第4回立命館びわこ講座

立命館びわこ講座 第4回目を開催

 11月12日(土)びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、立命館びわこ講座の第4回目の講義を開催しました。本講座は本学と草津市、草津市教育委員会との共催企画でBKC開学当初から20年以上続く講座です。草津市の方を中心とした地域の方を対象としています。

文学から見えてくる近江の風土

西本梛枝先生
西本梛枝先生
熱心に受講されるみなさん
熱心に受講されるみなさん

 全5回のうち4回目となる今回は「文学から見えてくる近江の風土」を演題として、文筆家で旅行作家の西本梛枝先生にご講演いただきました。
 はじめに「近江」が古代より歴史的に重要な立場にあった土地であるという観点のお話から草津の野路・小野山遺跡や一大製鉄所であった木瓜原遺跡(BKCクインススタジアム内に保存)のお話、野洲・石山・米原・といった身近な場所の歴史について学びました。そういった様々な「素材」を持つ近江であるからこそ作家の創作意欲をかき立て、近江が関わる文学作品が多くあるということをおっしゃっていました。
 続いて、現在の長浜市(旧琵琶町)が舞台となっている『星と祭り』(井上靖)がご紹介され、湖北の風土が精密につづられている中で、「近江の風土」が描かれているといったお話や、歴史上の人物の描かれ方は作家によってことなるといったお話の中で、物事や歴史は一つの視点だけで判断するのではなく、様々な視点から見る必要があり、その一つの手段として「文学」作品があるというお話がありました。また、文学作品を読むことで「文学風景」を感じられるという点においては、見ている風景だけでなくその土地の暮らしや人々、思いといった「見えない」風景にまで目をむけることの重要性についてもご指摘いただきました。最後に、歴史を背景にした作品の中で描かれる近江の人々の様子や、現在にも通じる近江人の「先を読む力」についても触れられ講義は終了しました。
 受講者アンケートからは、西本先生がおっしゃっていた「先に文学作品を読むことで、その舞台となった土地に行った際、通常であれば見過ごしてしまいそうな普通の景色も見ようとするだけでなく、作家の目を通して多くの風土を感じることができる」という点に感銘を受けたといった声が多数寄せられました。

 今年度の最終回となる次回は11月26日(土)、「天智天皇と近江大津宮、そして桓武天皇」をテーマに文学部の本郷真紹教授にご講演いただきます。

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