新たな気付きを得て次の学びへ

2018.09.07 TOPICS

新たな気付きを得て次の学びへ~学部、回生、場所を越えた学び「教養ゼミナール」~

 「知性を身に付け、境界を超え、ともに学ぶ」ことを重要視し、「専門的な素養」と「Borderを超えて主体的に学ぶ力」を身に付けることを目指す『学びの立命館モデル』。この仕組みを軸とした立命館大学の教育システムのひとつに「教養ゼミナール」があります。これは、異なる学部や回生の学生たちが受講する小集団形式の教養科目で、毎年各キャンパスで様々なテーマのクラスが開講されています。
 ここでは、この春学期に開講された2つのクラスを紹介します。

うまくいかない経験が、コミュニケーション力向上のはじまり

 びわこ・くさつキャンパスで経済学部の紀國洋教授が担当したクラス、「実例で学ぶ「初めての課題解決(ビジネス編)」」。全15回の授業を前半と後半に分け、タームごとに異なる企業から与えられた課題に対する解決策をチームで考え、提案を行うクラスで、約30人の学生が受講しました。春学期の後半では、「京セラ株式会社」の社員の方たちに対し、「災害時に澄んだ水をつくる」「新たな信号機の開発」など、京セラの技術、ノウハウを活用した新たな製品、用途の提案を行いました。
 AIを使った提案を行ったグループは、メンバーに情報理工学部の学生がいたからこそ思いついたアイデアだといいます。そして、経済学部生や理工学部生など、それぞれの専門的知識や、思考の特性を活かしながら提案内容を深めていきました。2回生のひとりを除いた残りの学生全員が1回生というグループでは、授業外の活動でもリーダー役を務める2回生から的確な指示が出されたことで、1回生たちは、課題発見、提案に至るまでのプロセスやグループ内での役割分担などについて多くを学ぶことができたと感想を口にします。

 「このクラスでは課題解決力もさることながら、コミュニケーション力が培われる」と紀國教授はいいます。「決してポジティブなだけの過程ではなく、思うように自分の考えが伝わらない、理解してもらえないという経験からスタートします。それは、普段の自分と同じ共通点(学部、回生)をもつ人とは違う人と接するからこそ生まれる状況です」。
 受講生のひとりは、「学部や回生が違うことで物事の見方や考え方が異なり、チーム内での摩擦が多かったように思います」と振り返ります。このような違いを乗り越えてコミュニケーションを取るために必要だと感じたのは、回生や学部に関係なく、恐れず積極的に意見したり、疑問を投げかけたりすること。「結果、相手も積極的な意見を展開してくれるようになり、グループの提案の完成度の高さにも繋がりました。実際にグループで活動してみなければ分からないようなこの難しさを大学1回生で知ることができたのは、自分にとって非常に大きな財産になりました」と話します。

身近な人へのインタビューから、自分の無知、無関心さを知る

 次に紹介するのは、衣笠キャンパスで先端総合学術研究科の岸政彦教授が担当したクラス、「ひとの話を聞くということ-取材とインタビューの実践を学ぶ」。前半はインタビューの方法と理論を学習。その後、作成した計画書をもとに、学生の身近な人に実際にインタビューを行い、最後は文字おこしとその編集をするクラスです。

 著書『断片的なものの社会学』でも知られる岸教授。ウィットに富んだレクチャーで、授業はいつも笑いに包まれますが、生活史について人の感情、価値観に迫る話になると、一転、学生たちは真剣な表情に変わります。岸教授はこのクラスについて、「“人の話を聞いて、インタビューする”ということは、いろいろな学問に共通する方法です。卒業して社会に出ても、人の話を聞いて、持ち帰り、分析する、という方法は仕事に直結することです。学生さんたちが聞き取ってくる「生活史」自体も、とても面白いものが多いです。こういう授業をしてみたいと思っていたので、やってよかったと思います」と話します。また、大学の教室での学び、また自分の身近な人への現場でのインタビューを経験した学生の変化について、「身近な人でも意外に知らないことが多いことに気付く。他者への想像力が高まり、それが学生の成長につながります」と語ります。

 ある学生は、自分に他者への無知や偏見があったことに気付きます。「祖父へのインタビューで、近くにいる人を意識して見ていないことに気付きました。一人ひとりの人間の見方が変わり、人の中身まで見ていきたいと感じるようになりました」といいます。また、ある学生は、インタビューを通じて祖母が心を開いてくれた感じがして、距離が近くなったと口にします。「どんな人でも距離をとるのではなく、理解できないかもしれないけれど関心を持つようになりました。自分の価値観にあてはめすぎてひとくくりにしたくないけど、それでもひとのことを知ろうとすることは悪いことではない、と思いました」。


 総合大学のメリットを活かした、また立命館大学ならではの学部や回生、場所を越えた学びである「教養ゼミナール」。学生たちはコミュニケーションの取り方や視野の持ち方など、様々な面で新たな気付きを得て、成長し、次の学びにつなげています。

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