先進的な技術・研究事例からサステイナブルな社会について考える

仲谷善雄総長
仲谷善雄総長
大平昌幸・近畿経済産業局新エネルギー推進室室長
大平昌幸・近畿経済産業局新エネルギー推進室室長

 12月3日、立命館地球環境委員会と立命館サステイナビリティ学研究センターの共催により、びわこ・くさつキャンパスにて「第11回立命館地球環境委員会シンポジウム−Society5.0時代におけるサステイナブル社会−」を開催しました。
 当シンポジウムは、学生構成員の環境教育・啓発の機会として、また、本学の取り組みの発信の場として毎年開催されており、今回で11回目を迎えました。今回は「Society5.0」に着目し、先進的な技術・研究事例からサステイナブルな社会について考える機会として行われ、学生を中心に学内外から187名が参加しました。

 冒頭、仲谷善雄総長は、三菱地所株式会社と立命館の戦略的DXパートナーシップ締結や、立命館SDGs推進本部設立に触れるとともに、「最先端の技術を活用した新たな環境負荷低減策や、それによる誰一人取り残さない持続可能な社会づくり、そして未来の立命館キャンパスのあり方について自由闊達に議論していただきたい」と挨拶しました。
 前半の部では、大平昌幸・近畿経済産業局新エネルギー推進室室長から「関西スマートエネルギーイニシアティブにおけるAI/IoT技術を活用したスマートキャンパス等の検討」について、渋谷一太郎・三菱地所株式会社DX推進部統括から「三菱地所が目指すデジタルトランスフォーメーションとロボット活用」と題した講演が行われ、変革期を迎えるエネルギーシステムの現状や、ロボットを活用した次世代型ビル運用モデルの現状について報告がありました。

渋谷一太郎・三菱地所株式会社DX推進部統括
渋谷一太郎・三菱地所株式会社DX推進部統括
野村泰稔理工学部教授
野村泰稔理工学部教授

 後半の部では、野村泰稔・立命館大学理工学部環境都市工学科教授から「深層学習を活用したインフラ点検に関して」と題した講演が行われ、構造診断におけるAI/深層学習の活用事例等の紹介がありました。
 また、立命館の学生・生徒・児童からプラスチックごみの削減アイディアについて募集した「サステイナブルキャンパス・アイディア・コンテスト2019」の表彰式が行われ、ビニール袋の個包装を再生紙に切り替えることでプラごみ削減と紙リサイクルの両立を目指す「テイクアウトのプラゴミ削減(中西愛裕美/荒木真凜・立命館大学食マネジメント学部1回生)」が最優秀賞として、飲料と容器を分けて販売することでペットボトルごみの削減を促す「個人個人がペットボトルを再利用する(村井櫻子・立命館守山中学校3年)」が審査員特別賞としてそれぞれ表彰されました。
 最後に、近本智行・立命館サステイナビリティ学研究センター長のコーディネイトによるパネルディスカッションが行われ、講演者3名に加え、重村知輝・立命館大学大学院理工学研究科修士2回生、盧宏泰・立命館大学大学院理工学研究科修士1回生、伊藤祐聖・立命館守山高等学校2年生、の計6名がパネリストとして参加しました。授業における深層学習の活用や、若い世代の活躍など、未来のサステイナブル社会に向けた多様な議論がなされました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

 参加者からは、「AIやIoTといった情報技術によって、無意識でも省エネに関わっているような生活が訪れることに期待します。また、自分もそういった技術の開発の一助になれたらと考えています。(学部生)」「本日のシンポジウムを通じて、われわれ若手研究者として、今後持続可能な社会のためにどういった責任を持つか、どのように貢献するべきかを知ることができました。(院生)」「ロボット技術の発展に関して、法律や経済など様々な分野が関連しているのがよく分かりました。新たな価値創造ができる人材を育てていく必要があると感じました。(高校教員)」「持続可能な社会の実現には、AI/IoTの活用は、もはや必須のものであると改めて感じました。大手、グローバル企業では既に取り組みが始まっているが、大半を占める中小企業への浸透はまだまだ課題があると思いました。色々と考えさせられるシンポジウムでした。(企業勤務)」などの意見が寄せられました。

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