2023.11.10 TOPICS

滋賀の隠れた魅力を知ってほしい!滋賀をこよなく愛する学生団体「滋賀ログ」の活動に迫る

 琵琶湖を中心とした豊かな自然を持つ滋賀県。四季折々の風景が楽しめるレジャー施設や由緒ある歴史的建造物などを目当てに訪れる観光客も多い。だが、滋賀県出身者と他の地域出身者の間では、冗談交じりに「滋賀って琵琶湖以外何があるの?」という会話が交わされることもあるという。
 琵琶湖だけにとどまらない滋賀の魅力を伝えようと活動するのが、学生団体「滋賀ログ」だ。主にInstagramで滋賀県の飲食店の紹介を行い、現在9000人のフォロワー(2023年11月時点)がいる人気のアカウントとして知られる。そんな団体の活動について、代表の藤田みつきさん(理工学研究科博士前期課程1回生)に話を聞いた。

滋賀って琵琶湖以外に何があるん?

 「滋賀ログ」を立ち上げたのは、大学入学後に県外出身の友人と滋賀県内を観光する予定を立てていたときのやり取りがきっかけだった。「『滋賀って琵琶湖以外に何があるん?』と聞かれたときに、はっきりと答えられなかったんです。周囲の友人を見ていても、遊びに行くときの行先は滋賀県ではなく、京都府か大阪府。『みんな滋賀県にあまり愛着がないのかな』と感じていました」。

 2回生になると、新型コロナウイルス感染症の影響で移動制限が続き、県内に滞在する時間が増加。車や公共交通機関を利用して、県内のお店を回る機会が少しずつ増えていった。そうした経験を重ねて気づいたのは、「滋賀県の魅力は日常に溶け込んでいる」ということだった。「ずっと滋賀県で育った自分や友人でも、見落としてしまっている滋賀県の『いいところ』がたくさんあることに初めて気がつきました。『滋賀県って色々あるやん』と何だか嬉しくなったんです」。そうした気づきから、滋賀県の隠れた魅力を知ってもらうきっかけを作ろうと、友人とともにInstagramを運用し、飲食店の情報を発信するようになった。





 紹介するお店は、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(以下、BKC)のある草津市をはじめ、大津市や守山市などの飲食店が中心。慣れない取材や画像制作に悩むこともあったが、学業との両立を図りながら投稿を継続し、店の雰囲気がより伝わるように工夫を凝らした。多いときには1日に3件もお店を訪問して投稿を続けた。投稿数が増えるにつれて学業との両立や費用面でも負担は増えていったが「頑張っているお店のために力になりたい」という思いが活動を後押しした。「看板商品があるような有名店だけを取り上げるのではなく、規模が小さくても頑張っているお店、自分たちが魅力を感じて応援したいと思うお店を取り上げることを大切にしてきました」。
 丁寧な取材と学生ならではの視点を盛り込んだ投稿は好評を呼び、「ぜひ一度行ってみたい」といったコメントが付くように。取材先からも感謝の声が寄せられ、フォロワー数も順調に増加。滋賀県のおすすめグルメを探す観光客にとって欠かすことのできない存在となった。

地域課題に取り組むイベント「feel→do!」への参加を機に、新たな活動を開始

 活動に転機が訪れたのは、2022年の終わりごろ。Instagramの取材で飲食店を訪れると、BKCで地域課題の解決を目指すイベントを開催する「まちのジブンゴト“feel→do!” (以下、feel→do!)」の運営メンバーとの出会いが。その場で「滋賀ログ」の活動を話すと、「ぜひプレゼンターとしてイベントで発表してほしい」とオファーを受けた。「これまで飲食店の発信はしてきたものの、普段から考えていることや今後実現したい目標について人前で発表するのは未経験でした。ですがとても面白そうなイベントだと感じ、喜んで引き受けました」。

 参加者全員が車座になり、発表された内容に関してブレーンストーミングを行う手法を取る「feel→do!」。藤田さんは参加者の柔軟な発想から大きな刺激を受け、自身の考えを俯瞰することができたと語る。「全員が自分事として捉えてくださり、ある回では80件ほどの多様なアイデアを寄せていただきました。最近ではどのような意見がもらえるかワクワクしながら参加していますし、新たなつながりもできてとてもありがたいです」と笑顔で語った。

滋賀の魅力をぎゅっと詰め込んだアドベントカレンダーを届けたい

 「feel→do!」のイベントをきっかけに「滋賀ログ」の活動は新たなステージへと移行した。イベントに登壇した2カ月後には、アウトレットパークや地域の夏祭りで、参加交流型イベント「滋賀のいいとこピックアップ!SHiGAP」を開催。地域住民とともに滋賀県の魅力を再発見する機会を創出した。さらにイベント開催と並行して、県内のおすすめ商品が詰まった「アドベントカレンダー」のプロジェクトを開始。「滋賀ログ」おすすめのお店の焼き菓子やコーヒー、雑貨など、計24個の「滋賀県の魅力」が詰め込まれたギフトの制作をスタートさせた。「これまでは滋賀県のお店の『情報』をInstagramで発信するだけでしたが、この方法であれば『商品』も届けることができます。購入してくださった方がお店に足を運んでもらう機会を生み出すことで、滋賀県がもっと好きになるきっかけになれば嬉しいです」と企画に込めた思いを語った。

12月1日からクリスマスまでの24日間をカウントダウンするクリスマス期間専用のカレンダー。1日一つずつ仕掛けを開けるとなかにプレゼントが入っている。





 現在、アドベントカレンダーのプロジェクトは1カ月間のクラウドファンディングを終え、支援金をもとにプロジェクトを進行中。「feel→do!」をきっかけに、中学生から40代の社会人まで幅広いメンバー6人が加わり、プロジェクトの達成に向けて奮闘を続けている。独自の方法で湖国の魅力を発信する「滋賀ログ」の今後の活動に期待が高まるばかりだ。

クラウドファンディングの詳細はこちら

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