調印式の様子

 立命館大学は、大船渡市と2012年4月24日に「災害復興に向けた連携協力に関する協定」(以下、災害復興連携協定)を締結し、これまで継続的に復興支援活動を実施してきました。

 このたび災害復興連携協定が2016年3月31日をもって期間満了したことに伴い、更なる多様な連携や協働の取組みを促進することを目的とした「包括連携協定」を行うに至り、2016年4月29日(金・ 祝)、大船渡市民文化会館(リアスホール)にて調印式を執り行いました。

 調印式では、戸田公明大船渡市長と吉田美喜夫立命館大学学長が協定書に署名をした後、戸田市長から「4月に発生した平成28年熊本地震により、大分県にある立命館アジア太平洋大学も被害にあわれたことをお見舞い申し上げます。そのような中、調印式を迎えることになりましたが、同じく震災被害を受けた大船渡市としては、立命館大学との災害復興に向けた連携協力をさらに進展させ大船渡市と立命館大学が共に連携を深めていきたいと考えています」とのお言葉をいただきました。吉田学長からは「この度の熊本地震では、立命館アジア太平洋大学でも学生が被災し、大学の施設にも損壊がありました。授業は再開したものの余震が続いており、学園として学生・教職員の安全確保とともに、心理的ケア支援などを重視していきたいと考えています。大船渡市と包括連携協定を締結することは、自然災害の頻発する日本において自治体と大学が手を取り合い、防災、災害復興の研究など諸活動に資する取り組みであり、さらに、地域の産業振興・教育・文化・研究・スポーツの振興、人材育成、まちづくり等、あらゆる分野に連なる有意な取り組みであると考えます」との話が行われました。

 調印式後は、大船渡市から戸田市長、角田陽介副市長、立命館大学から吉田学長、建山和由災害復興支援室室長、塩崎賢明副室長、菊池宏立命館大学岩手県校友会会長をはじめとする関係者による懇談を行い、協定締結後の今後の期待について語り合いました。大船渡市からは、「外の声を活かすことで復興に繋がる。」「まちづくりを軸に人材育成や産業振興、教育・文化・研究・スポーツの振興や発展に繋げていきたい。」「世界を代表する文化都市である京都から学ばせていただきたい。」等のお話をいただきました。また立命館からは、「新しい交通システムとして導入されたBRT(※バス高速輸送システムの略称)による都市計画は今後注目される研究だと思う。」「復興の過程に立ち合わせていただくことで、まちづくりをはじめ、キャンパス外でこれだけ多くのことを学ばせていただくことは大学にとって大変貴重な機会をいただいている」「今回の協定締結を契機として、大船渡と立命館の絆をさらに深めていきたい」旨の発言が行われました。校友からは「学生が何度も大船渡に訪れてくれている。交流を通じてさらに大きく成長して欲しい」とお話くださいました。

ワークショップの様子
ワークショップの様子
グループでのアイデア出しの様子
グループでのアイデア出しの様子

 午後からは、包括連携協定締結記念フォーラム「 学びにきゃっせん!」を開催しました。はじめに、災害復興支援室副室長の塩崎政策科学部教授による記念講演「復興と減災~東日本大震災の5年とこれから~」が行われ、塩崎教授は、震災における孤独死や関連死の問題について抜本的な制度改革が必要であり、被災者の救済、生活・住宅再建を第一義に据えた「復興基本法制」の確立が求められると訴えました。さらに、防災や災害復興に取り組む行政組織、防災復興省を創設することで、平時からの防災、災害復興への取り組みを行う必要性について指摘を行いました。

 講演後は、災害復興支援室副室長の山口洋典共通教育推進機構准教授と約50名の市民や市職員によるワークショップ「大船渡の○○自慢」を開催しました。参加者はグループに分かれ、大船渡の銘菓である「かもめの玉子」(さいとう製菓株式会社)の新しい味を考えて発表し合うアイスブレイクからスタートしました。

 次に「大船渡の○○自慢」と題して、各自が考える大船渡が誇れる思うモノ・こと・ひとについて語り合いました。最後に、しごと・アイドル・場所・ならわし・食・名人・くらしの7つのテーマに大船渡の自慢となることを全員で書き出し、グループごとに最も魅力的な「大船渡の○○」を発表しました。

 最後には、戸田市長や吉田学長を含めた参加者全員による記念撮影を行い、和やかなフォーラムとなりました。

 立命館大学は、今回の締結をもって大船渡市と共に、まちづくりや人材育成等をはじめとする様々な分野において更なる連携・協力を展開し、今後も災害復興やまちづくりをはじめ、様々な分野において社会に貢献していきます。

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