3.社会・大学環境の変化を踏まえた学部生・大学院生の育成像

以上のような社会および学びをめぐる変化を踏まえ、本学は、知識の修得にとどまらず、自ら問いを立て、多様な他者との関わりや研究・社会との接続の中で思索と実践を往還しながら、新たな価値を創発していく学生の成長を、一つの重要な方向性として考えています。みなさん自身の実感や将来像と照らし合わせながら、大学が支えるべき学びや成長のあり方について、全学協議会を通じて議論を深めたいと考えています。

その際に重視するのは、特定の分野に閉じた能力形成ではなく、専門性を深めながら、異なる分野の知や方法を理解し、社会の複雑な課題に対して複眼的に向き合う力です。国の政策においても、理工系・デジタル系人材の不足や文理分断型の学びからの脱却が課題として示されていますが、本学はこれを単なる分野別定員の調整としてではなく、総合大学としての幅広い学問領域を活かし、文理横断・学際融合・社会連携を通じて新たな価値を生み出す人材育成の課題として受け止めます。

この育成像は、創発性人材の育成を中核に据えつつ、一部の限られた学生のみを対象とするものではなく、学部生から大学院生までの多様な学生が、それぞれの関心や目的に応じてセルフ・オーサーシップを発揮し、自らの学びや経験を意味づけながら、自己の生き方やキャリアを主体的に形成していくことを基盤としています。そして、そのような多様な学びと成長の過程の中から、次世代の研究・イノベーションを担う高度な専門性と探究力を備えた人材が育まれていくことを、相互に関連するものとして捉えるものです。

大学は、このような多様な成長の可能性を前提に、研究と教育、学部と大学院、さまざまな学びの機会、を接続しながら、学部生・大学院生一人ひとりが、自らの問いを深め、社会との関わりの中で学び続けることのできる環境を整えていきます。

今次、全学協議会の議論を通じて、こうした学部生・大学院生像についても、学生のみなさんとともに考えを深める機会と捉えています。

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