2022.08.03 TOPICS

国際関係学部の学びと国家公務員 内々定者が語る、学部の魅力とは

 2023年度国家公務員採用総合職試験の合格者が発表された。各省庁で行われた官庁訪問を経て、本学の内々定者は13人(キャリアセンター把握分)。2019年度と並び過去2番目の内々定者数である。なかでも注目するのは、外務省、内閣府、総務省に内々定を決めた国際関係学部生の状況だ。国際公務プログラムや外務省連携講座、国際公務セミナーなど多様なコンテンツを提供する国際関係学部。今回、2022年から国家公務員としてのキャリアをスタートさせる3人の学生に、国際関係学部での学びやこれからのキャリアについて聞いた。

座談会メンバー

尾澤 崚太さん
尾澤 崚太さん

尾澤 崚太さん(外務省 内々定)
国際関係学部4回生。2回生時に国際公務プログラムに所属するほか、キャリアセンターが運営する公務員養成プログラム「立命館霞塾」や、国際社会で活躍する人材育成プログラム「オナーズ・プログラム」を受講。現在は、足立研幾教授のゼミで、国際政治学や国際政治論、安全保障などについて研究している。

瀧 彩音さん
瀧 彩音さん

瀧 彩音さん(総務省 内々定)
国際関係学部4回生。2回生時に国際公務プログラムに所属。現在は、中東イスラーム研究を専門とする末近浩太教授のゼミで学んでいる。

植栗 柚月さん
植栗 柚月さん

植栗 柚月さん(内閣府 内々定)
国際関係学部4回生。2回生時に国際協力開発プログラムに所属。現在は、森岡真史教授のゼミに所属し、災害時におけるメディアのあり方について研究している。

国際関係学部と国家公務員

国際関係学部は、1988年に設立して以来、国際協力、外交、グローバルビジネス、地域コミュニティなど国内外で活躍する8000人以上の卒業生を輩出してきた、西日本でもっとも伝統ある国際系学部である。さまざまな文化的背景、価値観が混じり合う環境に身を置く学生は、国家公務員をどのようにして目指そうと考えたのだろうか。

尾澤さん:
大学に入った当初から影響力の大きな仕事がしたいと思っていて、官僚になりたいと考えていました。官僚というポジションは、公共性と根幹性を持っている職業。特に、外務省か防衛省に入って安全保障を担いたいと1回生から漠然と抱いていました。

植栗さん:
入学当初は、公務員志望ではなくて、民間企業への就職を漠然と考えていましたが、コロナ禍によって考え方が大きく変わりました。大学に行けない、外に出られない、友達に会えないなど、今までの当たり前が当たり前じゃなくなる瞬間に遭遇した時、当たり前の国民生活や基盤となる部分を支えられる仕事に就きたいと思ったんです。コロナ禍で人生が変わった気がします。

瀧さん:
私は大学2回生の時に公務員就職について考え始めました。ですが、その時は国家公務員になっている自分を想像することができなくて、かなり具体的に志望度が高まったのは3回生になってからです。総務省の仕事体験をするオンラインの1dayイベントに参加したんですが、仕事の内容や働き方を具体的に想像することができました。

国際関係学部の多様な環境

国際関係学部には、国際公務プログラムや外務省連続外交講座、First Year Retreat、プロフェッショナル・ワークショップなど、国家公務員や国際公務分野を目指す学生に向けたさまざまな学習環境が整っている。

尾澤さん:
国際公務プログラムは20人ぐらいの小規模なので、自然とコミュニケーションが取りやすい環境です。同じ志を持った仲間がたくさんできたので、お互いに知識や情報、メンタル面でもサポートできたと思います。関西の大学は首都圏の大学に比べて情報量が少ないので、チームみたいな感じですね。国際公務プログラムならではないでしょうか。

瀧さん:
仲間に恵まれたことと、学部の学びで学ぶ姿勢を培いました。私はあまり試験勉強が得意ではないタイプなのですが、学部でコツコツと学んできた姿勢が、難関試験においても発揮されたと思います。特に、教養試験はどの角度から、どのような問題が出てくるのか未知数です。そんなとき、授業で聞いた理論が突然問題にでてきたりして、「これ聞いたことある」と思うこともあります。日々の授業を受ける姿勢は大事ですね。

植栗さん:
オールイングリッシュの授業を大学で初めて受けて、帰国子女の方や留学生の方と話していると英語力と働きかける力(周囲を巻き込む雰囲気を作っていく力)というのがずっと日本で生きてきた自分には足りないなと思いました。自己完結するのではなく、問題意識を共有する力を、国際関係学部では培うことができました。

尾澤さん:
「グローバル・シミュレーション・ゲーミング」も印象に残っています。国際情勢を様々な国の立場からリアルにシミュレーションする授業なのですが、体験から学んだ経験は外務省での面接にも活かすことができました。自分の関心や日本のことばかり意識してしまうと、どうしても考えが偏ってしまうので、世界中のさまざまな視点から学ぶことができる国際関係学部の環境は、国家公務員を受験する際の利点だと思います。

瀧さん:
国際公務プログラムに所属すると、特別に法学部の授業を履修できる制度は有難いですね。民法や行政法、刑法を受講することができ、単なる試験対策ではない、理論や背景、どのような考えをもって、その答えが導かれるのかという点を、法学部の授業で理解することができました。

4年間を振り返って

卒業まで残り約半年に迫った学生たち。少し早いが4年間を振り返ってもらった。

植栗さん:
国際関係学部は他学部と比べて、自分の目標や意欲、意見などをオープンに話す学生が多い印象です。一人で淡々とやっていくというよりも、みんなで目標に向けて頑張っていこうっていう感じですね。できないことがあると日本人は隠したり、抱え込む人が多いと思うんですけど、分からないことを恥じることなく堂々とわからないと言える人たちが国際関係学部の方には多いと感じました。そういう人たちの中で学習できたのはよかったです。

尾澤さん:
私は中学から附属校(立命館慶祥)ですが、立命館は多様な価値観をもった学生が多く、それが魅力だと思います。国際関係学部に限らないのですが、キャリアセンターやエクステンションセンターもやりたいことがあったらサポートしてくれる体制が整っています。さまざまな可能性があった4年間でした。

滝さん:
国際関係学部の学びを通して、自分がこれまで知らなかった世界が開けました。この経験は、就職だけでなくて今後の人生の財産にきっとつながります。国際関係学部ではたくさんの方とお会いする機会があって、すごく多様な考え方に触れていく中で自分がすごく成長したなと思えるので、今後もその姿勢を忘れずに素敵な大人になりたいです。

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