産業社会学部福間良明教授が「サントリー学芸賞」を受賞

2017.11.15 NEWS

産業社会学部 福間良明教授が「サントリー学芸賞」を受賞

 産業社会学部福間良明教授が著書『「働く青年」と教養の戦後史 ―― 「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩選書、2017年2月)で、11月9日、第39回「サントリー学芸賞」〔社会・風俗部門〕を受賞いたしました。
 この賞は、毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動している著者を顕彰しています。贈呈式は12月11日に東京で行われる予定です。
 本書は、戦後復興と高度経済成長が進む中で、経済的な理由で進学を断念し、町工場や商店などに就職した若者たちが熱心に読んだ「人生雑誌」と総称される雑誌を取り上げています。こうした雑誌に、読者は何を求めたのか。人生雑誌の作り手側にも光を当てながら、この雑誌とその読者がいかなる変容を遂げていったのかを描いています。

福間教授
福間教授

福間良明教授のコメント
 このたび受賞となりました拙著は、終戦後から1970年代半ばにかけて刊行された「人生雑誌」の歴史を扱ったものです。人生雑誌とは、義務教育を終えてすぐに集団就職したような勤労青年たちを主要読者とする教養誌のことで、「生き方」「社会批判」「読書」といったテーマが多く取り上げられていました。進学できない鬱屈を抱えていた勤労青年たちは、なぜ「教養」の色合いの濃い雑誌を手にしたのか。そこに、労働環境や格差、貧困、学歴の問題がどう絡んでいたのか。こうした観点から、大衆的な教養文化の戦後史を検討しました。人生雑誌に浮かび上がる勤労青年の「知への憧れと反発」は、格差社会が言われる今日の教育や「知」を問ううえでも、示唆的なものがあるように思っています。

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