
立命館大学の学部生・
大学院生のみなさんへ
2026年度の始まりにあたり、いま私たちが直面している現代の課題と、そこから描いていきたい未来についてお伝えします。
私たちを取り巻く社会の前提は、大きく変わりつつあります。国際社会では分断や対立が続き、これまで当たり前だと考えられてきた秩序や価値観は、必ずしも自明ではなくなっています。そして、このような世界的な状況を踏まえると、本学の教学理念である「平和と民主主義」が、今日どのような意味を持ち、どのように実質化されうるのかを、改めて問い直す必要があります。このことは、立命館大学の学生として、どのように考え、また行動していくのかが問われているとも言えます。同時に、気候変動に起因する世界的な異常気象や自然災害はすでに日常的な問題となっており、地域や暮らしのあり方と切り離せない課題になっています。さらに、AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展は、学び方や働き方、将来の姿そのものを、非常に速いスピードで更新し続けています。こうした変化は、決して「遠い世界の出来事」にとどまるものではなく、みなさん一人ひとりの学び、研究、学生生活、将来の選択と、さまざまな形で関わり得るものです。
この時代をどう捉え、どのように関わっていくのかは、学生のみなさん一人ひとりが生きていく将来と関わることであり、未来を構想して実現しようとする取り組みそのものが重要となっています。私たちはいま、「どのように社会と関わり、どんな価値を生み出していくのか」を主体的に考えることが求められています。立命館憲章の改正のプロセスや、そこに掲げられた「自主・民主・公正・公開・非暴力」そして「世界の平和の実現」に向けた希求は、みなさん自身が日々の学びや対話の中で参照し、その意味を考え、実践していくための手がかりとなるものです。多様な他者と出会い、価値観の違いに向き合い、対話を通じて意思決定を経験すること。そのような学びの場として、大学生活を捉えてみてください。
このような変化の激しい時代において、大学での教育・研究の果たす役割も改めて問われています。大学は、知を蓄積して伝えていく場であると同時に、社会の課題と向き合い、新たな問いを立て、異なる立場や価値観が交わる中で考え続けていく場であると考えています。そのプロセスの中で重要な役割を担うのが、学生のみなさんです。
立命館大学では、学生のみなさんを、教育や研究の場において一方的に「教える側」「学ぶ側」といった一方向の関係で捉えるのではなく、それぞれが異なる立場と役割を担いながら、大学のあるべき姿をともに考え、ともに創っていく担い手として捉えてきました。本稿では、大学が学生との対話や協働を通じて、教育・研究、学生生活、課外自主活動等の改善・改革を進めていく考え方を「学園共創」として整理します。なお、学友会が提起し展開してきた「学園共創活動」との関係については、第2章であらためて整理します。
本文書は、こうした学園共創の考え方のもとで、これからの立命館大学の姿や学びのあり方について、みなさんとともに考えていくための出発点です。ここで示す認識や方向性についても、学生のみなさんの実感や問題意識から見て、どこに共感できる点があり、どこに違和感や不足があるのかを、全学協議会に向けて対話を通じて理解を共有していきたいと考えています。それぞれの立場から受けとめ、考えるきっかけとしていただければ幸いです。
目次Index
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第Ⅰ章
2026年度全学協議会の意義と位置づけ
―これからの立命館大学を考えるために―
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第Ⅱ章学園共創のプロセスとしての全学協議会のあり方
―2022年度以降の議論の積み重ねを踏まえて―
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第Ⅲ章2022年度から2025年度における立命館大学の取り組みについて
―学び・研究・学生生活の充実に向けたR2030前半期の歩み―
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第Ⅳ章R2030後半期に向けた教学・研究・学生生活の重点施策
―学部生・大学院生との対話を踏まえ、「いま」を充実させつつ「これから」の展開を構想する―
- 第Ⅴ章R2030期間の財政運営と立命館大学の2027年度以降の学費・財政政策について
- おわりに2026年10月に開催される公開での全学協議会に向けて

