1.学びの環境整備と教学改革の進展

R2030チャレンジ・デザインで掲げる「次世代研究大学」の実現と「イノベーション・創発性人材」の育成に向け、本学では、学友会・院生協議会連合会との懇談や、各学部・研究科での五者懇談会などを通じて、学部生・大学院生の声も踏まえながら教学改革と学びの環境整備を進めてきました。

まず、学びの環境整備として、2025年度から新たな学年暦を導入し、「95分×14週+20分VOD等」を基本とする学期構成へ移行しました。これにより、土曜日授業を解消し、学事日程に一定のゆとりを生み出すことで、正課に加え、課外自主活動、留学、地域・社会連携活動など、多様な学びに取り組みやすい環境づくりを進めました。また、2026年度からは学生ポータルの導入とあわせて、国際標準のLearning Management Systemである「moodle+R」を本格稼働させ、授業内外の学修を支える基盤を整備しました。

全学教育の改革としては、専門教育と往還する学びを重視し、「英語教育改革」と「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を推進してきました。英語教育改革では、2022年度全学協議会での議論も踏まえ、2030年に向けて研究・専門架橋型の英語教育を順次展開する方針を確認しました。2026年度のカリキュラム改革では、文学部、理工学部、食マネジメント学部、総合心理学部において専門科目との連携を強化し、高回生段階での英語教育を展開します。また、2026年度に開設したデザイン・アート学部でも、研究・専門架橋型の英語教育を実施します。こうした取り組みのもと、外国語基準であるCEFR B1以上を満たす学部生数は、2025年度に18,632人、54.2%となり、SGU最終目標である50%以上を引き続き達成しています。

教養教育では、2023年度に「データサイエンス+Rプログラム(基礎)」が、2024年度に「同(応用基礎)」が、文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度において文部科学大臣認定を取得しました。これらのプログラムでは、複数科目を遠隔授業として開講し、学生が学部やキャンパスを問わず学べる環境を整えています。1回生から履修でき、文理や事前知識の有無にかかわらず段階的に学べる体系とし、修了者にはマイクロクレデンシャルとしてオープンバッジを発行しています。さらに、2024年度秋学期には、教養ゼミナールにおいて「未来創造の探究×研究」をテーマとする探究科目を開講し、高校での探究学習を大学・大学院での研究へとつなぐ学びを展開しました。

これらの学士課程教育の取り組みとあわせて、次世代研究大学の実現に向け、大学院教育の質的・量的拡充も進めてきました。この8年間で大学院生は約1,000名増加し、2025年度の博士学位取得者は144名に達しています。前半期には、大学院生のキャリアパス支援を強化するとともに、研究所・研究センターのプロジェクトに多くの大学院生が参画するなど、研究組織と連携した教育・研究の機会を広げてきました。また、ティーチング・フェロー(TF)制度については、プレFDプログラムをより多くの大学院生が受講できるよう、2025年度から大学院の正課科目として開講しました。

NEXT:第Ⅲ章2.研究高度化と大学院生・若手研究者支援の展開

目次Index