研究に学ぶと共に、そこから新たな課題やテーマを見つけて、歴史の新事実を解明していきましょう。

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日本史研究学域

原始古代の土器と交流
キーワード :
土器生産、農耕、国家形成

長友 朋子教授

所属専攻:
考古学・文化遺産専攻
専門分野:
日本考古学、民族考古学
弥生から古墳時代には、水稲農耕の普及、王権の成立、古代国家形成過程の解明など、日本の歴史を知るうえで重要な研究テーマが豊富にあります。私は、弥生・古墳時代を、ものづくりや食文化、海外との交流関係から研究しています。考古学的研究を軸としながら、民族学的調査をおこなったり、共同研究者らと理化学的分析と考古学研究成果を総合化するなど、時には学域を超えて研究を進めるなかで、視野がひらけ疑問の解けたときの喜びはひとしおです。過去の人々の生活の痕跡や墓、そこに残された物から歴史を再構築する楽しさを、ともに感じてみませんか。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

今現在の皆さんの問題意識の中から、研究課題は見えてきます。皆さんの見慣れた風景や生活する空間の地下には、歴史が眠っています。教科書では学ばない歴史を掘り起こしてみませんか。発掘調査をしたり東南アジアの土器づくり民族調査をしたり、フィールドワークを皆で一緒にすると楽しさも倍増します。皆さん、一緒に楽しみませんか?

COLUMN

何の変哲もない石に
価値を見つけるのが考古学の醍醐味

考古学・文化遺産専攻

長友 朋子

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国際文化学域

グローバルな視点から要塞築城を捉える
キーワード :
テクノロジー、文化史、身体性

唐澤 靖彦教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
軍事史
軍事史のなかでも、要塞築城が専門。特に、明治期に築造された、国土防禦のための洋式砲台・堡塁と附属建設物の研究です。様式美と機能美が一致したこの軍事建築群は、赤レンガや石等を主材料として不思議な美に溢れています。同じ時代、要塞は世界中で造られていました。アメリカ、台湾、ヨーロッパ、オーストラリア等での現地調査による比較を通じて、グローバルに存在する要塞築城がどのようなローカル性を発揮したのか、そしてローカルな要塞築城技術を生んだグローバル的動態は何かを考えながら、紀淡海峡の島々、舞鶴、広島湾の島々、佐世保、台湾の基隆と澎湖諸島、三浦半島、下関と北九州、そして対馬の山の中で泥だらけになってます。

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受験生へのメッセージ

南北戦争(1861-65年)ではアメリカ史上で未曾有の戦死傷者が出ました。テクノロジーが進展しているのに、将軍たちが50年前の戦い方をしたからです。イメージや発想の固着が引き起こす困難は、時代の変化が著しい現在とこれから、ますます増えます。固着に陥らないためにどんな視点が必要か。軍事史の研究はそれを考えさせてくれます。

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