2018.10.24 NEWS

遺伝子組換え植物種子の紛失事故に関する本学のこれまでの対応と今後の対応について

 立命館大学は、5月23日に判明した本学から他大学へ譲渡した遺伝子組換え植物種子(シロイヌナズナ)の運搬中の紛失事故に係り、6月15日に事故の経緯や同種子の発見・回収のためのご協力について、記者会見を通じて公表いたしました。
 依然として遺伝子組換え植物種子が紛失状態にあることで、皆様にご心配、ご不安をあたえておりますことを深くお詫び申し上げます。

 本学では、事故発覚後、直ちに同種子の発見・回収にむけて関係諸機関へご協力の要請を行うと共に、6月20日には、事故の原因究明、再発防止策、環境への影響を除去するための対策等を検討するための検討委員会(本学教員5名)を設置し、事故原因の究明と再発防止策、生物多様性への影響等について検討を行ってまいりました。

 検討委員会による中間報告書を10月19日に文部科学省へ提出し、10月24日に文部科学省より再発防止のための措置を徹底するよう厳重注意を受けるとともに、今後のモニタリング調査の結果及び具体的な再発防止体制についても報告を行うよう求められました。

 中間報告書にまとめた事故原因、再発防止策及び環境等への影響の主な内容は以下のとおりです。

1.事故原因について
 本事案を生じさせた主たる原因は以下のとおりとの結論に至りました。

・運搬にあたって執るべき拡散防止措置に関する具体的な運用ルールが大学として未整備であったこと。
・立命館大学が学内規則で定めている組換え体の実験室外への持ち出し、運搬にあたっての実験責任者の管理責任が果たされていなかったこと。
・同学内規則に定められた実験従事者(研究者)に対する教育研修を実験責任者が十分に実施していなかったこと。
・学内規定上で異常事態発生時の対応について、施設に係る異常事態しか規定されておらず、今回の事案のような場合の対応が不明確であったこと。


2.再発防止策について
 本事案を踏まえて、本学では次の再発防止策を策定し、今後、同様の事案が発生しないよう、再発防止の徹底に努めてまいります。

・遺伝子組換え生物等の運搬に当たって執るべき拡散防止措置の具体的なルールを策定し、学内への周知徹底を行うこと。
・遺伝子組換え実験に関する教育訓練について、法令や具体的な拡散防止措置、学内ルールに関する新たな講習を設けて学生及び教職員を対象に実施すること。
・緊急事態発生時の対応について、遺伝子組換え実験の事故時を含め、具体的な実施体制を構築すること。


3.人への影響ならびに生物多様性及び環境への影響について
 紛失した種子は、毒性タンパク質を含まないことから、人に対する健康被害はありません。また、内容物については、漏出防止措置を施した密閉された容器に封入されたままの状態で紛失しており、人為的開封がない限り、種子が容器の外に出て発芽する可能性は低いと考えられます。
 なお、紛失した遺伝子組換え体シロイヌナズナ種子の生物多様性及び環境への影響については、①シロイヌナズナの増殖特性、②同種子の遺伝子組換え体としての特性、③物理的封じ込めの状態にある同種子の状態と死滅の可能性、④想定される同種子紛失箇所の範囲、を検討した結果、今回の紛失した種子が周囲の生物多様性や環境へ与える影響はほぼ無いものと判断されます。
 しかしながら、紛失が想定される5箇所で、2019年度から3年間、継続的な調査を実施したうえで、その調査結果を文部科学省へ報告いたします。

【本件に関するお問い合わせ先】 
学校法人立命館 安全管理室 (077)599-4175

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